AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

高橋はるみ知事はアイヌ民族への謝罪を検討中ではないのか?

 この投稿は、2016年4月1日(エイプリル フールの日)に「高橋はるみ知事、アイヌ民族への謝罪を検討中」という題で投稿した記事の本文と追記の一部を「トップページの先頭に表示」する機能を使って冒頭画面に再掲しています。

 現在は購読登録者以外には非公開となっている2015年10月30日の北海道新聞の「知事公約『北海道150年』何やる? 財政難、アイヌ民族軽視批判も」という記事によれば、道は2018年に北海道150年記念事業を予定しているそうで、その検討に着手したとある。その記事によれば、2018年が「開拓使が設置され、蝦夷地(えぞち)から北海道に改称された1869年(明治2年)から150年目に当たる」からということである。私はこれがまた現代の「アイヌ勘定」かと思ったのだが、「150周年」としていないところがミソなのであろう。2019年には知事として在職していないかもしれないのだな。この道新記事は、ここで読むことができる。

 ところで、高橋はるみ知事が、その「北海道150年」を機にアイヌ民族への謝罪を検討中であることがわかった。声明文の草稿を入手したので紹介しておきたい。

 1869年に明治政府は、この北海道の地に開拓使を設置し、8月には蝦夷地を北海道と改称しました。開拓使の使命は、この北海道の地で殖民政策を遂行することでした。私たちは今日、現在北海道として知られている地の150年を記念するために集いました。


 21世紀の行く手に横たわっている課題について、私たちが熟考し、準備しつつある時に、そうすることは適切なことです。しかし、前を見る前に、この道庁は、まず後ろを振り返り、それが行ってきたことについて反省しなければなりません。そうすることで、これがお祝い事どころではないということを理解するようにならなければなりません。むしろそれは、反省と熟考の時、悲しみに満ちた真実が語られる時、悔恨の時です。


 この道庁の業務がさまざまな時代に、それが奉仕することが意図されていたアイヌ民族の社会に深い害を及ぼしてきたという事実を、私たち自身が最初に理解しなければなりません。まさに最初から、北海道の行政は、日本の国家がその野望を、その進路に存在していたアイヌ民族の社会と人々に押し付けた道具でした。そういうことで、この機関の最初の使命は、開拓のためにアイヌ民族の居住地からの退去を執行することでした。脅し、騙し、そして強制力によって、偉大なアイヌ民族の人々と集落は移住させられました。


 国家がより多くの土地を求めて北と東へ、そして国境へと目を向けると、この機関は、アイヌ民族に降りかかったエスノサイドに参加しました。それは、単に競合する生活様式の衝突の不可避の帰結として退けることはできないということが認められなければなりません。この行政機関とその中の善良な人々は、その破壊的結果を防止する使命に失敗しました。それゆえに、アイヌ民族の生活とその偉大なる文化が大打撃を被ってきました。アイヌ社会の経済構造の破壊と行政による対策への依存の意図的な創出の後には、この機関は、すべてのアイヌ的なものの消去に取り掛かりました。


 この機関は、アイヌ語を話すことに対して圧迫し、伝統的な宗教活動の執行を禁じ、伝統的な文化活動を非合法化し、そして、アイヌの人々が自分たちが誰であるかを恥じるようにしました。最悪なことに、開拓使仮学校では、託された子どもたちに対して、感情的、心理的、身体的、そして精神的に同化という圧力が加えられました。研究の名の下に行われたアイヌ民族の遺骨の盗掘や人体組織研究にも手を貸してきました。道庁がようやく相互尊重という雰囲気の中でアイヌの人々の利益擁護者として奉仕しているこの時代においてさえ、これらの不正義の遺産が私たちにとりついています。恥辱、恐怖、そして怒りの心的外傷は、一つの世代から次の世代へと受け継がれ、アイヌ社会を苦しめるアルコール依存や希望の喪失に現れています。今日のアイヌ社会において経験されている弊害の非常に多くは、北海道の行政機関の失敗の結果です。貧困、低学力、低所得、そして高い医療ニーズは、この機関の任務の産物として存在してきました。


 そういうわけで今日、私は、何十年も後に、何世代も後に、アイヌの人々の生活を苦しめ、命を縮めるほどに酷い行為を過去に犯してきた行政機関の長として、皆さんの前に立っています。これらの事は、それを防ごうとした善良な心を持つ多くの善良な職員の努力にもかかわらず起こりました。癒しの開始が可能となるためには、これらの不正義が認められなければなりません。


