AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

「アイヌ施設閣議決定『夢のよう』」(朝日新聞)

 朝日新聞のデジタル版が通常より長く、無料で読めるように公開している。⇒http://www.asahi.com/articles/ASG6F4JMGG6FIIPE00M.html

 「夢のよう」の引用が誰のものか、ログインして続きを読まないと分からない。しかし、そうするまでもなく、北海道アイヌ協会の加藤理事長の言ということは明白であろう。

 記事を送ってくれた読者曰く、「夢から覚めたのか、夢を見ているのか、ご自分でもよくわかっていないみたい」。確かに、先日は「深い眠りから覚めた気持ち」と仰っていたが、深く眠っている時はあまり夢は見ないから、あれからまたお休みになっていたのだろう。今は、夢現といった感じなのか。「世界で最も美しいカジノ」で「骨を転がす」光景も夢に出てきたのだろうか。それにしても、「閣議決定」の意義がこれほどまでに社会で問われているという時に、何とも・・・。

 デジタル版では読めないが、北海道新聞は、コメントを別の人のものと差し替えたみたいである。「閣議決定」に当たって、当事者組織の長のコメントを取っていないということはあるまい。


P.S.(2014.06.14, 22:50):
 以下は、朝日新聞の記事のログインしないと読めない段落である。「国民の理解」教育の目的で、かつ全文コピーではない(約25%)から許容してくれるだろう。しかし、たった1段落を、わざわざログインして読ませることもないだろうに――似たようなことを、先日、毎日新聞についても書いたな。

 閣議決定を受け、北海道アイヌ協会の加藤忠理事長(75)は「多民族共生の社会建設に向けて大きな一歩を踏み出した。夢のようでうれしい」と話した。白老町の戸田安彦町長は「閣議決定は政府が一丸となってこの政策に取り組むという証しであり、大きな前進。町の活性化にもつなげたい」と歓迎した。

 政府のアイヌ遺骨返還のガイドラインと先日の裁判の第5準備書面を読めば、遺骨返還訴訟がアイヌ「民族」の存亡がかかった歴史的な争点がくっきりしているのが分かるはず。裁判がそのように大きな意義を有しているということが明らかであるにもかかわらず、「民族」の代表を標榜しながら、その闘いを行っている同胞(ウタリ)を切り捨てて、せめて苦々しそうな顔ででも対応すればよいものを、「夢のようでうれしい」とは。期待に沿う発言は一を十に、その反対は十を一にして報じるマス メディアだが、あの方は実際に笑顔でそう言っているのだろう。
 加藤氏とアイヌ協会は、今後、「先住民族」ではなく、「民族的少数者」で押し通す方が賢明であろう。(このことは、ブログを始めた相当前に書いたことがあるが、どこに紛れ込んだのか見つけられなかった。)

P.S. #2
 北海道アイヌ協会は、1992年から2007年までの時間を何のために費やしたのだろうか。「閣議決定」の内容が「夢のよう」であれば、20年以上前から動くことができただろうに。⇒http://www.bekkoame.ne.jp/ro/jinken/jinken-db-08.htm

P.S. #3
 読売新聞が、阿部一司副理事長のコメントを伝えている。

「先住民[←読売の改変?]の政策に真剣に取り組んでもらい、とても感謝している。教育や雇用など全般的な対策も進めてもらえるよう求めたい」と話した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140613-OYT1T50110.html?from=ytop_ylist

 これ以外には何と話したのだろう。これだけしか言わなかったのかな?
 18日に、さっぽろ自由学校「遊」で「アイヌ協会の現在と今後」について講義するそうである。⇒http://pub.ne.jp/ORORON/?entry_id=5263221(最終段落)


P.S. #4(2014.06.16):

 「アイヌ協会の姿勢を『1992年から2007年まで』に限定して問うているのはなぜでしょうか」というご質問を戴きましたが、リンク先の資料を見て戴くと分かるように、1992年が「マイノリティの権利宣言」、2007年が「先住民族の権利宣言」の採択の年で、今推進されている程度の政策であれば、15年も前から要求できていたではないかという主旨です。


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/06/14/150729