AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

第14回「政策推進作業部会」

 第13回部会の議事概要が早めに出たと思っていたら、28日に次の会合があったらしいと、その日に聞いていた。
 今日送って戴いた翌3月1日の朝日新聞(北海道版)の記事によれば、北海道アイヌ協会の代表者も「象徴空間における博物館でこういった調査研究を行うことは義務だと思う」という意見と似たりよったりのこと――遺骨の「研究は積極的に進めるべきだとの意見」――を述べたと、常本照樹氏が取材に対して代弁している。
 
 今朝方、この問題のある不幸な帰結の夢を見ていた。これについては、煽動したと思われたくないので、ここには書かない。夢が当たるかどうか、ごく親しい人だけにはお話して、証人になっていただこう。


P.S. (2014.03.03, 23:00):
 朝日新聞の「研究継続を/慰霊施設に集約を アイヌ民族遺骨問題 政策推進部会で議論」という記事について、若干のコメントを記しておきたい。
 例の如く、この会合の議事概要はほぼ1ヶ月先にしか公表されないから、「天下の朝日」の記事が伝える会議の雰囲気は重要な意味をもっている。
 冒頭で、部会で出されたという2つの意見が次のように紹介されている。
・「遺骨を元にしたアイヌ民族の人類学的な調査・研究は続けるべきだ」
・「返還の努力とともに・・・『民族共生の象徴となる空間』・・・の慰霊施設に遺骨の集約を進めるべきだ」
 この2つの意見は、必ずしも対立するものではなく、以前から何度も出てきているものである。他に選択肢の提言や異論はなかったのか? この冒頭の段落は、「意見が出たという」という、泉記者自身が確認した内容ではなく、誰か(恐らく後で出てくる常本教授であろう)から伝聞した内容である。
 次の段落で「象徴空間の基本構想」を紹介しているが、「研究」については触れられていない。しかし、「基本構想」の中に「研究」のことは出てなかったのか?
 いずれにしても、全体が常本教授からの聞き書きから成っており、何ら新しいことは出ていない。

 ところで、上にも引用したが、もう少し長く引用すると、「この日の部会では北海道アイヌ協会の委員[←具体的に明示せよと毎回言っているのだが]から、アイヌ民族のルーツを明らかにするための研究は積極的に進めるべきだとの意見が出された」とのことである。北海道アイヌ協会は「民族にとって意味のある研究」とみなしているとのことであるが、前にも書いたことがあるが、北大や他の研究機関が返還が難しいという理由に挙げていることと同じ理由で、遺骨の遺族全体を代表する立場にはない北海道アイヌ協会がすべての遺骨を1カ所に集約せよ、研究に利用することを認めると言ったところで、それが法的な意味をもつわけではないこと、そしてこのまま事が進められれば、北海道アイヌ協会にとって破滅的な事態につながりかねないことは、常本教授をはじめ、政府の官僚や他の知識エリートたちは重々承知のことであろう。もっとも、同協会が利用可能な間は、官房長官が言ったように、政府が守ってくれるだろうが。

 いずれにしても、この問題はデッドロック状態である。最初にボタンを掛け違えていて屁理屈を捏ね繰り回しているから、どうにもならない。


P.S. #2 (2014.03.03, 23:30):
 「先住民族」政策の「扇の要」としてそんなに「象徴空間」が大切で、欲しいものなら、北海道アイヌ協会は、五輪開催に合わせてなどとダシに使われるより、「世界の先住民族の第2次国際10年」の最後の年で、「先住民族に関する世界会議」が開催される今年に合わせて造れと、どうして言って来なかったのだろうか。そうすると今の「政策推進」のボロが出るから、それに、国連の動向や権利主張とリンクさせてはならないと「パッケージディール」の考案者たちから言われているのだろうね。


P.S. #3 (2014.03.06):

政策推進作業部会(第14回)議事次第
平成26年2月28日(金) 14:00~16:00
中央合同庁舎第4号館1214特別会議室


1. 開 会
2. 議 事
(1)「民族共生の象徴となる空間」の整備及び管理運営の基本方針について
(2)「北海道外アイヌの生活実態調査」を踏まえた全国的見地からの施策の進捗状況について
(3)その他
3. 閉 会
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai14/gijisidai.pdf


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/03/03/145650