AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

遺骨・副葬品等の国際的返還に関する全米アメリカインディアン議会(National Congress of American Indians=NCAI)決議

 以下は、NCAIが2012年10月21-26日にサクラメント市で開催した年次会合の総会で採択した「[遺骨等の]国際的返還支持」決議(Resolution #SAC-12-008)の仮訳である(一部省略あり)。
(The following is a tentative translation of the NCAI's "Support for International Repatriation" Resolution (Resolution #SAC-12-008) adopted in October, 2012.)

 NCAIは、1944年に設立された、アメリカ48州とアラスカの先住民族トライブの政府から成る「最も古くて最大の全国的組織」である。

「NCAIを構成するトライブ、先住民族諸国、そして世界中の先住民族社会は一つの人権侵害に直面している。その人権侵害によって先住アメリカ人の祖先の遺骸・遺骨、副葬品、神聖なる品々、文化的伝承遺産[以下、「遺骨・副葬品等」と略す――訳者]が、先住民族諸国の自由で事前のインフォームド コンセントなしに発掘され、掘り起こされ、盗まれ、取り引きされ、研究され、あるいは強迫の下で持ち去られ、先住民族諸国および合衆国の国境を越えて移動された。

「この人権侵害は、私たちの祖先の[遺骨・副葬品等]の継続的な保有、展示、研究、それからの利得によって永続されている。

先住民族の権利に関する国連宣言は・・・第12条で国際的な返還を支持している。

「・・・[遺骨・副葬品等の]国際的返還は、もっと近年にも2008年に、「先住民族の権利に関するアメリカ宣言草案作成作業部会と米州機構への合衆国声明」において合衆国政府によって支持された。それには、次のように述べられていた。

先住民族は、その宗教的・文化的な場所を維持し、保護し、そしてそこに立ち入ることができるべきであり、自分たちの遺骸・遺骨、儀式用具、文化遺産の返還に対する集団的権利を有するべきである。

「推定100~200万の先住アメリカ人祖先の[遺骨・副葬品等]が現在、国際的な保管施設に存在している。

先住民族諸国は、さまざまな理由によって、国際的な保管施設における[遺骨・副葬品等]を見つけ出す困難を経験しつつある。その理由には、例えば、確認の間違い、文化的由来の記載がない、国際的保管施設から先住民族諸国への利用可能な記録がない、先住民族諸国への一元的な通知システムが現在ない、といったことがある。

「NCAI構成トライブと先住民族諸国の全国社会は、持ち去さられ、掘り起こされ、発掘され、取り引きされ、研究され、その他の様態で世界中の保管施設に存在しているすべての祖先の[遺骨・副葬品等]の返還を確実にするための法的保護策の調査と履行の必要を優先してきた。」

以上に鑑み、以下の通り決議する。

「NCAIはこれによって、国際的保管施設から返還を得る努力においてNCAI構成トライブと他の先住民族諸国を支持する。

「NCAIは、国務省、合衆国大使館、合衆国上院議員、合衆国下院議員、その他の合衆国政府機関が時間を割いて国際的返還において先住民族諸国を援助すること、および合衆国政府が先住民族諸国と協議の後、この500年に及ぶ継続的な人権問題に適切に取り組むための緊急行動を取ることを要請する。

「NCAIは、国際的返還が国内的・国際的に取り組まれることを確かにするために、構成トライブと他の先住民族諸国に代わって主張する。

「NCAIは、オバマ大統領およびアメリカ合衆国の今後の大統領に対して、議会に国際的返還に取り組むように求めることを強く促す。

「NCAIは、国連に対して、この人権問題を正式に調査するために、特別会合を招集して、先住民族社会の構成員から成る正式な資格の作業部会または小委員会を実現することを強く促す。

「NCAIは、国際的返還の支援において先住民族諸国と協働するために、アメリカインディアン問題協会(AAIA)および他の組織と共に活動する。

「この決議は、今後の決議によって撤回または修正されるまで、NCAIの政策とする。」


このような決議を北海道アイヌ協会が総会で出せたらなーと思うと残念だ。(誰だい?「あー、そうかい?」なんて言っているのは。)
 日本の「保管施設」にも北米先住民の遺骨・副葬品等があるのでは?

 個人的なことであるが、2009年6月以来、ほぼ4年間、1,500日近く続いていた連続記録が、自分の意志や選択とは別の作用によって、今日(から3日間)途絶えてしまった。この翻訳は、その作用の「おかげ」でもある。

 

◎追記

 NCAIの決議は、決議文中にも登場しているアメリカインディアン問題協会(AAIA)による熱心な働きかけによって実現したものである。AAIAの活動については、こちらで紹介したことがある⇒http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20120621/1340256839

 

 

転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/05/12/222158

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