AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

2本の「折れた矢」(+expanded P.S.)

P.S. #2:注意書きを忘れていた。某映画鑑賞友の会会員は、最初の動画をクリックして観てはいけません。来年の楽しみが減ります。<P.S.ココまで。>


ちょっと遊び心での悪戯。

"Broken Arrow (1950) James Stewart, Jeff Chandler, Debra Paget. Western" posted by ClassicFLIX @https://youtu.be/VOeQaX4kLec


1996年に機上で観た同名の映画があった。核兵器が奪われるという、まったく違ったサスペンス娯楽映画だった。

"Broken Arrow Trailer - 1996 HQ" posted by HQTrailers4u @https://youtu.be/InrRQ7hYqSc


P.S. (expanded):
 24時間限定で削除しようかと思ったのだが、偶々、いま従事していることと関係することもあるので、一言、二言、書き足しておこう。

 1本目の「折れた矢」に登場するジェロニモは、約4年半前にオサマ・ビン・ラディンを殺害した米軍の作戦名に使われて物議を醸した。このことは、以前に取り上げたことがある。1本目の映画の中のアパッチの衣服や装飾品、被り物などのひどさとの関連も含めて、こちらを参照されたい。

 米国政府との和平に踏み切るコチースが矢を折るところから原題の「折れた矢(ブロークン アロウ)」となっているのだが、この後の歴史的経過が非常に重要である。米国は、この舞台となっている1870年の翌年、1871年に連邦議会が先住アメリカ人諸国との新たな「条約」締結を中止するように大統領に命じ、対インディアン政策を国内政策化した。しかし、これは、協定や合意文書の締結を止めさせるものではなかったため、1871年以降にも協定や合意文書が合意された。それらの効力は、本質的に条約と同じであった。

 しかしながら、1本目の「折れた矢」で描かれている平和のための条約の言葉は、その後、破られ(ブロークン)続け、「ブロークン プロミスィズ」となるのである。それゆえに、主に北米の先住民族の代表たちは、国連の権利宣言起草の過程で、ただ単に「条約」とはせずに、協定や合意文書を盛り込むように活動したのである。下の"treaties, agreements and other constructive arrangements"という文言に注目されたし。

Recognizing also the urgent need to respect and promote the rights of indigenous peoples affirmed in treaties, agreements and other constructive arrangements with States,(前文第8段落)

Considering that the rights affirmed in treaties, agreements and other constructive arrangements between States and indigenous peoples are, in some situations, matters of international concern, interest, responsibility and character,(同第14段落)

Considering also that treaties, agreements and other constructive arrangements, and the relationship they represent, are the basis for a strengthened partnership between indigenous peoples and States,(同第15段落)


Article 37(本文第37条)
1. Indigenous peoples have the right to the recognition, observance and enforcement of treaties, agreements and other constructive arrangements concluded with States or their successors and to have States honour and respect such treaties, agreements and other constructive arrangements.

2. Nothing in this Declaration may be interpreted as diminishing or eliminating the rights of indigenous peoples contained in treaties, agreements and other constructive arrangements.

 1本目の「折れた矢」が公開された後、1953年に下院議会の決議によって「終結政策」が表明され、一部のトライブに対して遂行されることとなる。そして、(その他諸々の歴史的事項は省くが)「アイデンティティの商品化」、「人的資源」の商品化の時代がやって来るのである。


 話は少し変わるが、「民族強制の象徴空間」における遺骨の分子人類学研究を承認したら、博物館の管理運営に北海道アイヌ協会が「主体的に参加」できるようになるなんて口約束はされてないだろうな。現代アイヌに対する「ブロークン プロミス」ってことはないだろうな。昨年11月の北海道アイヌ協会の理事会決定についてアイヌ総合政策室はなぜ急がせているのかと書いたけれど・・・、いずれにしても、「条約、協定、および建設的な合意文書」の「交渉」とはなり得なかったということなのだろう。


 昼間、メールチェックのついでに大急ぎで書いていたので、少し加筆して書き直すことにした。

 「2本」は映画の本数と矢の本数にかけていると、お分かりいただけただろうか。