AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

植民地科学の実験材料にされたカナダ先住民族

 1週間ほど前、カナダのCBC Radioがショッキングなニュースを流していた。その後もいくつかの主要メディアがこの問題を取り上げ、先住民族社会の反応を報じている。カナダ連邦政府先住民族政策や寄宿学校の問題に関する歴史の真相追究の動きとも重なって、この事件は今後、アメリカも含めて北米先住民族社会でさらに波紋を呼ぶものと思われる。アイヌ社会の関心事とも決して無関係ではないだろう。

 何も知らされずにいて、大人になってから、自分が子どもの頃に生命医学の実験材料に使われていたかもしれないということを知ったとき、どういう気持ちになるのだろうか。ひとまず、今年の5月に刊行された論文の概要を訳出する。

1942年から1952年の間にカナダの栄養学の指導的専門家たちの一部が、連邦政府のさまざまな省と協力して、前代未聞の一連の栄養学研究を先住民族コミュニティと寄宿学校で行った。これらの研究のうち最も野心的で、恐らく最も良く知られているのは、アタワピスカット ネーション[ハンガーストライキを行ったスペンス首長の記事に登場――D. X.注]とルパーツ ハウス クリー ファースト ネーションに対する1947-48年のジェームズ湾調査であった。それよりは知られていないものとして、2つの長期間にわたる別々の研究がある。これらには、マニトバ州北部と後に6つのインディアン寄宿学校で栄養不良の先住民に対して、被験者のインフォームドコンセントも実験に対する知識もないと思われる状態で行なわれた対照実験までも含まれている。本論文は、一部には、カナダ政府による搾取と怠慢のあまり考察されてこなかった出来事の物語的記録を提供する目的で、これらの研究と実験の探求を行う。本論文は同時に、先住民族の生活を統治するより広範な連邦政策、栄養科学に関して変動するカナダのコンセンサス、そして、とりわけ実験研究倫理に関するニュルンベルグ綱領の確立をもたらした時代における人間に対する生命医学実験に関する態度変容という文脈の中にこれらの研究を位置付ける。

 こちらは、CBC Radioのインタビュー⇒http://www.cbc.ca/asithappens/popupaudio.html?clipIds=2397249948,2397252497


P.S.:
 25日(木)にカナダの7都市で集会が予定されている。他の同じような研究に関するすべての文書を公表せよと連邦政府に要求。
http://www.cbc.ca/news/politics/story/2013/07/24/pol-cp-aboriginal-nutrition-experiments-rallies.html

転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/07/25/010138

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