AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

カジノ建設で肥満児が減った!?

 北海道の白老と釧路にカジノリゾートをという話題が出たついでに、連休中に暇な読者のために、一部分だけ特別先行プレビューということで取り上げよう。

 今年の3月4日にJAMA(『アメリカ医学協会ジャーナル』)で詳細が発表された真面目な研究報告である。
 カジノを開業するか、既にあるカジノを拡張したカリフォルニア州のインディアン保留地では、インディアンの収入は増え、肥満児の割合が減少したというのである。
 同研究報告の著者は、カジノと肥満児減少の因果関係にはさらに調査が必要としながらも、カジノによって家族収入が増加することで、健康的な食品を買うことが前より容易となったり、余暇活動に従事しやすくなるからであろうと、開業後の経済的資源の増加が要因であると推論している。家族の増収に加えて、カジノは社会全般に資金の流入をもたらし、それによってトライブがレクリエーション センター、公園、運動場、コミュニティ センターなど、より健康的なライフスタイルを推進することができる社会資源の購入を可能としているからかもしれないとも。
 研究者たちは、病気の予防のためにコミュニテイに投資することの利点に光を当てようとしたということで、資源の注入が貧困と若者の健康リスクの減少と結びついていると結論した。
 「国際的動向と対照的に、最も貧困が深刻な郡に住むアメリカ人は、もっとも肥満になりやすい人々である」と、2011年11月のDiabetes(『糖尿病』)誌の先行研究もまた、アメリカにおける貧困と肥満の関係を示していた。

 「白老と釧路が一緒に研究を進める」ときに、こんな話題も出てくるのだろうか。
 私は、カジノ推進論者ではない。念のため。


P.S.:もちろん、このような因子間の相関関係の研究は、インディアン トライブの住民が貧困と不健康な状態に陥ったり、保留地経済にカジノ経営を導入しなければならなくなった歴史的経緯にまで分析の範囲を広げることはしていない。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/05/05/002054