AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

もの足りない『朝日新聞 Globe』特集、「文化財は誰のものか」

 「朝日新聞」のThe Asahi Shimbun Globe, No. 64 (Sunday, June 5, 2011)が「文化財は誰のものか」を特集している。(http://globe.asahi.com/feature/110605/index.html

 ペルーの事例も、オーストラリアの事例も、概要をこのサイトで既に紹介したものである。
http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20110522/1305990939
http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20110315
http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20110208/1297147865
 [Webオリジナル]と[Memo]は未掲載のようだが、Part 1とPart 2を読んでいて、なんとなくよそよそしい。日本のことも、アイヌ民族の遺骨や遺品のことも出てこない。特集チームは、わざわざ大英博物館や自然史博物館まで取材に行ったようだが(「特集チームから」)、そこにアイヌの骨はなかったのだろうか?

 さすがに、大手新聞の「バランス感覚」か、No. 62(Sunday, May 1, 2011)では「日本人の起源」を特集しており、骨のDNA解析を紹介している。ちゃんと、アイヌ政策推進会議の部会メンバー、篠田氏も登場している。(http://globe.asahi.com/feature/110501/index.html

 わが輩が読み落としてなければ、どちらの特集にもアイヌ民族の遺骨のDNA分析との関連については一言も述べられていないようだが、さて、同紙はどういう立場を取るのだろうか?


追記:

 ペルーに関する記事は「出土品」、「遺物」だけにしか言及がないが、下記の記事によれば、頭骨も返還されたはずである。なぜまったく出てこないのだろうか。

According to Peru, the elite U.S. university has some 40,000 of artifacts including pottery, jewelry and bones from the ruins of the mountaintop Incan site that is one of South America's leading tourist attractions.

Marco Aquino and Terry Wade, "Peru says Yale to return Machu Picchu relics," TorontoSun.com (November 19, 2010)=Reuters.
残念ながら、上の記事は既に、無料閲覧できなくなっている。

Also returned to Peru were 26 boulders, 12 skulls and a polychrome ceramic figure.

"Peru recovers 98 artifacts from U.S., Argentina"
http://www.andina.com.pe/ingles/Noticia.aspx?Id=hHpeQAdGRSM=

 英国の博物館から先住民族への遺骨返還は、今回のオーストラリアの事例が最初ではないのだが、「特集チーム」はネット上で最近の事例の情報をかき集めて急ぎ仕事を片付けたという印象を受けてしまう。

転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20110608/1307460234
(次の投稿で参照のため、2016-06-03, 1:00に転載。)