AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

9大学に減少!?

 北海道アイヌ協会のイチャルパに合わせた記事だろうが、朝日新聞(8月3日)が「アイヌ遺骨、研究の犠牲 9大学が1635体保管、返還進まず」という記事を掲載している。http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201308020602.html?ref=nmail_20130803mo&ref=pcviewpage

 大きな扱いにしては、これまで以上に新しかったり、深く掘り下げた内容はほとんどない。今時の新聞は、こうした場合に備えてファイルしている過去の記事からコピペして記事を書くだけなのだろう。(私は1日に数本の記事だけ無料で読めるのだが、朝日は一般的には記事全体を無料で読めないから、上のURLからは冒頭ページの数行だけしか読めないことをお断りしておく。)

 二つだけ「新しい」ことが書かれてあった。一つは、北大の現役の総長が初めてイチャルパに参列したということ。そして、「今後もできる限り努力し、ご遺骨の管理を厳正に行う所存です」と述べたらしいこと。(強調は追加。)

 もう一つは、大学の数である。ずっとフォローしている読者は、大学の数は11と記憶しているであろう。記事のタイトルを見て、「なぜ9大学?」と思ったに違いない。理由は、「新潟大と天理大[が]、骨の一部を保管していた」だけということのようである。2大学減らしたのは、この担当記者の独断によるものだろうか。「骨の一部」だったら、「遺骨」にカウントされないのか? そもそも、なぜ新潟大と天理大にアイヌの「骨の一部」があるのだ? 各新聞社が遺骨問題を取り扱い始めてから、もうどのくらいの時間が経つのだ。その「なぜそこにあるの?」という疑問を、取材資源をもつ朝日の記者なら掘り下げて書いても良いのではないか?

 身元が特定できない遺骨について、政府は1カ所に安置することも視野に入れる。

 昨年7月に基本構想をまとめた「民族共生の象徴となる空間(象徴空間)」。アイヌ民族の歴史・文化を学び伝える「ナショナルセンター」と位置づける区域を、北海道白老町のポロト湖畔に整備するというものだ。アイヌ民族の世界観や自然観を学べるよう博物館や伝統的家屋群、工房、体験学習、文化交流の施設などを整える。

 そこに各大学が保管する遺骨のうち、子孫らへの返還のめどが立たないものを政府が主導して集め、「尊厳ある慰霊が可能となるよう配慮する」としている。

 このように書きながら、なぜ「1カ所に安置する」のか、「配慮」だけで「尊厳」が可能となるのか、等々、執筆した記者には何の疑問も生じないのだろうか。

 デジタル版に動画があるらしいが、お金を払ってまで見たいとも思えない。

転載元=http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/08/04/013142

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