AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針

平成13年3月29日
(平成16年12月28日全部改正)
(平成17年6月29日一部改正)
(平成20年12月1日一部改正)

文部科学省
厚生労働省
経済産業省
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/genome/0504sisin.html

前文(抜粋)

 一方、ヒトゲノム・遺伝子解析研究は、個人を対象とした研究に大きく依存し、また、研究の過程で得られた遺伝情報は、提供者(ヒトゲノム・遺伝子解析研究のための試料等を提供する人)及びその血縁者の遺伝的素因を明らかにし、その取扱いによっては、様々な倫理的、法的又は社会的問題を招く可能性があるという側面がある。そこで、人間の尊厳及び人権を尊重し、社会の理解と協力を得て、適正に研究を実施することが不可欠である。そのため、世界医師会によるヘルシンキ宣言等に示された倫理規範を踏まえ、提供者個人の人権の保障が、科学的又は社会的な利益に優先されなければならないことに加えて、この側面について、社会に十分な説明を行い、その理解に基づいて研究を実施することが求められている。
 本指針は、国際連合教育科学文化機関ユネスコ)の「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」等を踏まえて策定された「ヒトゲノム研究に関する基本原則」(平成12年6月14日科学技術会議生命倫理委員会取りまとめ)に示された原則に基づき、また、「遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針」(平成12年4月28日厚生科学審議会先端医療技術評価部会取りまとめ)、ユネスコの「ヒト遺伝情報に関する国際宣言」、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)等を踏まえ、ヒトゲノム・遺伝子解析研究一般に適用されるべき倫理指針として、文部科学省厚生労働省及び経済産業省において共同で作成し、社会に提示するものである。
 ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関わるすべての関係者においてこの指針を遵守することが求められる。

第1  基本的考え方
1  基本方針(抜粋)

 (1)  人間の尊厳の尊重
 (2)  事前の十分な説明と自由意思による同意(インフォームド・コンセント
 (3)  個人情報の保護の徹底
 (4)  人類の知的基盤、健康及び福祉に貢献する社会的に有益な研究の実施
 (5)  個人の人権の保障の科学的又は社会的利益に対する優先
 (6)  本指針に基づく研究計画の作成及び遵守並びに独立の立場に立った倫理審査委員会による事前の審査及び承認による研究の適正の確保
 (7)  研究の実施状況の第三者による実地調査及び研究結果の公表を通じた研究の透明性の確保
 (8)  ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する啓発活動等による国民及び社会の理解の増進並びに研究内容を踏まえて行う国民との対話

< 注> 本指針において、研究の過程で得られる遺伝情報が提供者及び血縁者の遺伝的素因を明らかにするおそれがあること、さらに研究内容によっては提供者個人の問題にとどまらず提供者が属する集団の性質等を特徴づける可能性があること等により、様々な問題を提起する可能性があるというヒトゲノム・遺伝子解析研究の特色を踏まえ、第6の16(3)において、本指針の対象とすべき研究の定義及び範囲を定めている。

2  本指針の適用範囲(抜粋)
 (1)  本指針は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を対象とし、その研究に携わる研究者等に遵守を求めるものである。
 (2)  ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成13年文部科学省厚生労働省経済産業省告示第1号。以下「旧指針」という。)の施行前に既に着手され、現在実施中のヒトゲノム・遺伝子解析研究に対しては、本指針は適用しない。

3  保護すべき個人情報(抜粋)

 (1)  「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
 (3)  ヒトゲノム・遺伝子解析研究において扱う情報が、個人情報に該当しない場合であっても、遺伝情報、診療情報等個人の特徴や体質を示す情報は、本指針に基づき適切に取り扱われなければならない。

4  海外との共同研究(省略)

第2  研究者等の責務
5  すべての研究者等の基本的な責務

 (1)  すべての研究者等は、生命現象の解明、疾病の予防、診断及び治療の方法の改善、健康の増進等を目的として、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施しなければならない。

 (2)  すべての研究者等は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の社会的有益性を確認するとともに、個人の人権の保障を科学的又は社会的な利益に優先して配慮しなければならない。

 (3)  すべての研究者等は、提供者又は代諾者等のインフォームド・コンセントを受けて、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施することを基本としなければならない。

 (4)  すべての研究者等は、職務上知り得た個人情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その職を辞した後も、同様とする。

 (5)  すべての研究者等は、個人情報の保護を図るとともに、個人情報の取扱いに関する苦情等に誠実に対応しなければならない。

 (6)  すべての研究者等は、個人情報の予期せぬ漏えい等、提供者等の人権の保障の観点から重大な懸念が生じた場合には、速やかに研究を行う機関の長及び研究責任者に報告しなければならない。

 (7)  すべての研究者等は、倫理審査委員会の承認を得て、研究を行う機関の長により許可された研究計画書に従って研究を実施する等、本指針を遵守し、人間の尊厳及び人権を尊重して、適正にヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施しなければならない。

