AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

「国会決議から10年の節目」に

 何事も10年というのが一つの節目となるようで、本や論文にも「10年後」という言葉が入ったものがたくさんある。昔読んだ人種差別関係の本を探していたら、米政府の環境保護庁が水俣病に関するこういう研究報告書を今年の7月に刊行している。

 ところで、国会決議から10年経って、空っぽの「慰霊施設」がアイヌ文化信仰政策の唯一の「目玉」となる成果だとしたら、何とも寂しい限りだろう。

高橋知事は15日午前、北海道アイヌ協会の加藤忠理事長や戸田安彦白老町長らと首相官邸を訪問。高橋知事は会談で、慰霊施設については、アイヌ民族先住民族とする国会決議から10年の節目となる18年に開設するよう求めた。菅官房長官は15日の記者会見で、「前倒しについては、政府として全面的に協力すると申し上げた。アイヌ精神文化を尊重する意味で、慰霊施設は極めて大事であると考えている」と述べた。
読売新聞(2013年10月16日)http://blog.goo.ne.jp/ivelove/e/64a60858e3c84636af8e73cd2a1c630d

 自公政権が圧倒的な多数を占めている間に急げ!ということなのだろう。加藤理事長は、民主党政権になった時、自民党は何もしてくれなかったという旨の発言をしていたから、民主党政権がいつまで続くかも分からないうちからそういう危なっかしいことは言わない方が良いだろうと、確か、前のブログかどこかで書いておいた記憶があるのだが・・・。

 2018年に施設が出来たとしても、遺骨の移転がスムーズに行くとは限るまい。今のまま進めば、差し止め要求の訴訟が続出するかもしれない。



P.S.

 上の読売新聞の記事と比較されたし。

 本ブログの読者から、道新記事には重要な点が抜けていることに気がついたという知らせを戴いた。すなわち、道新記事には高橋知事が加藤理事長や白老町長と同行したことが書かれていないという点である。これが何を意味するのか、各自でお考え下さい。

 また、「一方で」以下は、どこで誰の声が「強かった」のか分からないほどに削られているという感じである。Cf. http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/10/05/002329 

 「国民の理解」への教育的配慮から、全文転載させて戴く。

アイヌ慰霊施設、2018年に前倒し 知事要望に菅氏意欲(10/16 00:06)

 高橋はるみ知事は15日、首相官邸菅義偉官房長官と会談し、北大など全国11大学に保管されているアイヌ民族の遺骨を安置し慰霊する施設の設置を、当初予定の2020年度から18年に前倒しするよう要望した。菅氏は会談後の記者会見で「できる限り要望に応え、前倒したい」と表明した。

 政府は慰霊施設や道内初の国立博物館などで構成するアイヌ文化振興の拠点「民族共生の象徴となる空間」(象徴空間)を20年度、胆振管内白老町ポロト湖畔に開設する方針。菅氏は20年7月の東京五輪前に設置したい考えを表明している。一方で、遺骨の取り扱いについては人道上の観点から、返還や集約をさらに急ぐべきだとの声が強かった。

北海道新聞10月16日朝刊掲載>http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/498158.html

 北海道新聞のオンラインサイトを訪問したついでに、18日の夕刊には、「『返還済み』アイヌ民族遺骨 5体まだ北大に 記録と番号が同一」という記事が掲載されている。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/498755.html

 これについては、既に次のブログで取り上げられているので、そちらを参照されたし。今日は眠いので省エネである。
http://pirikagento.jugem.jp/?eid=73
(あちこちに「現住」と出ているけど、「原住」と書いているのも見たことがある。どちらが正式名なのだろう?)
http://blogs.yahoo.co.jp/ennkuubutu_0413/37954313.html


P.S. #2(2013.10.23, 1:15):
 上記の北海道新聞記事(菅官房長官との面談)について、紙面では加藤理事長と白老町長も同席したことが書かれていたというお知らせが届いた。電子版の方がスペース的に制約は少ないのではないかと思うのだが、どうしてその部分が省略されていたのだろう。

転載元記事

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