AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

法務省の人権啓発ページ

 先ほど、ある人から怒りの電話がかかってきた。某アイヌ「人骨」研究者集団の明らかに人権感覚の欠如を思わせる無思慮な発言に関してであった。これも、いずれ当事者から問題提起されるであろう。

 さて、今年の人権週間に法務省は、「アイヌの人々に対する理解を深めましょう」というタイトルのページを設けて啓発に努めているようである。新聞社などのオンライン版の右欄にリンクが貼られている。http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken05_00004.html

 中を覗いてみたが、大体この種の行政の啓発にお決まりのありふれた内容でしかないのが残念である。一言で言えば、アイヌ政策有識者懇談会から同推進会議に至る「政府の取組」の単なる宣伝にすぎない。末尾にいくつかのリンクが貼られてはいるが、これでは「依然として存在しています」という「偏見や差別」が解消されるとは思えない。法務省は、どこまで本気なのか。最終段落には、このように記されている。

 法務省の人権擁護機関では,アイヌの人々に対する理解と認識を深めるとともに,偏見や差別の解消を目指して,啓発活動や相談,調査救済活動に取り組んでいます

 NAGPRA制定過程における公聴会などでは、法案を支持する先住アメリカ人諸団体や法案提出者の議員たちは、遺骨や埋葬品の返還は人権問題であるという認識に基づいて活動していた。

 さて、北大その他の大学や研究機関に「人質としてとられている」――上述の過程における証言より借用――多数のアイヌ民族の遺骨が、どうしてそこにあるのか、なぜ返還されないのか、法務省は「調査救済活動に取り組んで」いくのだろうか。法務省には「アイヌの文化の復興に配慮すべき強い責任」を果たしてもらいたいものであるが、対北大の遺骨返還・賠償請求訴訟で、法務省の本気度と正体を見極めたいものである。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20121206/1354720021

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