 (8)  すべての研究者等は、研究実施に当たっての適正な手続の確保、外部の有識者による実地調査、提供者等からの研究の進捗状況の問い合わせへの的確な対応、研究結果の公表等、研究の透明性の確保を図らなければならない。

 (9)  すべての研究者等は、、試料等の提供が善意に基づくものであることに留意し既に提供されている試料等を適切に保存し、及び活用すること等により、人からの試料等の提供を必要最低限とするよう努めなければならない。

 (10)  すべての研究者等は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施に当たっては、偽りその他不正の手段により個人情報及び試料等を取得してはならない。

6  研究を行う機関の長の責務(抜粋)

 (1)  研究を行う機関の長は、その機関におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施に関する最終的な責任を有し、研究責任者及び研究担当者が研究計画に従って適正に研究を実施するよう監督しなければならない。その際、研究を行う機関の長は、提供者等の人権を最大限保障すべきこと及び本指針、研究計画等に反した場合に懲戒処分等の不利益処分がなされ得ることについて、その機関の研究者等に対する周知徹底を図らなければならない。

(4)  研究を行う機関の長は、死者に関する個人情報が死者の人としての尊厳や遺族の感情及び遺伝情報が血縁者と共通していることに鑑み、生存する個人に関する情報と同様に、死者に関する個人情報についても安全管理のため、組織的、人的、物理的及び技術的安全管理措置を講じなければならない。

(11)  研究を行う機関の長は、研究責任者から研究の実施状況について1年に1回以上定期的な報告を受けるほか、外部の有識者による定期的な実地調査を1年に1回以上実施する等、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況を把握し、必要に応じ、又は倫理審査委員会が研究の変更若しくは中止の意見を述べた場合にはその意見を踏まえ、その変更又は中止を命じなければならない。

   < 外部の有識者による実地調査に関する細則>
1.  研究を行う機関の長は、インフォームド・コンセントの手続の実施状況及び個人情報の保護の状況等について、研究計画書に従って適正に実施されているか実地調査させるものとする。
2.  研究を行う機関の長は、研究責任者及び研究担当者を、実地調査へ協力させることとする。
3.  外部の調査担当者は、実地調査の中で知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その職を辞した後も、同様である。

(16)  研究を行う機関の長は、合併その他の事由により他の研究を行う機関から研究を承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ提供者の同意を得ないで、承継前における当該個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、当該個人情報を取り扱ってはならない。

(17)  研究を行う機関の長は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、提供者に通知し、又は公表しなければならない。

(18)  研究を行う機関の長は、利用目的を変更した場合は、変更された利用目的について、提供者に通知し、又は公表しなければならない。

(25)  研究を行う機関の長は、提供者又は代諾者等から、当該提供者が識別される保有する個人情報が第2の6(15)若しくは(16)に違反して取り扱われているという理由又は第2の5(10)に違反して取得されたものであるという理由によって、当該保有する個人情報の利用の停止又は消去(以下この項及び第2の6(27)において「利用停止等」という。)を求められた場合であって、その求めに理由があることが判明したときは、違反を是正するために必要な限度で、遅滞なく、当該保有する個人情報の利用停止等を行わなければならない。
 ただし、当該保有する個人情報の利用停止等に多額の費用を要する場合その他の利用停止等を行うことが困難な場合であって、提供者の権利利益を保護するために必要なこれに代わるべき措置をとるときは、この限りでない。

   < 利用停止等に関する細則>
 本指針において、利用停止等とはインフォームド・コンセントの撤回を受けて、廃棄等を行うこと等である。

(26)  研究を行う機関の長は、提供者又は代諾者等から、当該提供者が識別される保有する個人情報が第2の6(20)に違反して第三者に提供されているという理由によって、当該保有する個人情報の第三者への提供の停止を求められた場合であって、その求めに理由があることが判明したときは、遅滞なく、当該保有する個人情報の第三者への提供を停止しなければならない。
 ただし、当該保有する個人情報の第三者への提供の停止に多額の費用を要する場合その他の第三者への提供を停止することが困難な場合であって、提供者の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるときは、この限りでない。

(35)  試料等の提供が行われる機関の長は、必要に応じ、適切な遺伝カウンセリング体制の整備又は遺伝カウンセリングについての説明及びその適切な施設の紹介等により、提供者及びその家族又は血縁者が遺伝カウンセリングを受けられるよう配慮しなければならない。

   < 遺伝カウンセリング実施施設の紹介に関する細則>
 試料等の提供が行われる機関において、遺伝カウンセリング体制が整備されていない場合に、提供者及びその家族又は血縁者から遺伝カウンセリングの求めがあったときには、そのための適切な施設を紹介することとする。

7  研究責任者の責務(抜粋)

