AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

これが「古人骨」!?

 このニュースは、「報じられていない」ものではないし、本ブログの読者は既にチェックしているだろうと思って、取り上げずにいた。驚くべき、しかし十分に予期されもした事件である。

 「さまよえる遺骨たち」ブログによれば、北海道大学が保管してきたアイヌ民族の遺骨のうち59体に関する資料が開示を求めた小川隆吉さんに対して開示されたそうである。59体のうちの6体が、埋葬後10年以内に発掘されていたとのこと。中には、埋葬の3年後に発掘されたものが2体あったとのことである。(http://hokudai-monjyo.cocolog-nifty.com/blog/)これは、れっきとした犯罪ではないのか。これでも、「人骨」研究者たちは、「古人骨」と言い張るのだろうか。
アイヌ民族の遺骨は古人骨か」:(http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20110208/1297099219
「『古人骨』使用研究例」:http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20110220/1298181531
 上のURLから北大開示文書研究会が公開する「新資料」へ進むことができるが、こちらにも記しておくことにする。http://hmjk.world.coocan.jp/materials/36.pdf

 また、こちらのブログでは、北海道新聞の報道がオンライン版では読めないということで、記事内容を伝えてくれるとともに、独自の推論と意見も展開しておられる。http://fine.ap.teacup.com/makiri/140.html

 さて、北大開示文書研究会が公開している開示文書とその説明を見ると、「資料作成者」も「資料作成年」も「記載なし」とのことであり、文書は、「表計算ソフトによる表データのプリントアウト。体裁は『1 アイヌ人骨台帳』と近似。計59件について『発掘』時のデータを記載」とある。

 開示された文書の精査と分析に関しては同研究会にお任せするとして、わが輩が上記の作業をしながら思ったことというのは、なぜわざわざ表計算ソフトに入力したものを出してきたのかということである。原簿を公開すれば、筆跡から誰が作成したのか――ひいては、誰が発掘したのか――、いつ作成したのか、などを窺い知ることができるからではないのだろうか。

 3年という時間。ここでも、遅らせて、遅らせて、関係者が減って行くのを待つというやり方だ。その間に、「強制の空間」の「慰霊と研究」施設の建設計画は「スピード感をもって」進められている。遅延行為はサッカーでは反則行為なのだが、最高学府として恥ずかしかろう。今、大岡昇平の「私は昭和四三年『レイテ戦記』執筆中、軍人は上級になるほど政治的になり、ずるくなるが、軍司令官クラスには立派な人物がいることを知った」という言葉を思い出した。(大岡昇平『ながい旅』、新潮社、1986年/角川書店、2007年、ともに8ページ。)大学の官僚組織も似たようなものか。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20120326/1332694931

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