AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

パーマネントフォーラム(PFII)第12会期会合

 いよいよ今年も週明けに国連先住民族の課題に関する常設フォーラムが始まる。
 暫定議題を見ると、PFII勧告に対するフォローアップに保健、教育、文化という課題が挙がっている。それぞれの課題に関する研究報告書が提出されており、それに基づく議論が20日から21日にかけて予定されている。他には、22日に国連権利宣言の実施状況、28日に来年2014年の先住民族に関する世界会議などが入っている。世界会議の議題には、各国の憲法国連権利宣言に関する研究報告やアメリカ大陸における先住民族の権利と真実調査委員会などの仕組みとの関連に関する報告など、非常に興味深い研究報告が提出されている。これらの文書もオンラインで入手可能である。右下のリンク集から進んで下さい。
http://daccess-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N13/251/80/PDF/N1325180.pdf?OpenElement
http://daccess-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N13/251/80/PDF/N1325180.pdf?OpenElement

 会期中に開催されるサイドイヴェントにも本会議に負けずに面白そうなテーマが挙がっている(http://www.un.org/esa/socdev/unpfii/documents/2013/side-events.pdf)。伝統的知識の文書化と知的財産に関する課題、世界の先住民族諸文化を祝うイベント、先住民族の土地・領域・資源に対する権利、世界銀行の先住民族政策の「真の影響」(セーフティーネットの穴)、権利宣言の利用に関する実際的教訓、先住民族言語の再活性の道具としてのコミュニティラジオ、アジアの先住民族社会の軍事化、世界の先住民族の文化と言語の保全、そして前に紹介した遺骨や副葬品の国際的返還(これについては、別途、投稿の予定)、等々である。

 本会議でもそうだが、サイドイヴェントにも「文化」に関する話題がたくさんあるのに、北海道アイヌ協会をはじめ、今年はアイヌは誰も行かないそうである。ニューヨークの日本政府代表部は、アイヌ総合政策室に、そしてそこから政策推進会議へときちんと報告を送るのだろうか。「国民の理解」のためにも、世界の動きをきちんと報告して欲しいものである。せっかくフェイスブックを開設したことでもあるし。でも、あまり期待できそうにないな。

 このブログにも北海道開発局http://www.hkd.mlit.go.jp/)の中から第10回作業部会議事概要の記事にアクセスがあっているようだから――勤務時間外だったことと思うが――、この記事も目にしてくれるかもしれない。そこでお願いしておこう。遺骨・副葬品の国際的返還に関するフォーラムに職員を参加させるように、アイヌ総合政策室から日本政府代表部に要請してもらえないものだろうか。但し、入手した情報は、公開して欲しいな。北海道アイヌ協会が頼むと聞いてもらえるかもしれないですね。
"Indigenous International Repatriation: Returning Ancestral Remains Home"
先住民族の国際的返還:祖先の遺骨を郷里に返す)
日時:23日(金)午後1:15-2:30
場所:アメリカ政府代表部
主催:アメリカ政府代表部、オーストラリア政府、アメリカインディアン問題協会、チカソー ネーション、スミソニアン協会


サイドイヴェントの例:

☆Traditional Knowledge documentation and intellectual property: safeguards and best
practices regarding indigenous peoples’ control over their traditional knowledge.
★Cultural Event: "Celebrating Indigenous Peoples' Cultures around the World."
☆Whose territory? Indigenous peoples’ rights to land, territories and resources.
★Holes in the safety net: Real impacts of the World Bank’s Indigenous Peoples Policy.
☆From aspiration to implementation: Practical lessons on using UNDRIP and advancing indigenous peoples’ rights.
★Our voices on the air: Community radio as a tool for language revitalization.
☆Forum on Militarization of Indigenous Communities in Asia.
★Preserving Indigenous Cultures and Languages Around the World.

 

☆余談: このエピソードは、誰かに話すか、どこかに書いたことがあるかもしれない。25年くらい前、ある研究会に出た時のことである。フルブライト奨学金で日本の大学を訪れていたアメリカ人歴史学者が、1830年代の強制移住について発表した。通訳は、いくつかのインディアン トライブの名前と同じように、「チカソー族」と訳していた。恐らく学部あたりに動員されて義務的に出席していた教員だったのであろうか、質問することも義務的に感じてのことだったのかもしれない。当時は、「地上げ」の話題も出ていた時代であった。その大学の先生は、「地価(地下?)相続」とはどういう意味ですかと質問を始めたのである。

 

P.S.(2013.05.20)

 今年は、アイヌだけでなく、琉球からも参加していないとの情報を戴いた。感謝。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/05/19/222629

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