(1)  研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施に当たって、あらかじめ研究計画書を作成し、研究を行う機関の長に許可を求めなければならない。研究計画書を変更しようとする場合も同様とする。

   < 研究計画書を変更する場合に関する細則>
 インフォームド・コンセント取得後に、研究目的を含めて研究計画書を変更した場合、変更前に当該研究に利用するために提供を受けた試料等については、第4の13(研究実施前提供試料等の利用)を適用する。

(2)  研究責任者は、研究計画書の作成に当たり、実施しようとしているヒトゲノム・遺伝子解析研究に伴い提供者等に予想される様々な影響等を踏まえ、研究の必要性、提供者等の不利益を防止するための研究方法等を十分考慮しなければならない。

   < 提供者が精神障害知的障害等を伴う疾患等を有する場合に関する細則>
 提供者が、治療又は予防方法が確立していない単一遺伝子疾患等であって、精神障害知的障害又は重篤な身体障害を伴うものを有する場合には、研究の必要性、当該提供者に対する医学的・精神的影響及びそれらに配慮した研究方法の是非等について、研究責任者は特に慎重に検討し、また、倫理審査委員会は、特に慎重に審査することとする。

(3)  研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の特色に十分配慮して研究計画書を作成しなければならない。特に、インフォームド・コンセントの手続及び方法、個人情報の保護の方法、研究により予測される結果及びその開示の考え方、試料等の保存及び使用の方法並びに遺伝カウンセリングの考え方については、明確に記載しなければならない。

  < 研究計画書に記載すべき事項に関する細則>
 研究計画書に記載すべき事項は、一般的に以下のとおりとするが、研究内容に応じて変更できる。
・  提供者を選ぶ方針合理的に選択していることがわかる具体的な方法、提供者が疾病や薬剤反応性異常を有する場合等にあっては、病名又はそれに相当する状態像の告知方法等。)
・  研究の意義、目的、方法(対象とする疾患、分析方法等。将来の追加、変更が予想される場合はその旨。単一遺伝子疾患等の場合には研究の必要性、不利益を防止するための措置等の特記事項等。)、期間、予測される結果及び危険、個人情報の保護の方法(匿名化しない場合の取扱いを含む。)
・  試料等の種類、量
・  共同研究機関の名称
・  研究責任者等の氏名
・  インフォームド・コンセントのための手続及び方法
・  インフォームド・コンセントを受けるための説明文書及び同意文書
・  提供者からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合、その研究の重要性及び提供者から試料等の提供を受けなければ研究が成り立たない理由並びに代諾者等を選定する考え方
・  遺伝情報の開示に関する考え方(必要に応じ開示の求めを受け付ける方法を含む)
・  研究実施前提供試料等を使用する場合の同意の有無、内容、提供時期、本指針への適合性
・  他の研究機関から試料等又は遺伝情報の提供を受ける場合のインフォームド・コンセントの内容
・  試料等又は遺伝情報を外部の機関に提供する場合や研究の一部を委託する場合の匿名化の方法等の事項(契約の内容を含む。)
・  試料等の保存方法及びその必要性(他の研究への利用の可能性と予測される研究内容を含む。)
・  ヒト細胞・遺伝子・組織バンクに試料等を提供する場合には、バンク名、匿名化の方法等
・  試料等の廃棄方法及びその際の匿名化の方法
・  遺伝カウンセリングの必要性及びその体制
・  研究資金の調達方法

(4)  研究責任者は、許可された研究計画書に盛りこまれた事項を、すべての研究担当者に遵守させる等、研究担当者が適正にヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施するよう監督しなければならない。

(5)  研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況について、研究を行う機関の長に1年に1回以上、定期的に文書で報告しなければならない。

   < 報告事項に関する細則>
 研究責任者が研究を行う機関の長に対して行う研究の実施状況の定期報告事項は、一般的に以下のとおりとするが、研究内容に応じて変更できる。
・  提供された試料等の数、試料等の保管の方法
・  外部の機関への試料等又は遺伝情報の提供数、提供理由
・  ヒトゲノム・遺伝子解析研究が実施された試料等の数
・  研究結果、研究の進捗状況
・  問題の発生の有無
・  試料等の提供が行われる機関にあっては、上記のほか、匿名化を行った試料等の数

(6)  研究責任者は、地域住民等一定の特徴を有する集団を対象に、地域住民等の遺伝的特質を明らかにする可能性がある研究を実施する場合には、研究実施前に地域住民等を対象とする説明会を行うこと等により、研究の内容及び意義について説明し、研究に対する理解を得るよう努めるとともに、研究実施中においても、研究に関する情報提供を行うこと等により地域住民等との継続的な対話に努めなければならない。

(7)  研究責任者は、原則として、匿名化された試料等又は遺伝情報を用いて、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施しなければならない。
 ただし、提供者又は代諾者等が同意し、かつ、倫理審査委員会の承認を受け、研究を行う機関の長が許可した研究計画書において認められている場合には、試料等又は遺伝情報の匿名化を行わないことができる。

