AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

第12 回「政策推進作業部会」議事概要

 先ほどパソコンを立ち上げてインターネットにつながると、東シナ海への日本の海洋調査船配備による緊張増大を報じる配信直後のロイター電の「独占記事」がYahoo! Newに掲載されていた。http://news.yahoo.com/exclusive-japan-survey-ships-prepare-deployment-tension-china-122216954.html

 こういう話題にコメントし始めるとブログの範囲が際限なく広がりそうなのでやめて、何日か前にある本で読んだ、1942年の今日(7月18日)にイロクォイ六国連合(Six Naitons)またはイロクォイ連邦(The Iroquois Confederacy)が日独伊三国の枢軸国に宣戦を布告したという件について途中まで書いたところだった。その本には、米国によって脅かされている主権を主張するための行為であったとも書かれていたが、もう少し詳しい歴史書には、アメリカ政府による巧妙なお膳立てやプロパガンダ工作があったことが論じられていた。

 イロクォイ連邦は、第1次世界大戦でドイツに宣戦布告していた。しかし、パリ講和条約に参加できなかったためドイツとの和平は成立しておらず、第2次世界大戦で自動的にドイツとの交戦国となり、イタリアと日本を含めて枢軸国に対する宣戦布告となったということでもある。そうすると、イロクォイ連邦や、同じように枢軸国は自らの自由への脅威であるとして宣戦布告したチッパワやスーの主権を主張する国々は、日本と平和条約を結んでおらず、技術的には今なお「交戦中」ということか?

 しかし、ここでもう少し調べたいと思い、この話題は別の機会に回すことにして、アイヌ総合政策室サイトを訪れると、標題の「議事概要」が公開されていた。金曜日でもなく、週始めでもなく、今度は木曜日の公開である。(昨日だったのかな? まあ、どうでもよい。)これから読もうと思う。どんな面白いことが出ていることやら。ここにも巧妙なお膳立てやプロパガンダ工作が隠されているのだろうという警戒を持って読まねばならない。
 皆さんも、どうぞ⇒http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai12/gijigaiyou.pdf

 そうだ、その前に14日と18日に追記を入れねば。


★作業部会には10人中8人の出席である。
 PFIIでの日本政府代表発言について、(恐らく)K氏がこのように述べている。80年の国連への政府報告も出してあげればよかったのに。それにしても、AAHは、あの声明をそのまま肯定的に受け容れているということか・・・。

この問題の背景として、昭和31年、日本政府は国際労働機関に対して「完全に同化され、もはやアイヌ先住民族ではない。国内政策ももはやその役目は終えた」との報告を行った。つい先日の5月22日には、国際連合日本政府代表部公使である久島直人氏から、この完全に同化されたという報告を覆すような、きちっとした声明を発表していただいた。声明においては、世界に向かって、奨学金のこと、教育のこと、民族共生の象徴空間のことも現在取り組んでおり、さらに、日本は今、全ての人々の多様性が尊重される社会を実現するためにアイヌの人々と密接に協力しているとしている。私としては、この声明が60年前にあったら、現在のようにアイヌの子弟と北海道や全国の平均との学力格差は生じなかったのではないかと思っている。日本政府には、深く反省していただきたく、早急に幼児期からの教育支援や象徴空間の整備などを進めていただきたい。(p. 9)

前回部会からの変更点について説明する。
 遺骨の返還・集約に当たっては、アイヌ精神文化を尊重する観点から行われるものであって、可能な限り多くの方々にも御納得いただけるように丁寧な説明等を行うことが必要であるとした。
 次に、祭祀承継者にお返しするという返還の仕方をとることについて十分な説明が必要であるという意見を踏まえてのことであるが、海外では、民族又は部族に返還する事例が多く見られること、コタンまたはそれに対応する地域のアイヌ関係団体に遺骨を返還することが、アイヌ精神文化を尊重するという観点からは望ましいとも言える。一方、現実問題として、現在、コタンやそれに代わって地域のアイヌの人々すべてを代表する組織など、返還の受け皿となり得る組織が整備されているとは言い難い状況にあることも考慮する必要がある。このため、返還が可能な遺骨については、まずは祭祀承継者たる個人への返還を基本とし、地域のアイヌ関係団体など、本来の祭祀承継者以外の方への返還については、法的な論点の整理も含め、今後の検討課題とする。祭祀承継者個人への返還に当たっては、過誤が生じないよう専門的な見地から助言を行う有識者委員会を設置するなどして、手続を十分吟味していく必要があるという文言を追加した。
 この他に大きな変更点はなく、今後、基本的な考え方に基づき速やかに検討を進め、実際に返還あるいは集約といった段階に進めていけるように努める。
○ 今回の調査でも中間報告以降2体の御遺骨が増えたようにこれからも増えると思うので、今後発掘されるアイヌ遺骨についても、返還と尊厳ある慰霊を一体として行っていただきたい。
また、この基本的な考え方においては、過去発掘された御遺骨について返還と慰霊をセットで考えていくとしているが、この過去とはどの時点からなのかといった時間軸についての考えを伺いたい。
○ 今後、発掘される御遺骨についても、過去に発掘された御遺骨とあわせて一緒に象徴空間で慰霊していただくという考え方や、第一段階として過去の遺骨について一度整理して、今後の対応についてはまた議論していくという考え方もあると思うが、検討のスコープは過去から未来まで全てを含んだものであると認識している。
○ 今後発掘される可能性のある御遺骨の取り扱いについては、今後の検討課題であると思うが、この基本的な考え方の対象は、大学が保管している御遺骨に限られている。
○ 本日の議論を踏まえて、アイヌ政策推進会議に報告する。
[この項目は、本当にこれで終了?]


