AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

「スポケーン インディアンズ(Spokane Indians)」

 1つ前と2つ前の記事の続きである。

 読者は、「スポケーン インディアンズ(Spokane Indians)」をご存知だろうか。こちらのサイト(http://www.milb.com/index.jsp?sid=t486)を訪れて、「あれ?」と思われるかもしれない。そう、「スポケーン インディアンズ」とは、元日本ハム ファイターズのダルビッシュ投手が所属するテキサス レンジャーズ傘下で、クラスA北西部リーグに属するプロ野球チームの名前である。大リーグ情報に詳しい栗山監督は、多分ご存知だろうと思う。

 一方、実際にスポケーン インディアン トライブ(Spokane Tribe of Indians)も存在する(http://www.spokanetribe.com/)。人口は、3,000人弱である。以下、便宜上、野球チームの方をSI、実際のインディアンズの方をSTIと略記する。スポケーンは、米国ワシントン州東部にある市の名前である。

 SIは今月9日のホームページ記事で、2014年シーズンにホームゲームで着用する新しいユニホームを発表した。このユニホームは、サリッシュ インディアン言語のロゴと「スポケーン」を同言語で表わす"Spoaqin"の文字を胸に使用している。
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 これは、SIとSTIの協働によって実現した。2006年、両者は、SIのロゴ変更に当たって、地元の先住民族文化の表象を用いることに関して相互尊重の形で合意に達した。この種の協働としては史上初のことであった。SIの新イメージでの売り込み戦略において、サリッシュ語バージョンのロゴが創られ、以来、ユニホームの肩に刺繍されている。大リーグとマイナーリーグのチームを専門としているブランディオス社(Brandiose⇒http://www.brandiose.com/)が、デザインを主導した。そして、これを一歩進めて、2014年シーズンから""Spoaqin"の文字を胸に記すユニホームを着用するわけである。
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 SIは、6月13日のオープニング ナイト花火大会を皮切りに、シーズンを通して選択した試合でサリッシュ語名のユニホームを着用する。そしてシーズン終了時に、SIの各選手がサインをしてオークションで売られる。売り上げの収益は、STIのユース(若者)プログラムの促進に充てられる。コンサドーレ札幌北海道日本ハム ファイターズもやるとよい。栗山監督、いかがですか? だが、どこが受け取るのかな? きちんとした取り決めがなされているのだろうか?)

http://www.milb.com/news/article.jsp?ymd=20140109&content_id=66428752&fext=.jsp&vkey=news_t486&sid=t486

 ワシントン レッドスキンズのオーナーがチーム名の変更を頑固に拒んでいるという背景もあって、SIの試みに対して、ICTMN紙も昨年末に「2つの誇らしき遺産の真のパートナーシップ」と評価するコラムを掲載していた。

 SIの所有会社は、スポケーン チーフス(Spokane Chiefs)というホッケーチームを所有するブレット スポーツ アンド エンターテインメント(Brett Sports and Entertainment)社である。同社の共同オーナーで、2012年にワシントン州議会上院に選出されたアンディ ビリング氏は、「地元のトライブに敬意を表す最善の方法」かつ「野球チームとしての使命の言明」は、「先住アメリカ人の形象をいかなるものもチームの運営で決して用いない」ということであったと述べている。同チームは、「先住アメリカ人のマスコットも、歌も、その他の軽蔑的な表象」も使用していない。この土台の上に、新しいユニホームは、STIの成員に高い誇りをもって迎えられたとのことである。

 STIの副議長、キャロル エヴァンズさんは、「完璧な取り決めではないが、尊重の上に成り立っている。それがスタートだ」と言っている。そして、「権利によって、彼らは最初に私たちのところへやって来て、名前を使用する許可を求めるべきだった。私たちは、敬意を表する集団であり、あなたたちを歓迎したいと思うだろう」とも。

Rodney Harwood, "Spokane Indians Take Historic Step With Logo in Salish Language," ICTMN, Dec. 27, 2013.
http://indiancountrytodaymedianetwork.com/2013/12/27/spokane-indians-take-historic-step-logo-salish-language-152874


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/01/26/001344

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