 私は今日、日本政府に代わってお話をしているのではありません。それは国の選出された政治指導者たちの領域であり、私は、国の政治家たちに代わって話をしているというつもりはありません。しかしながら、私は、この自治体の機関を代表して話をする権限を与えられており、この後に続く言葉は、その全職員の心を反映するものと強く確信しています。


 この機関が過去に行ったことに対して私たちの深い悲しみを表明することから始めましょう。私たちは、これらの誤った行いとその悲劇的な帰結について考える時、私たちの心は張り裂け、そして私たちの深い悲しみは、あなた方のそれと同じように純粋で完全なものです。私たちは、この歴史を変えることができればと必死に願います。しかし、もちろん、私たちにそれはできません。北海道庁を代表して、私は、この行政機関の歴史上の行為に対して、この正式な謝罪をアイヌ民族の人々に行います。


 そして、今日の道庁職員がこれらの不正義を行ったのではない一方で、私たちは、私たちが仕える機関が行ったことを認めます。私たちは、人種主義的で非人道的なこの歴史と継承遺産を受け入れます。そして、それを受け入れることで、私たちは、物事を正すという道義的な責任もまた受け入れます。


 それゆえに、私たちは、この重要な仕事を新たに始め、私たちが奉仕する人々と共同体への新たな誓約、アイヌ民族社会にとっての更新された希望と繁栄という大義への、私たちがあなた方と共有する献身から生じる誓約を行います。決して二度と、嫌悪と暴力がアイヌに対して犯される時に、この機関は、沈黙を貫くことはしません。決して二度と、私たちは、アイヌ民族の能力がその他の民族の能力よりも劣っているという前提から政策が進められることを許しません。決して二度と、私たちは、アイヌの財産の盗みに共謀しません。決して二度と、私たちは、アイヌ民族の目的以外の目的に奉仕する偽りの指導者を任命しません。決して二度と、私たちは、悪印象を与えるアイヌ民族ステレオタイプのイメージが、政治の場を醜くしたり、日本国民をアイヌ民族についての浅くかつ無知な信念へと導くことを許しません。決して二度と、私たちは、あなた方の信仰、あなた方の言語、あなた方の儀式、そしてあなた方の様式の何ものをも攻撃しません。決して二度と、私たちは、あなた方の子どもたちに自分が誰であるかを恥じるようにと教えることもしません。決して二度と。


 私たちはまだ、あなた方の許しを請うことは出来ません。それは、この機関の歴史の重荷がアイヌ社会に非常に重く圧し掛かっている間は不可能です。私たちが実際にお願いすることは、共に、癒しが始まることを可能にすることです。すなわち、あなた方が郷里に戻った時、そしてあなた方が同胞と語る時に、どうかその人々に、死の時代は終わったと伝えて下さい。あなた方の子供たちに、恥辱と恐怖の時代は過ぎ去ったと言って下さい。あなた方の青年たちに、自分たちの怒りを自分たちの同胞への希望と愛で置き換えるように言って下さい。共に、私たちは、幾世代もの涙を拭わねばなりません。共に、私たちは、私たちの壊れた心が修復するのを可能にしなければなりません。共に、私たちは、自信と信頼をもって課題多き世界に向き合うでしょう。共に、私たちの未来の指導者たちが集ってこの機関の歴史を語る時、それはアイヌ民族にとっての喜び、自由、そして進歩の再生を祝う時であると決意しましょう。北海道庁が、将来に向けて、アイヌ民族の繁栄の道具として在ることを願います。

 世界の先住民族の動向に詳しいと自負している人なら、この声明の土台が何であるかはご存知でしょう。謝罪は、実際に2018年の知事の計画に含めるように働きかけるべきであり、また、さらに良い内容で実現することを願うものである。

P.S.:謝罪こそ、「未来志向」の第1歩だ。

Typhoon Watch(w/ P.S. X 2)

 暫く、ブログのタイトルと趣旨を変えてみようかな。
 8月下旬にある事の予定を入れなければならなかったのだが、「今年は暑いし、多分8月下旬から台風の発生も増えるだろうから」と言って先延ばしにした。CERDのこととも合わせて、あ~あ、という気分だ。
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★もう一つ、今年の流行のように、頻出していてよく目にする言葉がある。「副」である。内閣官房長官補、北海道大学学長、某協会理事長、某協会会長、etc.

