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AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

第16回政策推進作業部会議事概要

 第16回作業部会での発言:

○ 今回の部会の取りまとめは、象徴空間に関するガバナンスにかかわる部分であり、ファイナンスは直接論点になっていないことに御留意いただきたい。

 それはナンセンスでもあることにご留意いただきたい。

 第16回作業部会議事概要:
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai16/gijigaiyou.pdf

P.S.
 「議事概要」の2ページ下方から6ページまでの「東京歯科大学名誉教授水口清氏より遺骨の返還に係るDNA鑑定について説明」と「主な質疑等」は、一読の価値あり。

 いくつか引用しておきたい箇所もあるが、それぞれ文書で読んで戴くことにして、結びの部分から1つだけ引用しておく。

アイヌの遺骨についてDNA鑑定の可能性を探るということに関しては、アイヌの方々がどこまで希望されているのか、そのために血縁関係等の情報をどこまで提供いただけるかということが重要であり、こうした情報がないとDNA鑑定の検討も進めることができないのではないか。
 また、鑑定を行う側としても、通り一遍のやり方で終わらせるのではなく、いろいろな方法を試行錯誤してきた結果が今につながっており、これは返還できた場合の遺族の喜びが鑑定人にとっての大きな糧となっていることも申し添えておきたい。

 特に前段部分は、何がなんでも「人骨」を研究対象として「アイヌ民族の苦難の歴史」を解明するなどと言っている人類学者の態度とは大きく異なるのではないか。やはりそこには遺骨(研究)を狙う欲というものがないからのように思える。

 説明を読みながら、次のような疑問が浮かんでいた。墓を掘り返して、アイヌの遺骨と思って持ち帰っていたのが、実は和人の遺骨であったということがあるかもしれない。また、血縁関係になくとも、遺族が養子でかつアイヌとして受け入れられて生活していた人の育ての親の遺骨の場合には、DNA鑑定では特定不能となって返還されないことになるのではないか。前者の疑問については、「主な質疑等」の中でも、「これは全部アイヌの遺骨だろうと信じているものが、アイヌではないものが入っている可能性もある」という発言で出されている。(もしこういうことが事実として出てきたら、やっと和人の無関心は少し変化するのだろうか。)

 「主な質疑等」の中から、あと2つ引用しておこう。

今回対象となる遺骨は、どのぐらいの大きさなのかという点がある。人が触っている可能性があれば、遺骨の表面を削るぐらいでは簡単に遺骨のDNAが採取できないので、大きい骨であることが必要。ただし、先ほども申し上げたように骨を用いて鑑定するのは削り方ひとつとっても細心の注意が必要であり、複数人で多検体の結果を検討する際にも統一した前提を整えるのが難しいため、かなり大変である。

壊さない方法もあるが、話しを伺っている範囲で推測すると、アイヌの遺骨の場合は、それではきっと足りないだろうと思う。

 遺骨の返還をDNA鑑定に頼る難しさが浮き彫りにされている発言でもあるが、これまでの会議で「人骨研究者」らしきメンバーが事も無げに「慰霊と研究」の両立の可能性を主張していた際の発言とは異なる印象を受けるのだが、どうであろう。
 この説明を聞いて、北海道アイヌ協会の理事長や副理事長たちは、遺骨を「研究」に差し出すという決定を再検討するためにリーダーシップを発揮するつもりはないのだろうか。


P.S. #2(2014.05.14, 23:00):
 今回の議事概要でも、最初の議題だけ、事務局からの説明が記録から隠されている。他はすべて、説明が掲載されている。

★第14回作業部会議事概要に、次のようなやり取りがある。

○ まず、大学において、頭骨や四肢骨がバラバラになっているかを調査し、象徴空間に遺骨を集約後は、爪の先1つまで遺骨を一体とすることこそまずやるべき研究であり、これが終わった段階で初めて人類学的な研究を行うことにするべきである。
○ 遺骨を一体にすることとアイヌ民族の起源などを知るために行う作業は、性別や年齢の特定や仮に行う場合におけるDNA鑑定なども同じ作業とになるので分けて考える必要はないのではないか。

 今回あらためて一体にすることの難しさについて読むと、この人は、本当にそれを優先的に行うのだろうかという疑念が湧く。

 振り返ったついでに、こういう発言もあった。

○ 遺骨を一体とするためにDNA鑑定が必要であれば行うべきである。この結果をきちんと残しておけば返還に役に立てることもできる。当然のことながら遺骨を一体化する場合、DNA鑑定に対する同意は難しい問題だが、アイヌの代表者の方々に同意していただき進めるべきである。

 前にも書いたと思うが、返還は厳密な祭祀承継者でなければならないとこの発言者と同じ会議室に座っている人たちが言ってきたこと。どうして、ここだけ「代表者」の同意で済むのだ?

 カジノの話題が出ているついでに、これも挙げておこう。

○ 関連区域と関係してくるが、河川法や漁業法、国有林野の利活用などの規制により今までも十分な活動ができていない。ナショナルセンターを作るのであればこれらの許認可についても考える必要がある。例えば北海道から特区申請してもらうようなことも一つの可能性としてあるのではないか。
○ 北海道からの特区申請について検討してもらえるとありがたい。

 よーく監視しておかないと、いつの間にか、特区でカジノ経営をとなるかもしれませんよ、北海道の皆さん。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/05/14/004100