AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

札幌医科大学との「覚書」から7周年

 2つ前の記事で、札幌医科大学に保管されているアイヌ遺骨のイチャルパの新聞報道を取り上げたが、今日(10日)は、「札幌医科大学保管のアイヌ人骨の受入・管理・返還等についての覚書」が北海道ウタリ協会(当時)と同大学との間で交わされてからちょうど7周年目にあたる。また、イチャルパは、この年に第1回が開催されており、この時だけが日本人類学会主催であり、第2回からは北海道ウタリ/アイヌ協会が主催している。

 遺骨の数の多さや訴訟となっていることなどによって北海道大学が「遺骨問題」の矢面に立っているわけだが、札幌医科大学は、アイヌ政策有識者懇談会における次の発言からも窺えるように、日本人類学会と北海道アイヌ協会から「モデルケース」とされているようである。しかし、北海道大学の訴訟対応は、ついに「パンドラの箱」を開けてしまったようである。札幌医科大学における取り組みが実際に「モデルケース」であり得るのか、この「覚書」は現状況においてどのような意味合いをもっているのか、等々、考察してみるのも面白いだろう。

札幌医科大学のイチャルパ、供養祭と言いますが、遺骨の返還、更にはDNAのレベルでのアイヌ古人骨による研究申し入れについての話し合いなど、取組は進めてきているところです。これらの取組は、不当な方法で収集されたアイヌの人骨の返還などに関わる先住民族の権利に関する国連宣言第12条の具体的な取組でもあると思っています。この取組の更なる推進と、東大や京大などの国内外の大学他に分散し、保管されているアイヌの人骨について、先住民族の先祖の尊厳回復と今後の研究、アイヌ文化、歴史の理解促進、啓発の意味合いを込めて、象徴的な施設を早急に国民の理解を得て国の責任のもとに設置していただければありがたいと思っています。

参考記事:札医大での先祖供養とアイヌ協会見解

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