(8)  研究責任者は、匿名化されていない試料等又は遺伝情報を原則として外部の機関に提供してはならない。 ただし、提供者又は代諾者等が匿名化を行わずに外部の機関へ提供することに同意し、かつ、倫理審査委員会の承認を受け、研究を行う機関の長が許可した研究計画書において認められている場合には、匿名化されていない試料等又は遺伝情報を外部の機関へ提供することができる。

(9)  研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の業務の一部を委託する場合は、倫理審査委員会の承認を受け、研究を行う機関の長の許可を受けた上で行うものとし、その旨を文書により、受託者に示すものとする。

(10)  研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の業務の一部を委託する場合において、試料等又は遺伝情報を受託者に提供する際は、原則として試料等又は遺伝情報を匿名化しなければならない。
 ただし、提供者又は代諾者等が同意し、かつ、倫理審査委員会の承認を受け、研究を行う機関の長が許可した研究計画書において認められている場合には、匿名化せずに試料等又は遺伝情報を提供することができる。

(11)  研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の進捗状況及びその結果を、定期的に及び提供者等の求めに応じて説明し、又は公表しなければならない。
 ただし、提供者等の人権の保障や知的財産権の保護に必要な部分については、この限りでない。

8  個人情報管理者の責務(省略)
9  倫理審査委員会の責務及び構成(抜粋)

(4)  倫理審査委員会は、独立の立場に立って、学際的かつ多元的な視点から、様々な立場からの委員によって、公正かつ中立的な審査を行えるよう、適切に構成し運営されなければならない。

   < 細則1(倫理審査委員会の構成に関する細則)>
・  倫理・法律を含む人文・社会科学面の有識者、自然科学面の有識者、一般の立場の者から構成される必要がある。
・  外部委員を半数以上置くことが望ましいが、その確保が困難な場合には、少なくとも複数名置かれる必要がある。
・  外部委員の半数以上は、人文・社会科学面の有識者又は一般の立場の者である必要がある。
・  男女両性で構成される必要がある。

   < 細則2(倫理審査委員会の運営に関する細則)>
・  審議又は採決の際には、人文・社会科学面又は一般の立場の委員が1名以上出席する必要がある。
・  研究を行う機関の長、審査対象となる研究の研究責任者及び研究担当者は、その審議又は採決に参加してはならない。ただし、倫理審査委員会の求めに応じて、会議に出席し、説明することができる。

(6)  倫理審査委員会は、その組織に関する事項や運営に関する規則を公開するとともに、議事の内容についても原則として公開しなければならない。

   < 細則2(議事内容の公開に関する細則)>
1.  議事の内容は、それが具体的に明らかとなるよう公開する必要がある。
2.  提供者等の人権、研究の独創性、知的財産権の保護、競争上の地位の保全に支障が生じるおそれのある部分は、倫理審査委員会の決定により非公開とすることができる。この場合、倫理審査委員会は、非公開とする理由を公開する必要がある。
第3  提供者に対する基本姿勢

 10  インフォームド・コンセント(抜粋)

(1)  研究責任者(略)は、試料等の提供の依頼を受ける人を、不合理、不当又は不公平な方法で選んではならない

(3)  研究責任者は、提供者に対して、事前に、その研究の意義、目的、方法、予測される結果、提供者が被るおそれのある不利益、試料等の保存及び使用方法等について十分な説明を行った上で、自由意思に基づく文書による同意(インフォームド・コンセント)を受けて、試料等の提供を受けなければならない。
 ただし、人の生命又は身体の保護のために、緊急に個人情報又は試料等の提供を受ける必要がある場合は、インフォームド・コンセントを受けることを要しない。

(4)  研究責任者は、インフォームド・コンセントを受ける際には、偽りその他不正な手段を用いてはならない。
 また、試料等の提供を受ける際には、提供者に不安を覚えさせることがないよう配慮しなければならない。

   < インフォームド・コンセントを受ける際の配慮事項に関する細則>
 インフォームド・コンセントを受ける際に配慮すべき事項は、提供者の情報に必要以上に接することの防止等である。

(8)  研究責任者は、提供者からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合には、その実施しようとしている研究の重要性が高く、かつ、その人からの試料等の提供を受けなければ研究が成り立たないと倫理審査委員会が承認し、研究を行う機関の長が許可した場合に限り、提供者の代諾者等からインフォームド・コンセントを受けることができる。

