AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

第17回「政策推進作業部会」議事概要――「アイヌ カジノ」の研究を提案!

 標題の議事概要が公開されていることを読者が教えて下さった。⇒http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai17/gijigaiyou.pdf

 「日本型IRの推進」が議論されてもいる。読者は、直前の記事がそれに対する反応だと解釈してくれていたが、真実はさにあらず。

 8日の室蘭民報に「象徴空間整備で農水副大臣が白老・ポロト湖畔を視察」(http://blog.goo.ne.jp/ivelove/e/4b8f8735d234d789982e5e9106cb9e0c)という記事が出ていたが、こういう政治家の「視察」をお膳立てするのが誰なのか、その政治的機能は何なのか、直前記事の2本目の映画を見ると良く分かるだろうが、日本語版にする資源がないのが残念である。

 いずれにしても、「アイヌ政策」の名の下に、より大きな利害勢力が蠢いているかのようである。マスメディアは、テディ ベアに民族衣装を着せるとか、博物館がバッジを配るとか、その他の「イランカラプテ」キャンペーン便乗(http://don-xuixote.hatenablog.com/entry/2014/05/28/135421)の記事ばかり載せてないで――こういうのは、大リーグの誰それが今日はヒットを1本打ちましたというようなニュースと大差ないだろう――取材資源を生かしてもう少し深い部分の報道ができないものだろうか。「アイヌ政策推進」に関して、いわゆる"investigative report"という記事を読んでみたいものである。


P.S. 「次は『民族共生の賭博空間』建設か」と予告したのが5月4日未明(http://don-xuixote.hatenablog.com/entry/2014/05/04/010251)。振り返ってみると、その後、14日のこの作業部会の開催までに8本のカジノ関係の記事を投稿している。14日にそういう話題が出ることなど微塵も知らなかったわけで、我ながら、勘の良さに驚いた(笑)。作業部会メンバーは、読んで予習してくれていただろうか。しかし、読んでいたら、「感動させていただいた」なんて言わないだろうな。
 いずれにしても、具体的に出てきたな、という感じである。これは、前後の文脈から考えても、大西氏の発言であろう。

日本版IRの解禁に向けた動きの中でアイヌ民族として議論を深めていくこと。アメリカのインディアンカジノは、先住民族の主要な経済基盤となっており、雇用の受け皿にもなっている。負の部分も含めて十分に検討しつつ、前向きにアイヌ民族のためとなる仕組みづくりを検討するべきであると考える。(p. 3)

そして、ある方面の活動グループの取り込みも計画に入っている。

国民的な理解の促進のためには世界的な認知も不可欠であり、先住民族サミットなどの継続的な開催など世界の先住民族とのネットワーク強化も同時に進めていく必要がある。

「イランカラプテ」キャンペーンについてであるが、こちらもリーチング アウトして――手を差し伸べて――いるよ。本田氏の発言であろう。

また、このことをアイヌ文化にこれまで深く関わってきた層に対しても発信することも大切。誰もアイヌ文化に見向きもしなかった頃から、ずっと関わってこられた非常に志が高い方々であるが、実はこのキャンペーンに対して懐疑的な思いを持っている方もいるかと思う。あわせて、この方々が担っている地道な研究や活動に対する理解やサポートも必要ではないかと思う。(p. 3)

 さて、肝心要のアイヌ民族は、カジノを早急に研究すべきという案にどう反応するだろうか。

日本型IRについては、日本の民族政策がまだ十分に熟していない中において、こういったものをつくることによって、逆に反発されることはないのかという懸念がある。加えて、どうしてもカジノはマイナスイメージが大きく、アメリカなどでもトライブによってはだめになってしまったという例もある。美しいイメージだけではなく、マイナス点を克服するような具体的な提案もあれば、抵抗感も緩和されていくのではないかと思う。
○ IRについては当然いろいろなマイナスの心配もあるが、文化や地域の活性化を進めるにあたって、どうしても財源が不足するという現状の中で、地域において様々な主体が多くの議論を重ねている。IRについて頭から否定するのではなく、国の政策として動き出そうとしている中において、まずは、世界のいろいろな事例も研究しながら、アイヌ民族自身もしっかり研究する必要があるのではないかと考えている。
(p. 4)

○ 我々は、地元に帰ると、生活の問題、お年寄りの問題、健康問題、いろいろなことを言われ、提言のような内容を議論する場がなかなか無いため本当に参考になった。インディアンは、カジノをつくって成功した所もあれば、失敗した所もある。また、そこで借金を抱えて大変であるという事例も聞いており、さきほどの懸念についてはそのとおりだと思うが、2つの提言を伺って非常に感動させていただいた。[そんなに簡単に感動されても困りますな。生活、お年寄り、健康の問題より優先するの?]
○ 日本型IRについて念頭に置いているのはラスベガスやマカオではなく、例えばバーデン・バーデンのようなもの。ここはパリからいろいろな芸術を集め、建物も本当に美しく、そこが社交場にもなっている。そこでの楽しみはカジノだけでなく、例えば演劇の発表や音楽祭といったものもある。
また、アメリカの悪い例を真似るのではなく、アメリカでも立派に経済基盤の核になっているところも研究していく。
象徴空間が東京オリンピックパラリンピックを目途としているのと同様にIR法案についても短いサイクルで進んでいきそうな状況にあるので、民族全体のための教育資金づくりや経済基盤づくりなどに応用できないかということも含め、このタイミングでアイヌ民族においてもしっかりと研究してはどうかと考えたところ。
(pp. 4-5)

 ここから先は「アイヌ遺骨について」で、博物館などに保管されている遺骨の調査計画が取り上げられている。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/06/11/225934