AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

次は「民族共生の賭博空間」建設か

 ・・・国のアイヌ政策推進会議委員で道内に10の宿泊施設を展開する鶴雅グループ社長の大西雅之氏が「アイヌ文化を活用したまちづくり」をテーマに講演した。
(略)
 さらに「アイヌブランドを全道各地から発信していこう。その核になるのが象徴空間が開設される白老。そして各地域のアイヌ文化の発信を同時に行わなければならない」と述べた。カジノを含む統合型リゾート(IR)についても言及し「先住民のためのIRはどうあるべきか、白老と釧路が一緒に研究を進めることを提案したい」と提言した。
http://blog.goo.ne.jp/ivelove/e/146cc5a2fe18c957719747c0bd80b3a0

 政策推進会議や作業部会のアイヌのメンバーも同じ考えなのかな? 収益の配分比率は? 誰が配分方法を決定する? 「主権」なきアイヌのカジノ経営? 「先住民のための」!!
 

 ギャンブリング(gambling)に対する全国政策の検討に関する諮問委員会(CRNPTG)の最終報告書が公表された1976年には、アメリカではまだネヴァダ州の外にカジノは存在していなかった。その後、この光景は劇的に変化し、「ギャンブリング」ではなく「ゲーミング(gaming)」と婉曲的に呼ばれる合法的賭博施設は・・・。
(略)
レーガン政権は、連邦政府とトライブとの「政府対政府」関係の存在を認めていたが、インディアン問題に関する35億ドルの予算のうち10億ドルを削減した。職業訓練施策の終結や住宅用資金の削減の結果、連邦政府に財政的に依存していたトライブは破壊的な影響を被った。予算削減を部分的に相殺する方法として、レーガン政権はインディアン トライブに賭博分野への参入を奨励した。以後、賭博に参入するインディアン トライブは急激に増加し・・・。

 乞うご期待。

私の分野の「業界用語」では、IRはInternational Relationsである。「先住民のための国際関係論はどうあるべきか」の方が面白い。

P.S.:アメリカでは、保留地外のカジノ経営に関連してインディアン トライブの主権に関わる最高裁判決が週明けにも出されるのではないかと、インディアン社会や法曹界、そして研究者たちが注目して待っている。

 上で講演している方は、以前、こちらにも登場していたことを紹介したことがある。http://hoppojournal.sapolog.com/e388720.html


P.S. #2(2014.05.04, 23:40):
 テーマパークとホテルとカジノリゾートの結び付きは、「象徴空間」構想が出た当初から予期できたことである。遺骨を各地域に返還して小さな慰霊施設を造ることができない理由の一端が、ここにあるような気もする。

 地元には、カジノは経済成長をもたらし、雇用を生むと売り込む。そして、カジノリゾートの中でアイヌの歌と踊りを披露し、アイヌ文化を日本だけでなく世界からの観光客に知ってもらうのだとも宣伝する。「イランカラプテ」キャンペーンの参加企業と一緒になって、某大学某プログラムの卒業生を優先的に雇用しますと言えば、民間企業のすることに「それはイケン」などという声も出ない。アイヌの「文化復興」に何かしたいと思っている人たちは、強く賛成しなくとも、「アイヌ文化振興」という言葉を出されると、「反アイヌ」のレッテルを貼られたくないから反対できないで「レリゴー、レリゴー(Let it go)」と大声で歌って目を瞑るのだろう。


P.S. #3(2014.05.07, 14:45):
 いちいち注釈が必要とも思わないが、上のP.S. #2は、あくまでも、現在の政策推進会議/作業部会の流れからの皮肉を込めた推測である。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/05/04/010251