   < 細則1(代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合の取扱いに関する細則)>
 提供者からインフォームド・コンセントを受けることが困難であり、代諾者等からのインフォームド・コンセントによることができる場合及びその取扱いは、以下のとおりとし、いずれの場合も、研究責任者は、研究の重要性、提供者から試料等の提供を受けなければ研究が成り立たない理由及び代諾者等を選定する考え方を研究計画書に記載し、当該研究計画書は倫理審査委員会により承認され、研究を行う機関の長の許可を受けるものとする。
・  提供者が認知症等により有効なインフォームド・コンセントを与えることができないと客観的に判断される場合
・  未成年者の場合。ただし、この場合においても、研究責任者は、提供者にわかりやすい言葉で十分な説明を行い、理解が得られるよう努めることとする。また、提供者が16歳以上の場合には、代諾者とともに、提供者からのインフォームド・コンセントも受けることとする。
・  提供者が死者であって、その生前における明示的な意思に反していない場合

   < 細則2(代諾者の選定の基本的考え方に関する細則)>
 研究責任者は、代諾者について、一般的には、以下に定める人の中から、提供者の家族構成や置かれている状況等を勘案し、提供者の推測される意思や利益を代弁できると考えられる人が選定されることを基本として、研究計画書に代諾者を選定する考え方を記載する必要がある。
1.  任意後見人、親権者、後見人や保佐人が定まっているときはその人
2.  提供者の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族又はそれらの近親者に準ずると考えられる人

   < 細則3(遺族の選定の基本的な考え方に関する細則)>
 研究責任者は、遺族について、一般的には、以下に定める人の中から、死亡した提供者の家族構成や置かれていた状況、慣習等を勘案し、提供者の生前の推測される意思を代弁できると考えられる人が選定されることを基本として、研究計画書に遺族を選定する考え方を記載する必要がある。
・  死亡した提供者の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族又はそれらの近親者に準ずると考えられる人

(9)  提供者又は代諾者等は、インフォームド・コンセントを、いつでも不利益を受けることなく文書により撤回することができる。

(10)  研究責任者は、提供者又は代諾者等からインフォームド・コンセントの撤回があった場合には、原則として、当該提供者に係る試料等及び研究結果を匿名化して廃棄し、その旨を提供者又は代諾者等に文書により通知しなければならない。また、提供者又は代諾者等が廃棄以外の処置を希望する場合には、特段の理由がない限り、これに応じなければならない。
 ただし、次に掲げる要件のいずれかを満たす場合は、試料等及び研究結果を廃棄しないことができる。
ア  当該試料等が連結不可能匿名化されている場合
イ  廃棄しないことにより個人情報が明らかになるおそれが極めて小さく、かつ廃棄作業が極めて過大である等の事情により廃棄しないことが倫理審査委員会において承認され、研究を行う機関の長に許可された場合
ウ  研究結果が既に公表されている場合

   < 研究結果が公表されている場合に関する細則>
第3の10(10)のウに関しては、試料等の廃棄を前提とする場合に限る。

(11)  試料等の提供が行われる機関の研究責任者は、提供者又は代諾者等からのインフォームド・コンセントを受ける手続においては、提供者又は代諾者等に対し、十分な理解が得られるよう、必要な事項を記載した文書を交付して説明を行わなければならない。提供者が単一遺伝子疾患等(関連遺伝子が明確な多因子疾患を含む。)である場合には、遺伝カウンセリングの利用に関する情報を含めて説明を行うとともに、必要に応じて遺伝カウンセリングの機会を提供しなければならない。

