AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

第9回「政策推進作業部会」議事概要、他

◎追記(2012/12/16, 13:45):

 さて、昨日は、遺骨返還訴訟関連の講演会が江別市であったようだ。「さまよえる遺骨」ブログでのわずか4日前の告知! あるいはメールなどでのもっと早い通知があっていたのかもしれないが、いずれにしても地域限定的なのだろうとの印象を受けていた。盛況であったことを願いたいが、一方で、札幌でも別のアイヌの運動に関する講演会があったと聞いた。参加者の取り合いになっていなければよいが・・・。(追記中の追記:よく見ると、江別市での講演会は、北海道アイヌ協会江別支部の主催だったのだ。わが輩は、てっきり、遺骨返還訴訟を支援している団体によるものだと思い込んでいた。

 昨日と今日は、前に言及した京大でのシンポも開催中である。目の前のことに追われていて、こちらは夕べまですっかり忘れていた。部分的に教えて戴いた情報によれば、アイヌ研究への言及も何回かあったそうである。会場にアイヌの聴講者はいたのだろうか。
http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20121127/1353942682

◎追記(2012/12/17, 13:40):

 京大でのシンポジウム参加者たちは、昨日で「人種神話を解体する」ことに成功したのだろうか? 考えてみると、とてつもなく大きな課題であり、挑戦である。


◎追記(2012/12/18, 0:40):

 先月15日に開催された第9回「政策推進作業部会」の議事概要が公開されている。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai9/gijigaiyou.pdf
 遺骨関連の発言は、次の通りである。例によって、強調は、わが輩による。

アイヌの人骨について、12月を目途に調査を実施していると聞いているが、その後どうするのか。どのようにして返還するのか、どのようにアイヌと話合いをするのか。

文部科学省において、全国の大学を対象に、12月を期限としてアイヌの人骨の保管状況の調査を進めている。象徴空間の作業部会報告にあるとおり、遺族等に返還可能なものについては返還するというのが最初のステップであり、文部科学省、また私どもでも、返還手続をどういった形で進めていくべきか検討を進めているところ。返還手続のあり方についてある程度形が見えてきた段階で議論いただきたいと考えている。返還の目途が立たないものについては、象徴空間に集約して尊厳ある慰霊に配慮するというのが部会報告で決まった方針と理解している。
(7ページ)

 「5 その他」の2段落目に次のような発言があるが、これが何に言及しているのか、よく分からない。どなたか、教えて下さらんか。

○ 今、アメリカのインディアンでは、自分たちの親戚だけで囲ってしまうということが非常に問題になっていると伺っている。私としては、幅広く皆が一緒に事に当たるべきであり、そのことが重要だと思っている。象徴空間についても、アイヌだけではなくて、世界の少数民族先住民族を見てもらいながら、アイヌはどうであるかという形で実施してもらいたい。
(9ページ)

 「4 国民理解を促進するための活動(戦略的広報)の進捗状況について」では、次のようなやり取りがおもしろい。イタリック部分は、わが輩のコメントである。

 最後に、検討課題として、提案のような形になるが、有識者懇談会報告では、全国的に期間を集中して、アイヌ民族に関する歴史や文化について国民の理解を深める広報活動や行事を実施することとされていることから、例えば、国会決議から5周年が経過する来年6月6日の時期、おおむね1週間の間に各種イベントを集中して実施してはどうかと考えている。事業を実施する主体に登録していただき、取りまとめの上、ホームページ等で公表しマスメディアに紹介する。イベントをある程度集中させることによって情報発信の強化につながるのではないかと考えている。
 <来年は、アイヌ関連イベントが目白押しになりそうだな。便乗する団体もたくさん出てくることだろう。だが、何の理解を促進するというのだろうか。>


○ 国会決議に触れられているが、一番大事なことは、なぜ日本の国が国会決議をしたのかということ。文化一辺倒で、先住民族としての施策が出てこない。国会決議では、日本が近代化する過程において、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を厳粛に受け止め、とある。先住民族の権利に関する国連宣言を踏まえ、とある。国連宣言の関連条項を参照しつつ、とある。教育、生活、健康、年金、アイヌはいずれも大変な状況にある。そのことをどのようにお考えか。


