AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

第6回「政策推進作業部会」議事概要

 昨晩、標記の議事概要を読んで寝た。昨日(27日)中に公開されていたのだろう。これで担当者も懸案事項をしばし忘れて連休をエンジョイできるというところか。でも大急ぎでアップロードしたのか、昨夜読んだ時には、「第6回『政策推進作業部会』議事概要」というタイトルがなかった! 今、この記事を書くための確認にログインすると、そこは訂正されている。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai6/gijigaiyou.pdf

 もう何も書かなくても良いだろうと思うのだが、3点だけ「感想」を書いておくことにする。

 何とお読みするのか知らないが、毎日新聞社――たしか、有識者懇談会からの流れを社として支援している――の人羅格論説委員の話の中で、こういう部分がある。

北海道外におけるアイヌの歴史、文化についての認知度、知識は、残念ながら漠然としているのが実態。政治的なトピックに偏りがちで暮らしや文化についての情報発信は盛んとは言えない。

 そうなのだろうか? その辺のデータは取ってみたのだろうか。例えば、「先住民族関連ニュース」を集めたこちらのサイト(http://blog.goo.ne.jp/ivelove)に掲載されるメディア報道を見ると、文化関連ばかりといった感じがしないでもないが。それというのも、「アイヌ文化振興法」体制の下、そして有識者懇談会報告を受けて、「暮らしや文化」関連の記事の方が多いのだろうと思う。ただ、まあ「暮らしや文化」が誰かが言うように、「生活(のすべて)そのもの」(http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20120216)であるとすれば、「非日常」を報じる「ニュース」で取り上げ難いのは当然のことであろう(http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20110905)。一方で、「政治的」と言っても、まさに「トピック」であり、日本とアイヌの関係史に潜む構造的な権力の問題などを掘り下げた記事は、ほとんどないというのが現状だろう。ひと頃、有識者懇談会からの「リーク」めいた記事を無批判に報じる記事が多かったが、それも止まってしまった。少し前には、アイヌ民族党の結成を過剰反応的に各社が報じたが、それも単発的だった。「政治的なトピックに偏りがち」というよりも、「政治的なトピック偏りがち」と言う方が正しい感じがする。

 北海道大学観光学高等研究センターの山村高淑准教授の説明には、こういう部分がある。

物見遊山的な観光から、よりソフトなコンテンツを重視したツーリズム、本質にアクセスするためのツーリズムの在り方を考えなければならない。そのためには、個人の語りを通して文化の本質に触れるということが非常に重要になってくる。情報通信技術の発達に伴い、世界中の先住民族社会が、自分たちの価値を国際的に発信できるようになるなど、ツーリズムの在り方も変わってきている。

 [自然・文化遺産の]本質には、部外者のアクセスが許されないものも存在する。「個人の語りを通して」も触れてはならない神聖なる「文化の本質」がある。「発信」という概念が、今回の会議のテーマだったようでもあるが、「世界中の先住民族社会」の関心事は、外へ向けての発信だけでなく、外からの侵入から「文化の本質」をいかに守るかというところにもある。まあ、こういうことは、もうアイヌ民族には当てはまらないということなのだろうか。(「文化の本質」って何だろうな。)

 これは誰の発言かは分らないが、「主な意見」の一つである。

・ 結局は、財源が問題となる。アメリカなどの諸外国では、カジノの利益が先住民族のための財源として活用されている例が多い。日本でもカジノが議論されているが、この話が全然出てこない。そして、何よりも、北海道が全国で誘致競争をしている中で、利益はアイヌの方が活用できる財源とするという理論構成ができれば、誘致も有力になるのではないか。財源の問題を常に一緒に考えてもらえればありがたい。

 いつの頃からか、カジノの話がちらほら出ている。http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110617/plc11061701390000-n1.htm
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/524659/
http://blog.goo.ne.jp/ivelove/e/70da16aebfdb7a7af9bb4cda1670b67b
 このブログで記事を書くためにアメリカの先住民族関連ニュースを探っていると、毎日必ずと言っていいほど、カジノに関する記事がある。多い時には10件近く出遭うこともある。しかし、敢えて一度もカジノに関する話題は取り上げて来なかった。そこでは、カジノ経営――あるいは、「カジノ キャピタリズム」の現実化――に関する賛否両論は措くとしても、トライブの主権の問題がしっかりと絡んでいる。しかし、上の発言は、北海道がカジノの誘致競争に勝利を収めるためにアイヌを前面に出すという何とも足元透け透けの「理論構成」だが、こういう発言が公開されているというのも、やはり「操作」の一環だろうか(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-14/2012041415_01_1.html)。「利益はアイヌの方が活用できる財源」とすることができるのなら、何もカジノの収益からでなくても良いだろうに。この発言が誰のものか、詮索はやめておく方が連休を過ごすための精神の安定には良いのかもしれない。

 こうして書いてくると他にもまだ出てきたが、「3つ」と書いたから、ここでやめておく。


 今夜の懐メロはこちら。「とうとう言っちゃったね」と言われるかな。
佐良直美「いいじゃないの幸せならば 」(posted by tomodatinoheya)


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20120429/1335627076

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