   < 説明文書の記載に関する細則>
 提供者又は代諾者等に対する説明文書に記載すべき事項は、一般的に以下のとおりとするが、研究内容に応じて変更できる。
・  試料等の提供は任意であること
・  試料等の提供の依頼を受けた人は、提供に同意しないことにより不利益な対応を受けないこと
・  提供者又は代諾者等は、自らが与えたインフォームド・コンセントについて、いつでも不利益を受けることなく文書により撤回することができること(必要に応じて撤回の求めを受け付ける方法を含む。)
・  提供者又は代諾者等により同意が撤回された場合には、当該撤回に係る試料等及び研究結果が連結不可能匿名化されている場合等を除き、廃棄されること
・  提供者として選ばれた理由
・  研究の意義、目的及び方法(対象とする疾患、分析方法等。将来の追加、変更が予想される場合はその旨。単一遺伝子疾患等の場合には研究の必要性、不利益を防止するための措置等の特記事項等。)、期間
・  共同研究において個人情報を他機関と共同して用いる場合は、(1)共同であること、(2)共同して利用される個人情報の項目、(3)共同して利用する者の範囲、(4)利用する者の利用目的及び(5)当該個人情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
・  長期間継続する研究の場合、研究を継続して実施するために必要な組織、体制等に対する研究機関としての考え方
・  提供者からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合、その研究の重要性及び提供者から試料等の提供を受けなければ研究が成り立たない理由
・  研究責任者の氏名及び職名
・  予測される研究結果及び提供者等に対して予測される危険や不利益(社会的な差別等社会生活上の不利益も含む。)
・  提供者及び代諾者等の希望により、他の提供者等の個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で研究計画及び研究方法についての資料を入手又は閲覧することができること
・  提供を受けた試料等又はそれから得られた遺伝情報についての連結可能匿名化又は連結不可能匿名化の別及び匿名化の具体的方法。匿名化できない場合にあっては、その旨及び理由
・  試料等又はそれから得られた遺伝情報を他の機関へ提供する可能性及びその場合は、倫理審査委員会により、個人情報の取扱い、提供先の機関名、提供先における利用目的が妥当であることについて、審査されていること
・  研究の一部を委託する場合の匿名化の方法等
・  遺伝情報の開示に関する事項(非開示にする場合はその理由)
・  個人情報の開示に関する事項(受付先、受け付ける方法、提供者又は代諾者等であることの確認の方法、開示に当たって手数料が発生する場合はその旨を含む。)
・  将来、研究の成果が特許権等の知的財産権を生み出す可能性があること。特許権等の知的財産権を生み出した場合の想定される帰属先
・  試料等から得られた遺伝情報は、匿名化された上、学会等に公表され得ること
・  試料等の保存及び使用方法
・  研究終了後の試料等の保存、使用又は廃棄の方法(他の研究への利用の可能性と予測される研究内容を含む。)
・  試料等をヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供し、一般的に研究用資源として分譲することがあり得る場合には、バンクの学術的意義、当該バンクが運営されている機関の名称、提供される試料等の匿名化の方法及びバンクの責任者の氏名
・  遺伝カウンセリングの利用に係る情報(単一遺伝子疾患等の場合には、遺伝カウンセリングが利用可能であること等)
・  研究資金の調達方法
・  試料等の提供は無償であること
・  問い合わせ(個人情報の訂正、同意の撤回等)、苦情等の窓口の連絡先等に関する情報

(12)  他の研究を行う機関から試料等又は遺伝情報の提供を受ける研究責任者は、当該試料等又は遺伝情報に関するインフォームド・コンセントの内容を当該他の研究を行う機関からの文書等によって確認しなければならない。

(13)  研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究又は関連する医学研究に使用することを想定して、提供者又は代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合には、その時点において予想される具体的研究目的を明らかにするとともに、個人情報が、匿名化の可能性を含めて、どのように管理され、かつ、保護されるかを説明し、理解を得なければならない。

11  遺伝情報の開示(抜粋)

(3)  研究責任者は、提供者の同意がない場合には、提供者の遺伝情報を、提供者以外の人に対し、原則として開示してはならない。

12  遺伝カウンセリング(省略)

第4  試料等の取扱い

13  研究実施前提供試料等の利用

(1)  研究を行う機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に提供され、かつ、保存されている試料等の利用の可否は、提供者又は代諾者等の同意の有無又はその内容及び試料等が提供された時期を踏まえ、以下、(2)から(5)までに定めるところにより、倫理審査委員会の承認を得た上で、研究を行う機関の長が決定する。

(2)  旧指針の施行後に提供された研究実施前提供試料等については、本指針の理念を踏まえて、研究を行う機関の長及び研究責任者は、その利用について慎重に判断し、また、倫理審査委員会は、研究における利用の可否を慎重に審査しなければならない。
   < 注>
 旧指針の施行日は平成13年4月1日である。

(3)  A群試料等(試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用を含む同意が与えられている試料等)については、その同意の範囲内でヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。

   < A群試料等の利用に関する細則>
 研究を行う機関の長及び研究責任者は、A群試料等が提供された時点における同意が、当該試料を利用して新たに行おうとするヒトゲノム・遺伝子解析研究の研究目的と同じ研究目的に対して与えられたものであることを確認することとする。
 また、他のヒトゲノム・遺伝子解析研究への利用に関し、そのヒトゲノム・遺伝子解析研究の意義、研究目的又は匿名化等の方法等に、どの程度言及された同意であったか、また、同意が得られた時期等にも配慮して判断しなければならない。
 さらに、倫理審査委員会も、同様の事項に配慮して、その利用の取扱いを審査しなければならない。

(4)  B群試料等(試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用が明示されていない研究についての同意のみが与えられている試料等)は、提供者又は代諾者等からヒトゲノム・遺伝子解析研究への利用についての同意を受けない限り、原則として、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用してはならない。
 ただし、次に掲げる要件のいずれかを満たすとともに、倫理審査委員会の承認を受け、かつ、研究を行う機関の長により許可された場合についてはこの限りでない。
ア  連結不可能匿名化されていることにより、提供者等に危険や不利益が及ぶおそれがない場合
イ  連結可能匿名化されており、かつ、B群試料等が提供された時点における同意が、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる場合であって、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の目的を提供者に通知し、又は公表した場合

   < B群試料等の利用に関する細則>
 第4の13(4)のイに関して、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の研究目的を提供者に通知し、又は公表することにより、提供者又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するそれがある場合、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の研究目的を提供者に通知し、又は公表することを要しない。