○ 今回の議題は国民理解の促進であるが、御指摘は重要な点と捉えており、しっかりと取り組んでまいりたいと考えている。
 <その通り。「国民理解の促進である」。だから、何の理解を?>


○ いわゆる少数民族の中の一つという位置付けで政策を実施するのではないということは、当部会においても繰り返し確認しておく必要があると思う。国会決議を受けて設置された有識者懇談会の報告を更に具体的なものにするために、当部会の検討が行われているのであるが、5年が経過する中で、その意識が薄れているのではないかと思うことがないではないので、繰り返しそれを思い起こしながら検討を進めたい。


○ これまでは空港を主体に見ていたが、JR北海道の方からも、駅でも積極的にアイヌ文化を発信していこうという話をいただいている。まもなく北海道新幹線が函館まで入ってくる。アイヌ文化を中心にした情報発信を行う絶好のチャンスだと思うので、ぜひ、駅での取組も加えていただきたい。
 <これが省略なしの発言の流れだとすれば、お笑いだね。会議には必ずいるんだよな、こういう役を果たす人が。ストーブで豆を煮ていて、豆が鍋の底に焦げ付かないように、時々水を差すような役の人。いや、豆が煮ついては困るけど、議論は煮詰めて欲しいものだ。>
(8-9ページ)

◎追記(2012/12/19, 1:00):

 いくつあるか数えかけたけど、バカバカしくなって止めた。読んだ人は気づいたことと思うが、「〜〜していただきたい」という発言が頻出する。この人たちは、一体何なのだろう。(同じ点は、前にも指摘したことはあるが。)

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◎追記(2012/12/20, 0:43):

 文科省の遺骨調査報告は、どうなっているのだろうか。「挑発的な予想」の一つ、「衆議院議員選挙のドサクサ」に紛れてというのは外れた(http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20121120/1353419454)。遺骨返還に関する指針もどうなっているのだろう。何日か前に、文科省のサイトで探してみたが、何も見つからなかった。まったくの非公開で行っているようである。上の「議事概要」にも見られることであるが、あれもこれも、物が出てきてから「検討」するようである。敢えて言わせて戴けば、「先住民族の権利宣言」に則ってと要求している――要求は降ろしていたっけ? もう分からなくなってきた!――北海道アイヌ協会の代表者たちは、「権利宣言」を自らのものにしているのだろうか。

 文科省も北大も、(条件付きで)遺骨返還に応じる用意があることをほのめかしている。しかし、今のところ20体。北大にある遺骨だけでも1割にも満たない。1割どころか、見込まれる増加数を考慮すれば、1分(1%)でしかない。膨大な数の残りの遺骨は、どうなるのか。上に「議事概要」から引用したように、「返還の目途が立たないものについては、象徴空間に集約して尊厳ある慰霊に配慮するというのが部会報告で決まった方針と理解している」と、部会長らしき人物の発言が記録されている。発言者は遺骨の「研究」に反対している立場なのだろうが、「理解している」というのは、どうも奥歯に何かが詰まったような物言いでもある。彼の「理解」とは異なる現実が進行していそうでもある。さらには、早く白老に「慰霊施設」を造って欲しいという協会幹部らしき人物の発言も過去の部会でなされている。

 80年代に遺骨の問題が持ち上がった時に、直筆の文書を北大に送っていた野村元理事長は、お墓の中で何を思っていることだろう。そういえば、野村さんの命日も近い。時代が少しずれていたら、野村さんのお墓だって、格好の餌食にされていたかもしれないと思うと、腹立たしいやら、情けないやら。(何に情けないかは、書かずともお分かりだろう。)

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◎追記(2012/12/22, 23:20):

 見よ、この矛盾を! 片方で水没させて消し去り、片方で「振興」とは。(大塚氏も「先住民」派らしい。文化人類学者に倣ってか、「先住民の権利に関する国連宣言」だって!)

http://news.asahi.com/c/abkwcDpvwhmC6Xa3
vs.

http://www.mlit.go.jp/hkb/ainu0001.html
http://www.mlit.go.jp/hkb/hkb_tk1_ainu_000010.html
http://www.mlit.go.jp/common/000209808.pdf#search='%E5%9B%BD%E5%9C%9F%E4%BA%A4%E9%80%9A%E7%9C%81+%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E6%96%87%E5%8C%96'


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20121210/1355068871

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