AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

「アルタ宣言」と遺骨・副葬品等の返還

 先に紹介した「アルタ成果文書」(http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/06/15/020000)――今後、「アルタ宣言」(Alta Declaration)として知られることになるであろう――に遺骨の返還に関する勧告が一項目盛り込まれているので紹介しておく。(日本から参加した人たちからの報告は、来月号には載りそうもないとのことなので。)

Theme 3: Implementation of the Rights of Indigenous Peoples

9. Recommend that States work proactively, nationally and internationally with the full equal and effective participation of Indigenous Peoples to develop effective mechanisms to identify and repatriate sacred and culturally significant items and ancestral remains, in accordance with Indigenous Peoples’customs, traditions and beliefs;

(仮訳)
第3テーマ:先住民族の権利の実行

9.先住民族の慣習、伝統、信仰に従って神聖かつ文化的に重要な品目および祖先の遺骨/遺骸を確認および返還するための効果的な仕組みを開発するために、先住民族の完全で対等で効果的な参加のもとで、国家が率先して、国内的および国際的に活動することを勧告する。

 進行中の遺骨返還訴訟との関連で、特に追加的で重要と思われる部分(遺骨の返還は当たり前)を太字で強調した。なお、"full"と"equal"の間のコンマが脱落しているか、"fully equal"となるべきではないかと思って、一応、前者として訳出しておいた。関係者から(どちらとは書いていないが)「その通り」との返信が来たので、後日、訂正されたものが正文となるであろうが、当面そのままにしておく。

 こちらも参照して戴きたい⇒http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/06/01/020000


 先ほどの投稿は、「草案(Draft)」のファイルから抜いてしまっていた! せっかく訳したことでもあるから、変遷を示すためにも、参考情報として載せておく。

Theme 3 (7): Recommend that States work collaboratively with and actively assist Indigenous Peoples to repatriate sacred and culturally significant items and ancestral remains.

テーマ3(7):神聖かつ文化的に重要な品目および祖先の遺骨/遺骸を返還するために国家が先住民族と協働し、かつ活動的に援助することを勧告する。


P.S.:ある参加者――日本人ではない――の報告によると、「アルタ宣言」は、会場が割れんばかりの拍手でもって満場一致で採択されたということである。北海道アイヌ協会の肩書で参加されたであろう方も、きっと賛成されたことと思う。あるいは、同胞が戦っている裁判のことを思いながら、"nationally"という一語を挿入するために奮闘されたのかもしれない。「返還」という語の真の意味において返還が実現するように、ご帰国直後のアイヌ政策推進会議でも同じように奮闘されたであろうことと、また今後もそうされることを期待したい。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/06/27/002711

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