P.S.(2018.08.19, 18:57):
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 高気圧よ、頑張って居座れ!
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 何も言えない。
 雲頂強調写真:
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 上空の水蒸気の様子:
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 15号の例もあるから、米海軍の予報も。
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P.S. #2(2108.08.19, 21:43):Dr. W., that's interesting, but I have a slightly different opinion, as well as two questions, as to the translation of the Act. Maybe sometime when we see each other again.

Commitee on Elimination of Racial Discrimination, 96th Session (Live➡Videos)(w/ P.S. X 7)

 一人の目立ちたがり屋のツイートに心配している人たちがいるから、ライブ映像につないでおく。(Xが出ている時は、中継中ではないということ。)
 今は14日午後のモーリシャス。途中を少ししか観ていないが、壇上で喋っていたのは政府代表だろう。ヘイトスピーチは絶対に容認できない、などと言っていた!
 日本の審査は、前に書いたように、現地時間の16日15h.-18h.と17日10h.-13h.の予定。それ以降は、委員たちの非公開会合となる。ジュネーブは夏時間中で、日本では+7時間の16日22時から。国連からの映像には映らない場での委員たちへの働きかけが重要となる。
 先で言及した北海道アイヌ協会の情報を誰が作成したのかが分かった――偽情報でなければ。

P.S.(08.15):ここのP.S. #3で補足を追加した。

P.S. #2(08.15, 18:40):モーリシャスの2日目の審査が始まっている。
 日本の順番になるまでに、一つ面白いことを書いておこう。
 前に言及したJNCRDという団体の"NGO Report"は、その"Preface"で、日本政府が国際連盟憲章の起草委員会に「人種平等のための提案」を行い、それが圧倒的多数(11-5)で支持されたにもかかわらず、委員会の議長を務めていたアメリカ大統領、ウッドロー ウィルソンの不当な介入によってその決定が覆されたと指摘し、ウィルソンが「そのような重大な課題は全会一致で決定されるべきである」と"blithely"(軽率に)論じたと批判している。
 全会一致決定がもつ両面性をここで論じるつもりはない。面白いというのは、上の国連からの映像の冒頭の静止画面に使われているのが、見てお分かりの通り、パレ ウィルソン(Palais Wilson)(=現在の国連人権高等弁務官事務所本部)の門の画像である。
 JNCRDをはじめとする右翼NGOsのメンバーは、この憎きウィルソンの名前を毎日目にしながら、その中へと入って行かねばならないのである。どんな気持ちなのだろうか。

P.S. #3(2018.08.15, 23:40):現在、キューバ

P.S. #4(2018.08.17, 01:00):1日目終了。
 結構面白かったが、アイヌ民族に対する差別に関しては物足りなかった。アイヌ自らが、これら委員たちを「教育」しに行かないとだめだな。ただ、私がいま考察していることについては、一つの収獲があった。
 録画が公開されたら、ここに埋め込む予定。

P.S. #5(2018.08.17):
 小野寺まさるとかいう元道議が、「国連人権委員会」――通常、こう邦訳されていたものは現在存在しないが、「規約人権委員会」としても――と自分が行っている委員会の違いも分かってないかのような「スピーチ」をしたみたいだ。(場所は、正確には、人種差別撤廃委員会の「非公式会議」。よって、彼の発言は公式な記録には載らない。仮に公式会議であっても、委員会が取り上げるはずがない。もしそれが取り上げられるようなことがあったら、「悪夢」だと騒げばよい。)おまけに、国連に「先住民族の定義付をすべき」だとか、各国の先住民族がUNDRIPの「先住民族の定義にあてはまるか精査すべき」だなどと、間違った場所で戯けた寝言を言っている。臍が茶を沸かす。出典:ここ。(パンフレットの写真をクリックしてから、>をクリックするとページが捲れる。)

 小野寺氏は、来年ここに行って、同じことを主張してみるとよい。ここでもよい。

P.S. #6(2018.08.17, 23:51):1日目の録画である。今日は夕方から出かけていて2日目の審査の中継を見ることができなかったから、何もコメントできない。
英語版:

外務省が雇った通訳による日本語版:

P.S. #7(2018.08.18):私には、あのp. 68の方が「悪夢」に思えて仕方ない。
 2日目の録画映像の公開は週明けになるでしょう。

人種差別撤廃(条約)委員会第96会期(P.S. X 3)

 今月6日から30日の標記委員会において、日本政府の報告書が取り上げられる。昨日は中国の番だった。過日、ここで、2つの右翼団体が提出している報告書を取り上げたが、在特会も報告書を提出している。アイヌへの言及は1か所だけ、2ページに登場している。

We think there are actually almost no systematic discriminations in Japan against women, Ainu people and Okinawa people. A few of them exist, although those can be settled individually, i.e., those do not need any systematic measures.

