AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

遺骨・遺品の国際的返還

アメリカ合衆国は、窃盗、略奪、売買、その他の方法で取得された先住アメリカ人の遺骨および文化財の回復を援助することを誓約する。.... わが国は、各国が先住アメリカ人の文化財の回復と返還を妨げるいかなる国内法をも改正することを勧告する。わが国はまた、不正な移動の事例における文化財の回復と返還を促進する文化財の完全な記録作成を奨励する。


第14回(2015)国連PFIIにおけるアメリカ合衆国内務省次官補の声明の一部


P.S. 前から書いているように、先住民族の遺骨や遺品の国境を越えた返還運動は、今後ますます広がってくるであろう。先住民族の権利に関する国連宣言とWCIP成果文書の関連条項の履行を求める動きが着々と進みつつある。当然、日本の大学や博物館なども海外、特に旧植民地の先住民族から返還要求を突きつけられたり、交渉を求められることになるであろう。北海道アイヌ協会をはじめ、アイヌ民族の関係者も当然、海外にある文化遺品や存在すると言われている遺骨の返還を求めていくに違いない。その時に、遺骨を自然人類学者の研究に供与して「歴史の解明」をしたいから「象徴空間」に集約したいなどという理屈で欧州などの博物館を説得できるだろうか。アイヌの遺骨かどうかを確認するために分子人類学者を連れて行ってDNA鑑定を行いたいと説得するのだろうか。


P.S. #2(2015.06.10):過去の記事から。

 2007年5月11日にイギリスの自然史博物館で研究用に収蔵されていた17人分のタスマニア人の遺骨が返還される式典が行なわれた。しかし、この件では、博物館は、返還に合意後、実際に返還されるまでに予定を繰り上げて遺骨からDNAを採取してデータを収集してしまおうとしたことで法廷での争いが繰り広げられ、裁判に疲弊した双方が調停に合意して、ようやく返還に辿り着くことができたのである。事務弁護士が言うには、博物館は、一つの頭蓋骨から歯を何本か抜き取り、また骸骨を1体バラバラにしてしまったとのことである。

遺骨返還前のDNAサンプル採取


P.S.#3:ある団体の企画ページで、アイヌの「全国組織」について書かれてあることを読んだ。近頃は、アイヌの周りに「善良なシサム」が増えつつあるようである。良かったなーと思う。アイヌ総合政策室や政策推進会議のメンバーも、それに入るのだろうか。前には、こういうこともあった⇒「シ・サム」になった菅官房長官

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