(5)  C群試料等(試料等の提供時に、研究に利用することの同意が与えられていない試料等)は、提供者又は代諾者等からヒトゲノム・遺伝子解析研究への利用についての同意を受けない限り、原則として、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用してはならない。
 ただし、次に掲げる要件のいずれかを満たすとともに、倫理審査委員会の承認を受け、かつ、研究を行う機関の長により許可された場合についてはこの限りでない。
 なお、B群試料等であって、提供された時点における同意がヒトゲノム・遺伝子解析研究の目的と相当の関連性を有すると合理的に認められないものはC群試料等とみなす。
ア  連結不可能匿名化されていることにより、提供者等に危険や不利益が及ぶおそれがない場合
イ  連結可能匿名化されており、かつ、次に掲げる要件のすべてを満たしている場合
(ア)  ヒトゲノム・遺伝子解析研究により提供者等に危険や不利益が及ぶおそれが極めて少ないこと。
(イ)  その試料等を用いたヒトゲノム・遺伝子解析研究が公衆衛生の向上のために必要がある場合であること。
(ウ)  他の方法では事実上、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施が不可能であること。
(エ)  ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況について情報の公開を図り、併せて提供者又は代諾者等に問い合わせ及び試料等の研究への利用を拒否する機会を保障するための措置が講じられていること
(オ)  提供者又は代諾者等の同意を得ることが困難であること。
ウ  法令に基づく場合

14  試料等の保存及び廃棄の方法

(1)  保存の一般原則研究責任者は、研究を行う機関内で試料等を保存する場合には、提供者又は代諾者等の同意事項を遵守し、研究計画書に定められた方法に従わなければならない。

(2)  ヒト細胞・遺伝子・組織バンクへの提供研究責任者は、試料等をヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供する場合には、当該バンクが試料等を一般的な研究用試料等として分譲するに当たり、連結不可能匿名化がなされることを確認するとともに、バンクに提供することの同意を含む提供者又は代諾者等の同意事項を遵守しなければならない。

(3)  試料等の廃棄研究責任者は、研究計画書に従い自ら保存する場合及びヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供する場合を除き、試料等の保存期間が研究計画書に定めた期間を過ぎた場合には、提供者又は代諾者等の同意事項を遵守し、匿名化して廃棄しなければならない。

第5  見直し(省略)

第6  用語の定義

16  用語の定義(抜粋)

(1)  試料等
 ヒトゲノム・遺伝子解析研究に用いようとする血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれらから抽出した人のDNA等の人の体の一部並びに提供者の診療情報、その他の研究に用いられる情報(死者に係るものを含む。)をいう。
 ただし、学術的な価値が定まり、研究実績として十分に認められ、研究用に広く一般に利用され、かつ、一般に入手可能な組織、細胞、体液及び排泄物並びにこれらから抽出した人のDNA等は、含まれない。

(3)  ヒトゲノム・遺伝子解析研究
 提供者の個体を形成する細胞に共通して存在し、その子孫に受け継がれ得るヒトゲノム及び遺伝子の構造又は機能を、試料等を用いて明らかにしようとする研究をいう。本研究に用いる試料等の提供のみが行われる場合も含まれる。

   < 本指針の対象とするヒトゲノム・遺伝子解析研究の範囲に関する細則>
1.  本指針の対象とするヒトゲノム・遺伝子解析研究は、提供者の白血球等の組織を用いて、DNA又はmRNAから作られた相補DNAの塩基配列等の構造又は機能を解析するものであり、その主たるものとして、いわゆる生殖細胞系列変異又は多型(germline mutation or polymorphism)を解析する研究がある。一方、がん等の疾病において、病変部位にのみ後天的に出現し、次世代には受け継がれないゲノム又は遺伝子の変異を対象とする研究(いわゆる体細胞変異(somatic mutation)を解析する研究をいい、変異の確認のために正常組織を解析する場合を含む。)、遺伝子発現に関する研究及びたんぱく質の構造又は機能に関す研究については、原則として本指針の対象としない。ただし、このような研究であっても、子孫に受け継がれ得るゲノム又は遺伝子に関する情報を明らかにする目的で研究が実施される場合には、本指針の対象とする。なお、本指針の対象としないこれらの体細胞変異、遺伝子発現及びたんぱく質の構造又は機能に関する研究においても、本指針の趣旨を踏まえた適切な対応が望まれる。
2.  1.で示した本指針の対象としない研究を行う過程で、偶然の理由により遺伝情報(遺伝情報を得るに当たって使用された試料等を含む。)が得られた場合には、ヒトゲノム・遺伝子解析研究目的での使用、適切な管理(個人情報に該当する場合は安全管理措置、個人情報に該当しない匿名化情報の場合には適切な取扱い)、保存、匿名化して廃棄する等、その試料等の取扱いは、研究を行う機関の長が倫理審査委員会に諮った上で決定することとする。
3.  主たる内容がヒトゲノム・遺伝子解析研究ではないが、一部においてヒトゲノム・遺伝子解析研究が実施される研究、診療において得られた試料等又は遺伝情報を二次的に利用する研究を含む。
4.  教育目的で実施される生物実習等、構造や機能が既知の遺伝子領域について実施される遺伝子構造解析実習で、実習目的以外には試料等や解析結果の利用が行われないものについては、本指針の対象としない。ただし、これらの目的で遺伝子解析を行う場合においても、本指針の趣旨を踏まえた適切な対応が望まれる。

