AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

Wikipedia記事の間違い

 ちょっとしたことを手軽に知るにはWikipediaは便利だが内容には信頼できないものが含まれてもいるとは、前から言われていることである。2つ前の記事の「ある研究」を探している最中にWikiへと導かれ、そこから1つ前の記事に挙げた研究論文へと至った。この時にアイヌに関する英文記事を見て――実際に初めて見たのではないかと思う――その分量には、正直なところ、驚いた。http://en.wikipedia.org/wiki/Ainu_people
日本語の記事を見てみると(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C)、それよりも詳しい。ついでながら、こちらの記事からは、「アイヌ人骨」の研究を目論む人々の研究一覧を見ることができる。⇒http://research.kahaku.go.jp/department/anth/s-hp/s5.html
「集約施設」に遺骨が移されて研究解禁となれば、遺骨は、まちがいなくDNA分析の対象とされるだろう。

 さて、上の英語版記事に、以下のような叙述がある。ここにはいくつかの間違いが含まれている。わが輩はWikipedia記事の編集などしたことがないので、手は出さずにそのままにしておく。

Governmental advisory boards


Much national policy in Japan has been developed out of the action of governmental advisory boards, known as shingikai (審議会) in Japanese. One such committee operated in the late 1990s,[84] and its work resulted in the 1997 Ainu Culture Law.[80] This panel's circumstances were criticized for including not even a single Ainu person among its members.[84]


More recently, a panel was established in 2006, which notably was the first time an Ainu person was included. It completed its work in 2008 issuing a major report that included an extensive historical record and called for substantial government policy changes towards the Ainu.[citation needed]

 1段落目では、「懇談会」と「審議会」の区別がなされていない上、メンバー構成のみが批判の対象とされていて、報告内容への言及はない。 “circumstances”というのも変な感じだ。

 さらに、アイヌ政策に関する有識者懇談会に言及しているとみられる2006年と2008年というのも間違いだが、その報告を“a major report”とするのも誇張である。単なる“a report”ならば良い。それだけでなく、“an extensive historical record”や“called for substantial government policy changes”も「嘘でしょ」と言いたくなるし、笑ってしまいそうである。出典が記載されていないのを指摘されているようであるが、誰が書いたものなのか、情報操作の意図を少しばかり感じなくもない記述である。英語は、どうも日本人によるものという気がする。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20120724/1343059497