AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

ジム ソープ氏の遺骸/遺骨返還判決

 現地時間の4月19日(金)、ペンシルヴェニア州の連邦地裁判事が、ジム ソープ氏の遺骸を彼の生まれ故郷のオクラホマへ返す手続きを開始するべきであるという判決を下した。

 1953年にジム ソープ氏が死去して間もなく、ペンシルヴェニア州の小さな町が、観光産業を振興させようと願ってジム ソープ市に改名し、彼の妻と市当局が契約を交した。以来、ソープ氏の遺骸は、同市の小さな公園に埋葬されている。

 地裁の判決は、市の主張を斥け、連邦法(NAGPRA)が遺骸の返還を義務付けていると判断した。この件では、市そのものが同法が規定している博物館に相当するとした。

 キャプート(Caputo)判事は、市と夫人との間の契約を覆すことは「商法や契約法に関する我々の通念と矛盾するように見えるかもしれない」が、合衆国議会はそのような状況におけるより大きく、異なる問題、すなわち、先住アメリカ人の祖先の遺骸や遺骨の取り扱いに関する先住アメリカ人文化の尊厳を認識し、その立法の意図は、先住アメリカ人の芸術品や遺骸(遺骨)を(この場合、観光という)商業目的のために搾取してきた歴史に反対することにあったと述べた。

 ソープ氏の2人の息子とサック アンド フォックス ネーションの弁護士は、この判決は彼らの基本的人権を擁護するものであると評価している。

 ジム ソープ市の市長は、判決に落胆しつつも、控訴するかどうかは未定とのこと。

"Judge rules Jim Thorpe’s body should be returned to Oklahoma," The Washington Post http://www.washingtonpost.com/lifestyle/style/judge-rules-jim-thorpes-body-should-be-returned-to-oklahoma/2013/04/19/6a1b014c-a93b-11e2-b029-8fb7e977ef71_story.html

"Jim Thorpe's remains could return to Oklahoma after court ruling," Associated Press http://www.tulsaworld.com/article.aspx/Jim_Thorpes_remains_could_return_to_Oklahoma_after/20130419_11_0_HARRIS644515?subj=298

☆追記(2013/04/22):

 判決では、NAGPRA制定時から提訴までの時間の経過は、返還を妨げるものではないとも結論されている。この判決は、NAGPRAの下での判決としては非常に意義のあるもので、返還を阻止しようとする勢力によって用いられうる議論を却下している点でも、今後、インディアン トライブにとって有益であろうとみられている。

 ジム ソープ氏の遺骸に関して⇒http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/searchdiary?word=%A5%B8%A5%E0%20%A5%BD%A1%BC%A5%D7

 さて、日本には"NAGPRA"がない。アイヌ総合政策室も、政策推進会議も、自然人類学者や考古学者たちも、このような法律は絶対に作らせまいとするだろう。国連の「権利宣言」を武器として利用するべきだと思うのだが。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/04/20/235231

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