 一方、"ERD Net" (Japan NGO Network for the Elimination of Racial Discrimination)の報告書には、検索すると20カ所に"Ainu"が登場するが、主な情報提供は北海道アイヌ協会によるものである(68ページ)。(あのNGOは、個別に名前を出してないのだな。)いろいろと問題ありで、残念だ。いつまで経っても、アイヌ民族が独自で報告書を出すことがない。(翻訳にも「あ~あ」と思うところがある。)

 日本政府代表団は、大がかりである。アイヌ総合政策室からもイリヤマ ヒロキ氏が入っている(1ページの一番下)。"Deputy Director"というのは、「政策室次長」だろうか?

Opening of Session - 2645th Meeting 96th Session Committee on Elimination of Racial Discrimination
6 Aug 2018 - Opening of Session

 人種主義と民主主義が両立不能であることを強調する事務総長代理のスピーチを、レイシストNGOsの代表たちはどのような面持ちで聴いていたのだろうか。初日のこの場には出席してなかったのではないかな(この映像からは分からないが)。

P.S.(2018.08.12, 23:31):
 人種差別推進団体の報告書については、それらの団体の国内活動の様子を動画にして各委員に見せれば、委員たちがその報告書に惑わされるようなことはあるまい。

 しかし、北海道アイヌ協会が提供した報告の中の"Problems"の欄には、何が「人種差別」としてアイヌ民族が直面している問題なのかの提起もない。それどころか、「民族」としての将来を根底から危険にさらす問題が少なくとも2つある。ERD netの報告書のp. 68をアイヌ民族の一人ひとりがよく読むべきである。(IMADRのサイトで日本語で公開されているそうだ。)

P.S. #2(2018.08.13):右翼NGOのどれかが書いていたことは正しい――と言わざるを得なくなりそうだ!

Legal definition of who the Ainu are is expected to help improve living conditions and human rights situations of the Ainu.

 ほとんどの先住民族は、こんなこと言わないだろう。そういう意味で、たしかに大多数の先住民族とは「異なる」と言わざるを得なくなりそうだ。
 まるでアイヌ総合政策室のセリフみたいだ。もし、その政策室と北海道アイヌ協会「幹部」、道庁からの出向者、そして「人骨学者」たちが結託してこれを書き込んだとしたら、滑稽としか言いようがない。政府代表団のアイヌ総合政策室次長(?)は、「喜んでやらせて戴きます」とお答えになるかもしれない。思う壺。世界へ向けてのPRだ!
 もしこの文書を事前に見せられて賛同の署名を求められたとしたら――それはないことであるが――私は、絶対に署名を拒んだであろう。

P.S. #3(08.13):参照せよ。

アイヌ遺骨問題。遺骨の研究利用を決めた委員会では、①北大法学、②遺伝子研究、③博物館関係研究者、④道庁・アイヌ協会、の4者の利害が調整されたことになる。ではそれぞれの利害とは何か。①遺骨問題からの解放、②遺伝子研究、③新博物館建設、④遺伝子によるメンバーシップ確定、である。

アイヌ遺骨問題。道庁・北海道アイヌ協会は会員資格の確定権を握りたかった。国連宣言によれば「先住民族のメンバーシップは先住民族自身が決める」。伝統的には地域コミュニティが決めているが、遺伝子で決めるなら道庁も関与できる。だから協会本部も「アイヌ遺骨慰霊・研究施設」構想に乗せられた。

 2つとも、ここからの抜粋。

P.S. #3(2018.08.14):
 お盆だというのにお気の毒に、アカウント名を変えるほどに怒らされている。誰かが口封じをしようとしているらしい。「Don Xuixoteが引用しているから余計なことは書くな」とか言われていたりして――それはないか。➡ここ

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