AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

遺骨返還ガイドライン vs. 遺骨研究ガイドライン

 北海道アイヌ協会が遺骨研究に関する公式見解を求められたとのことであるが(3つ前の投稿)、いくら同協会がお墨付きを与えたとしても、代表性の如何にかかわらず、「人骨研究者」が研究許可を得たことにはならない。

 政府や北海道大学は、「遺骨返還ガイドライン」において死者の利益を継承するのは祭祀承継者のみとしている。すなわち、祭祀承継者の判明する死者の遺骨だけ、その承継者に返還するとしている。

 遺骨の研究許可を誰が与えることができるのかは、係争中の遺骨返還訴訟の争点の裏面でもある。「人骨研究者」が「象徴空間」の遺骨集約施設において遺骨のDNA研究を行う場合、政府の「遺骨返還ガイドライン」の論理に拠れば、研究者たちは、北海道アイヌ協会の承諾を得たとしても、遺骨の祭祀承継者を特定して研究への同意を得なければ、死者の遺骨の研究を行うことはできないことになる。その意味で、何度も書いてきたように、政府や北大は「パンドラの箱」を開けてしまったのである。

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