アイヌ遺骨に係る今後の検討について
○ 遺骨の集約について、「納骨施設の在り方」として、一点目、今回のアイヌ遺骨の集約については、象徴空間の作業部会報告でも、アイヌ精神文化を尊重するという観点から行われる必要があり、実際に集約した後、アイヌプリによる尊厳ある慰霊を可能とするために、施設が満たさなければならない条件を検討する必要がある。例えば、現在、北海道大学の納骨堂では、ヌササンがあり、囲炉裏がありということで施設が用意されているが、そのほかにも方角などいろいろと注意しなければならない点がある。これらについては、地域によっても儀式の形態が違うということも予想されるので、各地の儀式や儀礼に通じたアイヌの方々、そのほかの有識者の方々にヒアリングを行い、注意点を事前に把握していく。二点目、遺骨の保管方法のあり方について、象徴空間での保管方法については、人類学者等の有識者にヒアリングをして把握していく。三点目、設置場所や遺骨の管理主体のあり方についても、地元との調整を含めて今後整理していく必要がある。
 また、「法的論点等の整理」として、政教分離原則と抵触しない形での国の関与のあり方、また、先ほど議論があった、今後発掘される遺骨の取り扱いを整理する必要がある。
 次に、「個人名が特定された遺骨の返還」として、一点目、遺骨に係る情報提供の在り方について、どこまでの情報をどういった形で関係者の方々に提供していくか。二点目、遺族特定に向けた地元での説明の在り方。三点目、祭祀承継者の特定方法について、遺族の中でどなたが祭祀承継者に当たるのかということ、また、祭祀承継者がわかった場合にその方と遺骨の血縁関係をどうやって確認していくか、これまでの議論でもあったDNA鑑定のあり方なども含めて検討する必要がある。四点目、係争中事案、訴訟との関連について、注意を払う必要がある。
 次に、その他の諸論点については、地域のアイヌ関係団体の方への返還の可能性、各地のアイヌの方々への説明、大学以外の機関に保管されている御遺骨などについても検討する必要がある。
文部科学省の調査では、個体ごとに特定できなかった遺骨が非常に多いと感じた。例えば、最少個体数も特定していない、分類が不十分である、あるいは特定する能力のある人がいないなどの理由で特定できない遺骨が随分あるのではないかと思うので、個体ごとに特定するための努力についても留意すべきである。
○ 遺骨としては、最終的に土に返ることが一番の幸せだと思うが、集約される遺骨は、ずっと土に入ることはないのか。
○ これまでの議論の中では、大学において返還できなかった、あるいは返還の見通しが立たない御遺骨は慰霊施設に移管するが、返還の可能性が残っている以上は、当面、返還しうる状態のまま慰霊施設でお預かりすることとしている。ただし、ある時点で最終的な取扱いを決める必要があり、土に返すことも選択肢の一つとなりうると考えられる。
アイヌだからこれだけでいいということではなく、同じ人として考えていただきたい。そのことを重点に置いた納骨施設のあり方が必要であるので、きちんとした慰霊ができる施設と精神的なものが大切にされる広場をお願いする。
アイヌの遺骨については、最終的にアイヌの人々に最も不利益にならない形で解決することが一番大切だと考える。その場合、土に返すのがよいのか、長期的な視点で考えることが必要であると思う。[「歴史研究」に供したい人の未練が滲み出ているようにも読める。]

アイヌの人々の希望に沿うためには、アイヌの多くの方々の御意向をどう確認するかという問題があるので、それについてはアイヌ民族側の御努力をお願いすることになると思う。
アイヌが言ったからではなく、アイヌも日本人も変わりなく人として慰霊していただきたい。敬意を尽くしている施設が東京にもあるように、きちんと人として慰霊するためには、その人達に敬意を表して、歴史に対して手を合わすことができるような形をお願いする。[東京の施設? もしかして、自衛官合祀訴訟もあった、あの「施設」? いや、千鳥ヶ淵戦没者墓苑か? それとも、国立博物館とか? 「施設」は何と読むのか、ルビをふってもらわねば困るな。いずれにしても、この発言はパンドラの箱を開けた感じだが、相当に手を加えられている感じでもある。]
○ 人としての尊厳という観点で施策を進めることは当然であり、その上で、アイヌ政策として進めていく以上は、アイヌ固有の伝統や慣習を活かした慰霊も含めて検討する必要がある。
(pp. 3-4)

 最後に、オチがついている感じだ。発言の詳細が削られている感じがするが、この方、会議室を間違えて座っていたのでは?
 貼り込みはしていないが、サハリンの遺骨は、今後、国際的遺骨返還の対象としても大いに関心と注目を集めることになるだろう。

転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/07/18/234316

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