AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

「アイヌは札幌の先住民族ではない by 金子やすゆき」(w/ P.S.)

 将来は分からないが、現在は札幌市議である金子やすゆき氏が、標題の投稿をご自身のホームページに掲載している(http://ykaneko.net/article/ainu-isnot-indigenious-people.html)。

1)「アイヌの人々は国連宣言に言う先住民族でないとの理解」を札幌市の市民生活部長と、つまり札幌市と共有したそうである。では、「国連宣言に言う先住民族」を彼はどう理解していて、アイヌはどういう「先住民族」だと言っているのであろうか。

2)「当時の官僚がアイヌ側の国会議員を立てつつ国益を守った苦労が文章から忍ばれます。」「アイヌの人々が国連宣言に言う先住民族であるかの判断を国は示していない。」
 確かに、当時の官房長官をはじめ、政府は、そうやって「先住民族」の二重基準を作ってきた。札幌市の生活部長は、そこのところを正直に説明しているようである。金子市議の見解は、そういう意味では政府の見解とそれほど離れていないようようにも見えるから仲良くやればよかろうにと思わなくもないのだが、先の「アイヌ民族はいない」という発言を加味すると、どういう「先住民族」としても存在を認めたくないようである。

3)「先住民族に関する国連宣言は危険だ」ということであるが、国連で「宣言」の作成が始まった頃には多くの政府からそういう反応が出ていた。しかし、1990年代前半には作業部会で草案が上がり、それ以後は、それに基づいて「宣言」の内容をどうするかが話し合われてきた。そして、2007年の採択は国連加盟国の圧倒的多数で行われ、日本政府も賛成し、そして反対していた4カ国も、その後次々と「宣言」の支持を表明してきた。つまり、「国連宣言は危険だ」という考えは、国際的には少なくとも20年程度古い発想であり、反応である。

4) 「先住民族の権利に関する国連宣言では、先住民族に資源や自治権をはじめとして様々な権利を与えることを定めています」とのことであるが、どこに「与える」と書いてあるのだろうか。同じく、「もしアイヌ国連宣言の先住民族となると、我が国の主権の一部を自称アイヌの人々に割譲するような事態になりかねません」とも書いているが、どのような「主権の一部」を想定しているのであろうか。


P.S.(2015.03.19):
 金子市議は、道新がライバルのように書いていたが、そもそも彼の発言問題を最初に記事にしたのは毎日新聞の若き女性記者ではなかったか? その後、毎日新聞はどうしたのだろう。関連記事を目にした記憶がないのだが・・・。

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