AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

逆だったら?(つまり、駐米日本大使の場合は?)

 最近のニュースを見ながら、長い間51番目の州になると言われてきたナヴァホ ネーションより先に日本が51番目の州になるのではないか、なんて冗談を考えていたら、北海道アイヌ協会の加藤理事長がケネディ大使と会ってアイヌ民族の伝統衣装を贈呈するのだそうだ。
北海道新聞の記事⇒http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/507844.html

 民族衣装を着せたテディ ベアも一緒に贈ると喜ばれるのではないだろうか。前に書いたように、テディ ベアはセオドア(=テッド) ロゥズヴェルトの名に因んでいるのだし、アメリカでも大人気なのだから。もっとも、映画の「テッド」のようになっては困るかもしれないが。ケネディ大統領が選挙で勝利を収めた時は43歳だったのに対し、マッキンリー大統領の暗殺で「テッド」が大統領に就任した時は42歳で史上最年少の大統領。在任中にノーベル平和賞を受賞した3人の大統領のうちの一人でもある。もちろん、ケネディ大使を送り込んだオバマ大統領もそのうちの1人。なんとなく縁がありそうでは? ただ、ロゥズヴェルト大統領は、共和党の指導者だったな。本人は、「テディ」と呼ばれるのを嫌っていたそうである。

 贈呈予定の衣装は、道新記事の写真で見ると、すごく立派で高価そうな衣装みたいである。「米国にアイヌ民族のことを理解してもらう機会になれば」という目的のようだから、良いことでしょう。「1つの突破口」になって、民族衣装のファッションショーも開催してくれるかもしれない。
 ケネディ大使の退任後は、この衣装はどういう扱いになるのだろう。ケネディ大使個人への贈り物ではないはずである――今すぐには確認できないが、それは法的に問題があるはず。今また、ニューヨークのサザビーで先住アメリカ人の「衣装」がオークションにかけられて、ちょっとした騒ぎになっているが、100年後、200年後にこの衣装がオークション市場に出回ることがないように、スミソニアン協会の博物館のにでも入れてもらうと良かろう。
 思えば、せっかくの機会だったのだから、加藤理事長は、園遊会天皇陛下にも伝統衣装を贈呈すればよかったのに。(天皇陛下には○○を、なんていうメッセージが来るかな。)ケネディ大使には直筆の手紙を渡しても、「不敬罪にあたる」なんて言う人はいないだろう。でも、加藤理事長は、ケネディ大使に何をお願いするのだろう。日本政府にもっと圧力をかけて、「民族共生の空間」以外ちっとも進まない有識者懇談会の「提言」を進めさせるようにというようなことだろうか? とても興味が尽きない。

 それにしても、である。新しい駐米日本大使が着任してレセプションを開いた際に「民族の伝統衣装」を持って会いにきた先住アメリカ人の指導者は、歴史的にいるのだろうか。

(Revised: 2013.12.06, 14:20)


P.S. #1(2013.12.08, 0:55):

 北海道新聞(12月6日朝刊、電子版)に加藤理事長とケネディ大使との面会の記事が載っている。「ケネディ大使、アイヌ民族の歴史興味 北海道訪問にも意欲」(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/508519.html

 ある方から、「辛辣なコメント」をしても「バカバカしくなることでしょう」という意見を戴いたが、一言書かずにいられない。







 ということで、三言くらい書いて、20人くらいの人には読まれたみたいだが、やはりバカバカしくなって削除した。


P.S. #2(2013.12.08, 23:30):

"John F Kennedy 'Ask not'" posted by Kjeld17 @ http://youtu.be/JLdA1ikkoEc

And so, my fellow Americans, ask not what your country can do for you. Ask what you can do for your country.
My fellow citizens of the world, ask not what America will do for you, but what together we can do for the freedom of man."

 大学入学後、狭いキャンパスで昼休みに「英語を話す会」という英語好きが集まるサークルのスピーチ部門のリーダーが、毎日のように、身振り手振りを交えながら、ケネディ大統領のこの就任演説を暗唱していた。あたかも、「ススメ、ススメ、ヘイタイサン、ススメ」と諳んじるように。まだ、ベトナム戦争は終わってなかった。私は、そのサークルに誘われたが、入らなかった。
Cf. http://www.jfklibrary.org/JFK/JFK-in-History/Vietnam.aspx
(ロープライス=18,900円だって!! 書庫から探し出さねば!)

 12月8日――日本軍、真珠湾攻撃。ジョン レノンの命日。近頃は、どちらも知らない世代が増えている。
 夕方近く、NHKラジオでこの曲が流れていた。
"(Just Like) Starting Over - John Lennon" posted by Julio Santos @ http://youtu.be/fWWbu_RSh7Q

 歌詞の内容ともジョン レノンの願いともまったく異なるが、何もかもはじめからやり直そうと願っている人たちが今、この国の天下を取っている。

 そういえば、大学4年の時だったかな、某コンテストで"Imagine"という題名でスピーチをした京都辺りの学生が1ヶ月間のアメリカ研修留学を勝ち取ったことも思い出した。ケネディ大統領の"Ask not"演説ではなかった。

 加藤理事長は、どんな実のある話をケネディ大使とすることができたのだろう。――それは、外交上の秘密だから取材には応じられません、かな?


転載元=http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/12/06/002654