AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

第2回「政策推進作業部会」議事概要

 先日来突付いていた昨年11月14日開催の第2回「政策推進作業部会」の「議事概要」が、10日にアップロードされたようである。
 第3回分は、未だである。もう遅いので、明日読むことにする。


◎追記(2012/01/12, 0:55):

 「明日読む」と書いたものの、今日は読めないかもしれないと思って、実は昨晩、眠気眼で読むだけ読んで寝た。こういうものは寝る前に読むものではない。つまらぬからである。何も書く必要もなさそうだが、いくつか備忘録的に感想を書いておく。

 ①「議事」の冒頭で、「峰崎直樹アイヌ政策推進会議座長代理より挨拶」とあるから、どのような話がなされたのかと思って進むと、「挨拶」についての記述は何もない! よほど中身のないことを述べたのか、公開記録には残せないことを述べたのかのどちらかであろう。議事概要の作成には約2ヶ月かけているわけだから、「挨拶」を再録するのは難しいことではないだろうに。

 因みに、同氏のアイヌ民族博物館の視察についても、「言葉」は掲載されていない。ただ、枝野前内閣官房長官アイヌ民族博物館視察と併せて、そこに掲載されている写真の一枚一枚が発するメッセージは、非常に面白い。だが、それは、敢えてここに記すことは控えよう。後の歴史家たちがこれらの写真がもつメッセージを如何様に分析するのか、非常に楽しみである。いや、後の歴史家と言わずとも、このブログの訪問者にも、このような画像のメッセージを読み解くことを専門としている方がおられよう。楽しみにしてますよ!

「峰崎内閣官房参与アイヌ民族博物館(北海道白老町)視察について(H23.11.7)」http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/pdf/sisatu111107.pdf
「枝野前内閣官房長官アイヌ民族博物館(北海道白老町)視察について(H23.2.20)」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/pdf/sisatu110220.pdf

 首相官邸がこれらの写真をある政治的意図をもって掲載していることは明らかであるが、一方で、為政者たちは、中身のある言葉を何も発しなかったのか、発することができなかったのか。あるいは、上述のように、それを公開することは、都合の悪いことなのか。

 ②奨学金の部分については、要するに、文科省はやる気がないのだろう。政府が留学生数増加(と大学の破産防止)のために、どのような方法で奨学金をばら撒いてきたか、振り返ってみるのも悪くはなかろう。

 ③遺骨に関しては、次のことしか書かれていない。

2 大学等におけるアイヌの人骨の保管状況等の把握について

(1) 文部科学省から説明
・ 本年6月にまとめられた「民族共生の象徴となる空間」作業部会の報告書において、大学等に保管されているアイヌの人骨について、遺族等への返還や象徴空間への集約を行うため、大学等の協力を得て保管状況等の把握を行う旨が提言されたことから、文部科学省において調査を実施することとするものであり、平成24年12月を回答期限としている。
・ 調査対象は、国公私立大学及び大学共同利用機関において保管しているアイヌの人々のものと考えられる人骨。このうち、国公立大学及び大学共同利用機関については、全てを調査対象とし、私立大学については、学部の設置状況から人骨を保管している蓋然性が極めて低いものも多数存在すると考えられることから、可能性があると考えられる医学、看護学系の学部、文学系の学部を設置している大学を対象範囲とする。
・ 出土場所、骨の形態、記録等から、アイヌの人骨であると認識して保管しているものの有無を調査し、保管が「有」と回答された場合は、人骨の情報、保管に至った経緯、人骨の出土等に関する情報、人骨等の保管状況に関する情報について調査する。
返還を見据え、個体ごとに調査を行う点で、これまでの調査よりもより詳細なものになるものと考えている。

(2) 主な意見
・ これだけ丁寧に調べれば、大学の情報は全て出てくると思うが、これは、人類学の研究者がいる大学の場合であって、そうではない大学では、人骨から性別を判定するようなことはできないだろう。したがって、場合によっては、人骨の存在が判明した段階で、専門家が詳しく調べるという余地を持たせた方が、より実効性のある調査になるのではないか。
 それから、今回の調査対象は国公私立大学と大学共同利用機関だが、このほかに、私立の小さな博物館などで保管しているところもあると思う。そういったものをどうやって調査するかというのは難しいかもしれないが、問題としては出てくるのかもしれない。
 最終的には、返還できるものは返還することが最大の目標だが、大学が持っている情報だけでは返還に結びつかないかもしれないので、その先をどうしていくのかという問題を含めて、ロードマップをつくる必要がある。もちろん今はその第一歩をやっているわけだが、そういうことも最終的には問題になるだろう
・ 現状を把握することが今回の調査の目的で、その後のステップに係る様々な問題は、政府において検討いただく問題であると同時に、部会自身での課題でもあるので、然るべく進めていく必要がある。
・ 調査項目に関して、可能な範囲で研究成果などを記載してもらうこととしてはどうか。

(3) 確認事項
・ 説明された調査案に基づいて、調査を実施していただきたい。

 やはり、調査の最終的な目的は、一部の遺骨を返還するにしても、「象徴空間への集約」にあるように思える。1年くらい前に人類学会で調査しているようだったが、それとの関係は、どうなのだろうか。今度は国の政府だが、また新たに調査を行なって、各大学等からの「回答期限」に1年も与えている。これは文科省が回答をまとめる期限ではないようであるから、最終的な報告――出るのであれば――がいつ行なわれるのかは明示されていない。そうこうしているうちに、象徴空間における施設構想はどんどん進んで既成事実化するのだろうか。まさか、その間にDNA研究もやってしまおうなんて考えている人たちは・・・いないよね。

 最近は「ロードマップ」が流行語のようであるが、「返還することが最大の目標」と本気で言うのなら、「その先をどうしていくのか」を「最終的には問題になるだろう」などと暢気なことを言っていないで、今から着手しておいてはどうなのだ。

 ④「普及啓発に関しては、これまではアマチュアの仕事であった。これからは、極力、プロの手を借りつつ、知恵を出して抜本的な対策を打ちたい。」
 分り難いなー。電通とでもPR契約を結ぼうというのだろうか。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20120111/1326216661

広告を非表示にする