AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

「民族共生の象徴となる 空間」の整備及び管理運営に関する基本方針(閣議決定本文)

アイヌ文化の復興等を促進するための「民族共生の象徴となる空間」の整備及び管理運営に関する基本方針について


平成26年6月13日 閣 議 決 定


 アイヌの人々は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族である。政府では、衆参両院による「アイヌ民族先住民族とすることを求める決議」(平成20年6月6日)及び「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」の報告書(平成21年7月29日 アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会決定)を踏まえ、内閣官房長官が座長を務めるアイヌ政策推進会議の下に、アイヌの人々の意見等を聴いて、アイヌ政策の推進を図っているところである。
 アイヌの人々が民族としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代へ継承していくことは、多様な価値観が共生し、活力ある社会を形成する共生社会を実現することに資するものであり、この観点からも施策を具体化する必要がある。
 このため、アイヌ政策推進会議の下で推進している施策の中核となる「民族共生の象徴となる空間」(以下「象徴空間」という。)の整備及び管理運営に関し、下記のとおり取り組むものとする。

                           記

1 象徴空間は、アイヌ文化の復興等に関するナショナルセンターとして、アイヌの歴史、文化等に関する国民各層の幅広い理解の促進の拠点並びに将来へ向けてアイヌ文化の継承及び新たなアイヌ文化の創造発展につなげるための拠点となるよう、北海道白老郡白老町に整備するものとする。

2 象徴空間は、次に掲げる役割を担うものとする。
(1)アイヌ文化の復興
アイヌの歴史、文化等に関する展示及び調査研究並びにアイヌ文化の伝承、そのための人材育成、体験交流、情報発信及び豊かな自然を活用した憩いの場の提供その他の取組を通じてアイヌ文化の復興に関する我が国における中核的な役割を担う。
(2)アイヌの人々の遺骨及びその副葬品の慰霊及び管理
先住民族にその遺骨を返還することが世界的な潮流となっていること並びにアイヌの人々の遺骨及び付随する副葬品(以下「遺骨等」という。)が過去に発掘及び収集され現在全国各地の大学において保管されていることに鑑み、関係者の理解及び協力の下で、象徴空間に遺骨等を集約し、アイヌの人々による尊厳ある慰霊の実現を図るとともに、アイヌの人々による受入体制が整うまでの間の適切な管理を行う役割を担う。

3 象徴空間は、次に掲げる区域及び施設で構成する。
(1) アイヌ文化の復興の中核となる国立のアイヌ文化博物館(仮称。以下同じ。)及び国立の民族共生公園(仮称。国が設置する公共空地をいう。以下同じ。)を設置する区域(以下「中核区域」という。)(中核区域は、北海道白老郡白老町若草町(ポロト湖畔周辺地域)に設定する。)
(2) 中核区域と連携してアイヌ文化の復興のための利活用を図るために別に定める関連区域
(3) 遺骨等の慰霊及び管理のための施設

4 象徴空間の一体的運営を図るため、アイヌの人々の主体的参画を確保しつつ、次の措置を講ずる。
(1) 象徴空間を総合的かつ一体的に管理運営するための基本計画及び中期事業計画の策定
(2) 象徴空間の中核区域の施設を一体的に運営し、アイヌ文化の伝承、人材育成活動、体験交流活動等の実施に当たる一の運営主体の指定
(3) 象徴空間全体の円滑な運営を図るため、関係者による運営協議会の設置

5 象徴空間は、アイヌ文化の復興等を図るとともに、国際観光や国際親善に寄与するため、平成32年(2020年)に開催される2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に合わせて一般公開するものとする。
 また、象徴空間における遺骨等の集約については、象徴空間の一般公開に先立ち、関係者の理解及び協力の下、できる限り早期に行うものとする。
 象徴空間並びに国立のアイヌ文化博物館及び国立の民族共生公園の正式名称は、一般公開までに関係者の意見も聴いて決定するものとする。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/pdf/260613kakugi.pdf


転載元:http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2014/06/16/001628