(4)  遺伝情報
 試料等を用いて実施されるヒトゲノム・遺伝子解析研究の過程を通じて得られ、又は既に試料等に付随している子孫に受け継がれ得る情報で、個人の遺伝的特徴及び体質を示すものをいう。

(7)  インフォームド・コンセント
 試料等の提供を求められた人が、研究責任者から事前にヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する十分な説明を受けその研究の意義、目的、方法、予測される結果や不利益等を理解し自由意思に基づいて与える試料等の提供及び試料等の取扱いに関する同意をいう。本指針においては、文書によることが求められる

(8)  代諾者等
 提供者にインフォームド・コンセントを与える能力がない場合に、当該提供者の代わりにインフォームド・コンセントを与える人をいう。提供者が死者である場合にあっては、遺族をいう。
 なお、遺族を含めずに使用する場合は、「代諾者」という。

   < 注>
 代諾者等は、あくまでも提供者の人権を守る観点から、その人の代わりに試料等の提供等に同意するかどうかを決める人であり、代諾者等自身の遺伝的問題については、別途の対応の考慮が必要である。

(9)  研究を行う機関
 ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する機関及び個人事業者(試料等の提供が行われる機関を含む。)をいう。

   < 研究を行う機関に関する細則>
 ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する機関は、法人及び行政機関(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第2条に規定する行政機関)である。

(10)  試料等の提供が行われる機関
 研究を行う機関のうち、医療機関や保健所のように、人々から試料等の提供が行われる機関をいう。

   < 試料等の提供が行われる機関に関する細則>
 大学等のように同一法人内に研究を行う部門と試料等の提供が行われる部門がある場合には、当該法人は試料等の提供が行われる機関である。

(11)  共同研究機関
 研究計画書に記載されたヒトゲノム・遺伝子解析研究を共同して行う研究を行う機関をいう。ある研究を行う機関がその機関以外の試料等の提供が行われる機関から試料等の提供を受ける場合には、その試料等の提供が行われる機関を含む。

   < 共同研究機関間の個人情報の取扱いに関する細則>
 個人情報を研究計画書に記載された共同研究機関間において共同で利用する場合には、その旨並びに共同で利用される個人情報の項目、利用する者の利用目的及び当該個人情報の管理について、あらかじめ、提供者に通知し、又は提供者が容易に知り得る状態に置かなければならない。

(14)  研究者等
 研究を行う機関において、研究責任者、研究担当者(試料等の提供を受ける業務を行う者を含む。)、遺伝カウンセリングを実施する者、個人情報保護の業務を行う者、研究を行う機関の長その他のヒトゲノム・遺伝子解析研究に携わる関係者をいう。

(15)  研究責任者
 個々の研究を行う機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を遂行するとともに、その研究計画に係る業務を統括する者であって、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の有用性及び限界並びに生命倫理について十分な知識を有する研究者をいう。

(17)  提供者
 ヒトゲノム・遺伝子解析研究のための試料等を提供する人をいう。なお、提供者の家族、血縁者、代諾者等のように、提供者の遺伝情報にかかわりがあると考えられる人を含める場合には、「提供者等」という。

(19)  研究実施前提供試料等
 研究を行う機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に提供され、かつ、保存されている試料等をいう。試料等の提供時における利用目的の特定と同意の状況に応じて、次に掲げるものに分かれる。
ア  A群試料等
 試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用が利用目的として提供者に明示され、当該目的に利用することに対して同意が与えられている試料等をいう。
イ  B群試料等
 試料等の提供時に、「医学的研究に用いることに同意する」等のように、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用が利用目的として提供者に明示されておらず、当該目的への利用が明示されていない研究に対する同意のみが与えられている試料等をいう。
ウ  C群試料等
 試料等の提供時に、研究に利用することが利用目的として提供者に明示されているか否かにかかわらず、研究に利用することの同意が与えられていない試料等をいう。

(20)  ヒト細胞・遺伝子・組織バンク
 提供されたヒトの細胞、遺伝子、組織等について、研究用資源として品質管理を実施して、不特定多数の研究者に分譲する非営利事業をいう。

第7  細則(省略)

第8  施行期日

18  施行期日

 本指針は、平成17年4月1日から施行する。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20120616/1339777518

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