AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

アイヌ遺骨研究の「凍結」を

 ところで、2月11日の記事、「再埋葬したはずなのに・・・遺骨がない!」の終盤で「人類学者にとって、イギリス人の遺骨も同等に貴重なのである」と含みを残して書いておいたのだが、彼らの態度は、ある意味で、研究者として「賞賛」に値するかもしれない。「人骨」を調査することで、昔の人々の食生活やそれによる身体への影響、疾病などを知ることができるということなのだが、わが国の考古学者や人類学者が、北海道の入植者の食生活やルーツを知るために彼らの墓地を掘り起こしてまわったという歴史的事実をわが輩は、寡聞にして知らない。果たして、「学問の発展」のため、「科学の発展」のためという名目でのアイヌ墓地の盗掘と、いわゆる和人入植者の墓地に対する態度との違いを説明するものは何であろうか。それは、「差別」以外の何ものでもなかろう。

 では、その差別は、何によってもたらされたものなのか、その「中身」とはどういうものなのか。考古学者や自然/分子人類学者、およびその学術機関が「反省をしなければならない」と本気で言っているのであれば、自らそれをきっちりと検証するべきではないのだろうか。最低限それまでは、遺伝子標本ではなく、アイヌ民族の遺骨の研究をこそ「凍結」するべきである。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20120302/1330614544