AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

国際生命倫理委員会(IBC)報告書

①先日(11月10日)の記事で紹介したAndersonの別の著作をある方に紹介したところ、「表紙の写真がすごいな」という感想を戴いた。昔はこのように人体を測定していたわけだが、今は集団の近縁関係を統計的に探り出すために「DNAを使って人体をはかり続けているのだなあ」という主旨のご指摘も。そう言えば、最近読んだ「科学の哲学」論文が、集団遺伝学研究の「統計的人種主義」の可能性について論じていた。
 但し、こちらの書は、先の図書に比べてやや高い。

②こちらは、かなり前から書こうと思っていたことであるが、書きそびれていた。上の「翻訳」の話題のついでに記しておく。
 ユネスコの国際生命倫理委員会(IBC)が「ヒトゲノム多様性研究プロジェクト(HGDP)」に関して、"Bioethics and Human Population Genetics Research"(CIP/BIO/95/CONF.002/5), November 15, 1995という報告書を出している。これは、IBCの「集団遺伝学に関する作業部会(Working Group on Populations Genetics)」のメンバー7人による共同作業であるが、その7人の中には藤木典夫教授(福井医大)とダリル メイサー教授(Darryl Macer、筑波大学)という日本人および日本と関係の深い生命倫理研究者が2名入っていた。文部科学省の日本ユネスコ国内委員会や生命倫理研究者などが翻訳してウェブ上に掲載しているユネスコ関係の文書の中に同報告の日本語版がないかと何度か検索してみたのだが、未だに見つけることができないでいる。何らかの理由で日本では関係ないとみなされているのかもしれないが、日本ユネスコ委員会(あるいは、アイヌ政策推進会議に関与している文部科学省)は、アイヌ民族を「先住民族」と認めている以上、先住民族に関する集団遺伝研究の問題が取り上げられている同報告書を翻訳して、広くアイヌが批判的に検討することができるように「配慮」するべきではないか。
 もし本ブログの読者で同報告書の日本語版の存在をご存知の方は、ご教示戴けると大変ありがたいです。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20121117/1353084596