AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

ノースウェスタン大学、創設者のサンドクリーク虐殺への関わりを調査/アイヌ遺骨調査

 イリノイ州にあるノースウェスタン大学の「ネイティヴ アメリカン・先住民学生連合(Native American and Indigenous Student Alliance=NAISA)」の学生たちが大学の創設者の一人であるジョン エヴァンズが1864年にコロラド領総督(知事)であった際に起きたサンドクリークの虐殺への彼の関わりを調査するように大学に要請していた件で、同大学は、エヴァンズの歴史を調査する委員会を設立した。同大学がある地名は、エヴァンストン=エヴァンズの町(Evanston=Evans' town)である。
 調査委員会は、同大学教授会からの4人とイェール、イリノイアーカンソーの各大学からの3人の教授によって構成される。
 1864年、サンドクリークの一時的な村に滞在していたサザン シャイヤンとアラパホのインディアンを約700人の兵士が襲撃し、全米公園局(NPS)の記録では、165〜200人のインディアンが虐殺された。そのうち3分の2は、女性、子ども、高齢者であった。
 議会調査の後、エヴァンズは、総督を解任されている。NAISAによれば、同大学は、エヴァンズの歴史のこの部分を無視しており、虐殺の詳細が明るみに出た後も長く、大学の貢献者であり評議員であり続けた。
 学務担当副総長は、声明で次のように述べている。「2014年はサンドクリーク虐殺の150周年であり、本学の歴史の一部としてジョン エヴァンズについて私たちがどのように、そして何を報告し、さらに私たちが大学への彼の貢献を認知し続けるべきかどうか、どのようにそれを行うべきかを評価することは適切であります。サンドクリーク虐殺はノースウェスタン大学設立の13年後に起りましたが、私たちは、ジョン エヴァンズが領土総督であった時とその後における彼の大学との関係の性質を詳しく知りたいと考えています。」

 エヴァンズは、コロラドを通過する鉄道路線既得権益をもつ鉄道王であった。調査委員会は、「彼が領土総督時代に追求したその地の先住アメリカ人集団に関する政策や慣行の結果として彼が取得した富に起因するとし得る」資金援助をノースウェスタン大学エヴァンズから受けたかどうかを調査する。委員会は、2014年6月までに報告書を副総長に提出する予定である。

Rex W. Huppke, "Northwestern to probe founder's link to Indian massacre," The Chicago Tribune, (Feb. 21, 2013): http://www.chicagotribune.com/news/local/suburbs/evanston_skokie_morton_grove/ct-met-northwestern-evans-update-20130222,0,7902145.story

 この記事の下方に、アムネスティ インターナショナルのこの記事へのリンクがある⇒"Japan hangs three in first executions under ‘merciless’ Abe government"<http://www.amnesty.org/en/news/japan-hangs-three-first-executions-under-merciless-abe-government-2013-02-21

"The Sand Creek Massacre" posted by dvasicek at http://youtu.be/KFfYoUCh_vY


 下の5本は、2011年4月17日にデンバー市立図書館で行われたクレイグ バーグスガード スタジオ(Craig Bergsgaard Studios)主催の「血塗られたサンドクリークで学ばれた教訓(Lessons Learned at Bloody Sand Creek)」という題名のシンポジウムの様子。グレン モリス氏も登壇している。
 バーグスガード氏による「サンドクリーク虐殺の略史」⇒http://www.craigbergsgaard.com/2011/04/10/the-infamous-sand-creek-massacre-a-brief-history/

"Sand Creek Massacre Panel Discussion" posted by craigbergsgaard at http://youtu.be/TIhhfWYoV8Y

http://youtu.be/A0dz9lBSM2Q

http://youtu.be/wQaxaqzwTq4

http://youtu.be/V-EFZX3MA2o

http://youtu.be/wQaxaqzwTq4



 ところで、報告書と言えば、昨晩の記事で触れておいた文部科学省の遺骨調査報告であるが、こちらの記事(http://blog.goo.ne.jp/ivelove/e/a85d50a7b349d9e4ddaec551885f8f6c)によれば、「11大学で保管されていることが分かった」と22日の政策推進会議で報告されたらしい。
 この記事、「アイヌの子孫が遺骨の返還を求めていた」と、過去形になっている!
 「政府は4月にも開く次回会合で遺骨数など具体的な調査結果を示す」ということは、推進会議を招集したにもかかわらず、遺骨を保持している大学の数だけ報告したわけだ。11の大学名すら出されなかったのだろうか? 少しずつ小出しにして時間を稼ぐという官僚独特のやり方だが、何という念の入れようだろう。どこまでアイヌ民族だけでなく、国民を小バカにするつもりなのだ。調査も、それぞれの大学内の人間だけでやった調査であろうから、どの程度の信憑性があるのかも疑わしいものである。


◎追記(2013.02.26, 22:00):

 上記2月23日付の時事通信記事で「アイヌ政策推進会議」となっていたから「推進会議」と書いておいたのだが、内閣官房アイヌ総合政策室のサイトを今覗いたところ、「第10回政策推進作業部会」となっている(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/index.html)。一般国民どころか、大手メディアさえ混乱させる命名なのだ。それにしても、やはり他の主要紙は何も報じていないようである。
会議名について⇒http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20110904/1315063608 http://d.hatena.ne.jp/Don_Xuixote/20120115/1326636655

 議事の第3項には「『民族共生の象徴となる空間』に係る検討状況等について」、第4項には「大学等に保管されているアイヌ人骨について」とある。「集約」予定の遺骨の状況がわからないままに、先に「空間」について論じ合ったのだろうか。それを見越しての議題の順序設定だったということか。

 「アイヌ代表」も含めて部会メンバーは、文部科学省調査報告の内容は知らされたが、緘口令が敷かれているということなのだろうか。外に出すなというのなら、それもよかろう。だが、「代表」として参加しているのなら、自らが「代表」している人々に知らせて議論しているのだろうか。わざわざ東京まで詣でて――関東在住のメンバーもいるが――質問一つしなかったのだろうか、あるいは、もっとありそうなことだが、させてもらえなかったのだろうか。そうであれば、この作業部会は、一体何なのだ!?
 これまでにも増して、議事概要の公開が楽しみである。皆さん、大いに注目しましょう。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/20130224/1361634664

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