AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

インディアン カジノの「成功例」:マシャンタケット ピークォット トライブ

 ご本人は怒りで風邪を悪化させてしまったご様子であるが、北海道MY LOVEさんがせっかく紹介して下さっているので――「相次いで」出してもいないので――もう1本、他所に投稿予定だった草稿から抜き取って、週末の読み物用としてここに「廃棄」しておくことにする。
 もしアイヌの団体の中にカジノ構想に乗っかろうとしている団体があるのなら、その前に何が必要なのかを検討する材料にもなるのではないだろうか。

 インディアン トライブによる賭博の成功例として最もよく引き合いに出されるのが、コネティカット州の人口約350人のマシャンタケット ピークォット(Mashantucket Pequot=MP)トライブである。MPトライブは、北米で最も古くから継続的に居住されているインディアン保留地の一つである。


 MPトライブでは、ヨーロッパ人との接触の直前の17世紀初期には約8,000人が250平方マイルの土地に居住していたが、1636年~1638年の植民者とのピークォット戦争によって壊滅的な打撃を受けた。戦後にモヒガン トライブの支配下に置かれていた人々が、最終的に、マシャンタケット ピークォットとして知られるようになった。1774年の植民地調査では、トライブ人口は151人であったが、住民が職を求めて保留地を出て行ったため、19世紀初期には30人から40人となっていた。コネティカットに残っていた保留地の土地は、違法な土地売却によって、989エーカーから1856年までに213エーカーに縮小されていた。


 1970年代初期に、トライブの人々が土地基盤とコミュニティを復興し、経済的に自立して文化を再興するために保留地に戻り始めた。1970年代半ばまでにMPトライブは、違法に奪われた土地の返還を求める法廷闘争に加えて、一連の経済的な事業に取り組み始めた。1976年にMPトライブは、1856年のコネティカット州によって売却された土地を回復するために近隣の地主たちを訴え、7年後に、1856年の売買が違法であったことを認めた地主と和解に達したMPトライブは、地主とともに州政府の支援を求めた。州議会は、MPトライブを承認して土地請求を解決するように連邦政府に請願する決議を満場一致で採択した。1983年10月にMPインディアン土地請求解決法が制定されて、MPトライブは、初めて連邦政府によって主権の地位を承認され、9億ドルを勝ち取った土地を買い戻したMPトライブの現在の保留地は、1,250エーカーの広さがある。


 MPトライブは、土地請求訴訟の間にもさまざまな経済的事業を開始した。トライブは、1986年に2,100席のビンゴ施設を開業したが、1987年の「カリフォルニア州対カバゾン バンド」判決の後、1992年にフォックスウッズ(Foxwoods)ビンゴ・カジノ施設を開業して高額掛け金の賭博場経営を始めた。さらに、MPトライブは、1993年に州と協約を結んでスロットマシンを導入したが、この協約では、毎年の全スロット収益の25%または最低1億ドルを州に支払うことが約束されていた。その代わり、同州の他の地域でカジノを合法化した場合には協約が無効となるという、MPトライブにカジノ経営の独占権を認める取り決めでもあった。この協約で、州は1993-94財政年度に1億1,700万ドルを得た。この協約は、1994年4月にモヒガン トライブがカジノを開業する際に、MPトライブと州との独占的スロット収益協約を侵さない形で両トライブの間で改定交渉が成功裡に行われた。新たな協約は、各トライブがスロット収益の25%、または各トライブの1年間の支払いが8,000万ドルを下回る場合は30%を州に支払うことで合意された。


 1993年に連邦政府の承認10周年を記念してMP博物館・研究センターの起工式が執り行われ、新施設は1998年8月に開館した。


 MPトライブは、州の財政への貢献だけでなく、スペシャル オリンピック競技会やスミソニアン協会のアメリカ インディアン国立博物館建設費の一部、地元の野球場建設費の一部、学校や文化事業に、寄付を毎年行っている。こうした慈善事業への資金提供の他に、MPや他のトライブは、政党や選挙の立候補者の後援やインディアンにとって重要な政治課題での働きかけに賭博の収益を積極的に活用している。(注)
(注)省略。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/05/10/001000