AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

「世界的な潮流」――先住民族への遺骨返還

 6月13日の閣議決定は、先住民族への遺骨返還を「世界的な潮流」と述べていた。「世界の潮流」とは、こういうことであろう。

 今年の9月22-23日の「先住民族に関する世界会議」で国連総会によって採択される「成果文書」の草案が公開されていて、現在、各国政府の間で交渉されている。その中に次の1項目が含まれている。「世界的な潮流」と認めたのだから、日本政府には後ろ向きな反対運動をしないでもらいたいものである。

私たち[=国連総会]は、儀式用具と人間の遺骸・遺骨へのアクセスおよびそれらの返還を含む、先住民族宗教的および文化的な場所に対する先住民族の権利を実行することを誓約する。私たちは、公平で透明でかつ効果的な仕組みが、当該先住民族と協同で確立されることを保証する。(拙訳)

 「先住民族の権利」をどのように「実行」に移すかは、それぞれの国内での闘いの課題となるであろうが、国連総会の「誓約」の中身は、当然ながら、支配的な国家の法制度の押し付けではなく、「先住民族の権利宣言」の全体を見渡して、その原則――すなわち、先住民族自身の「文化的伝統と慣習」(e.g.「権利宣言」第11・12条)――に則って実行されなければならない。各地の大学に「保管」されているアイヌ民族の遺骨を「象徴空間」の「慰霊と研究」施設に集約し、わずかに1%程度の「個人が特定されたアイヌ遺骨」の「祭祀承継者」への返還に固執するというやり方(⇒1つ前の記事)は、「世界的な潮流」に合致しているとは言えなくなるであろう。

 アイヌ遺骨返還請求訴訟の原告のみなさん、世界が味方です。


P.S.(2014.09.19):最新情報は、こちらの記事と追記に。

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