AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

「意見聴取」の謎

 巷では「なりすまし」という言葉が流行っているようである。そこまでとは言わないが、先の第19回政策推進会議で「意見聴取」に応じた日本考古学協会の「代表」が誰なのか、謎である。前に指摘したように、「議事概要」の出席者欄にも、概要の本文にも、どこにも名前は登場していない。そもそも、日本人類学会の「意見」にしろ(8つ前の記事のタイトルで皮肉ったように)、日本考古学協会のそれにしろ、会議で述べられているのが単に個人的な見解なのか、学会と考古学協会の機関決定に基づく見解なのか不明である。恐らく、前者であろうと推測する。

 一方で、しきりと北海道アイヌ協会だけが機関決定を示せと、しかも期限を切られて要求された。「大学における管理状況や研究内容及び収集の経緯について、我々には全く知らされていない中で回答せざるを得なかったこと」という一節を入れていることは、FPICではないという抵抗の意思表示とも受け取れる。もっとも、私は、現状でそうであると断定できる立場にはないが。

 第19回政策推進会議で意見を表明した2名(らしき)の人物は、正式に両学術団体を代表する見解を述べたのであろうか。そうでなければ、北海道アイヌ協会が迫られたように、両団体に期限を定めて、機関決定に基づく見解を提出するように要求してはいかがかな。盗掘された遺骨の扱いを巡って重大な局面に差し掛かっている今、過去・現在・未来の研究に直接的に関係している両団体の見解をしっかりと記録に残しておくことは重要なことではないか。特に、「手続き的民主主義」に凝り固まっている政府関係会議の中心的メンバーにとっては。

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