AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

先住アメリカ人墓地を冒瀆した疑似科学者に関する博物館展示

 今日は、「先住民族の権利に関する国連宣言」と遺骨問題について書くつもりでいたのだが、標題のようなニュースが入ってきたので、その概要を記すことにした。(海外の動向を知りたい読者の方が多そうだ。0:00でちょうど1,000アクセスに到達。)

 南カリフォルニア沿岸にある美しいリゾート地のカタリーナ島にあるカタリーナ島博物館で「グリッデン博士の奇妙で謎に包まれた事件(The Strange and Mysterious Case of Dr. Glidden)」と題する展示が始まった。
<カタリーナ島:http://www.catalinachamber.com/ http://en.wikipedia.org/wiki/Santa_Catalina_Island,_California

 テキ屋事業家のラルフ グリッデンは、1920年代と30年代にトングヴァ インディアン墓地から遺骨や遺品を掘り出して売買した人物である。彼はまた、アヴァロン湾を見下ろす丘に1950年まで開館していた、文字通り人骨で造られた「インディアン博物館」の主宰者であった。
 博物館のマイケル デ マーシェ事務局長:ホロコースト博物館も「同じような課題、すなわち、ある民族のジェノサイド、彼らの墳墓の冒瀆、そして彼らの遺骨の神聖さに対する尊敬の欠如」を考察している。
 博物館入口の廊下に掲げられている解説の一部:「ラルフ グリッデンの人生と仕事のいかなる評価も、人間の遺骨の神聖に対する彼の無配慮だけでなく、カタリーナ島の先住アメリカ人の生活に対する調査研究に対して彼が与えたほとんど永久的な損害について論を競わなければならない。」
 グリッデンは、自らを「グリッデン博士」と名乗り、彼が発掘した頭蓋骨や遺品の多くを名高い研究機関に売却した。
 1968年のグリッデンの死後、チューイングガムで知られるリグリー家が彼のコレクションを5,000ドルで買い取り、カタリーナ島博物館に寄贈した。遺品の数々は、施錠されて保管されている。数百の骨格と頭骨と数千の歯は、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)に移された。
 UCLAのファウラー博物館のウェンディ ティーター考古学主事:今回の展示は、「この種の収集家たちが国中でどんなことを行なっていたのかを語り合い、そして先住アメリカ人コミュニティがこれまでずっと感じてきている痛みの一部を分かち合う機会」を提供している。
 展示にはカタリーナ島住民たちとの最近のインタビューを扱うドキュメンタリー映画も含まれている。住民たちは、一部の人々に「ラルフおじさん」として知られていた男に「インディアン博物館」の中を見るために35セント払っていたことを今もなお覚えている。

Louis Sahagun, "Catalina exhibit illuminates a dark episode in island's past," Los Angeles Times, May 12, 2013. http://www.latimes.com/news/local/la-me-catalina-bones-20130512,0,6186829.story

 

 

余談

 "Against the Wind"ブログを一旦休止とした時、それとは逆の、日本の先住民族事情を世界に発信する英語のブログを本名で開設しようと考えていたのだが、もう1クッション置いて、アイヌ政策過程に絞ったこのブログを開設することにした。元々、"Against"ブログも、「先住民族問題」とは単に「文化的」な問題ばかりではないということを「国民の理解」に訴えたくて、つまるところ、進行中のアイヌ政策形成過程に注目してもらいたいがためであった。その意味では、"Against"を続けても良かったのだが、気持ちの上でもできるだけ焦点を絞るためにタイトルを変更することにした。
 このブログを開設した時にidを本名で登録しようと考えていたのだが、idは変更できない仕組みで、特に"Against"から記事をインポートするにはidが同じでなければならなかった。別のid(つまり本名)で別に開設しようとしたのだが、ここ「はてな」ではアカウントは1つしか持てないということで――サブアカウント登録すれば別らしいが――面倒なので断念した。
 そこで他社サービスでの開設を試みたのだが、この方面の知識に疎いため、過去の記事のインポートがうまく行かずに、こちらも断念した。
 ということで、こちらではできるだけシンプルに、プロフィールも表示せずに書いている。「ブログ」の方が「ダイアリー」より新しくて書き易いような印象を受けていたのだが、実際にはこちらの方が私にとっては不要な機能が多いためにメモリー容量を多く必要とするようで、私のパソコンでは鈍くて、結構時間を無駄にしており、時にはイライラも募って精神的にも良くない。そういったこともあって、このブログは意外と短命に終わるかもしれない。
 こちらの良い点は、「ダイアリー」ではページビュー数が表示されるのに対し、アクセス数がわかることである。そこで分かったことは、海外動向には興味あるがアイヌ政策には興味ないという読者がかなりいそうなことである。あるいは、"Against"では同じ人が昼間と夜中にアクセスしたり、別のページの記事をクリックしたりしてビュー数が増えていたという可能性があって、実際には思っていたより読者が少なかったのかもしれないということもある。
 もう一つ、こちらで分かることは、読者がいつアクセスしているかである。平日では昼休みを挟んだ時間帯と午後4時・5時台に多い。職場で読んでいる人が多いようだが、大丈夫なのかい? 管理の厳しいところでは、ご注意を。

 

◎追記:

 どこで誰が読んでいるのかなどはこちらでは分かりませんので、念のため。

 

 

 Follow-up:

 「余談」を書いているうちに、先日書いたネブラスカ州の博物館からミシガン州のインディアン トライブへの遺骨の返還(http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/05/08/003201)に関する新しい記事が入ってきた。
"Saginaw Chippewa Indian Tribe members to recover 19th century ancestors' remains from Nebraska" by Justin Engel. http://www.mlive.com/news/saginaw/index.ssf/2013/05/saginaw_chippewa_indian_tribe_5.html


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/05/14/001005