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AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

第7回アイヌ政策推進会議における「アイヌ遺骨等の集約・保管・返還のあり方」

 アイヌ遺骨の返還要求や「異例施設」への集約に反対している人々は、標記の検討をどう受け止めたのであろう。最近は、遺骨をめぐる動きがあまり見えなくなっている。「アイヌに対する理解度」調査ではないが、日本人全般とアイヌ関係者との感じ方を数値で示すと、ちょうど逆くらいになりはしないだろうか。(そもそも、差別に関する調査と言いながら、なぜこの問題を差別問題として問うてみなかったのだ?)

 2月26日の投稿(「第23回政策推進作業部会」)で「第7回アイヌ政策推進会議の議事で書き残していることがある」と書いたのだが、ドンピシャのタイミングで作業部会開催のことや「意識調査」の結果が出ていたりして、後回しになってしまった。

 と、ここまで書いたところで、また中断を余儀なくされた。取り急ぎ、「議事概要」から、政策推進作業部会の検討状況の常本部会長による説明の遺骨関連部分を引用しておく。(続きは、新規投稿にせずに、ここに投稿することにする。)

 次に、アイヌ遺骨等の集約・保管・返還のあり方については、現在、大学が保管しているアイヌ遺骨等の任意の提出を求めて集約を行い、返還や適切な研究利用に支障が生じないよう、また、短期間で著しく損なわれることのないように保管できる施設をできるだけ早期に整備することとしており、そして、集約したアイヌ遺骨等については、祭祀承継者を特定して返還することを基本としますけれども、あわせて、地域返還についての検討も継続して行う必要があるとしています。

P.S.
 「民族共生の象徴空間」の管理運営については、資料1-1「政策推進作業部会報告(概要)」の1ページ「象徴空間の中核区域及び一体的運営について」に要約されているが、第7回アイヌ政策推進会議に提出され、承認された「第7回アイヌ政策推進会議政策推進作業部会報告」(資料1-2)に、次のように記されている。

(2) 運営主体
① 象徴空間の主要施設のうち、国立のアイヌ文化博物館は文部科学省文化庁)が整備し、及び管理する。国立の民族共生公園及びアイヌ遺骨等の保管施設は国土交通省が整備し、及び管理する。このため、これらの施設を一体的に管理運営し、併せてアイヌ文化の伝承、人材育成活動、体験交流活動等を一体的に実施するため、これらの業務を一つの主体に一括して担う体制が必要である。この運営主体が担うべき業務としては、以下のようなものが含まれる必要がある。
 ・ 国立のアイヌ文化博物館について、文部科学省からの委託による管理運営
 ・ 国立の民族共生公園について、国土交通省からの委託による管理運営
 ・ 象徴空間におけるアイヌ文化の伝承、人材育成活動、体験交流活動等の実施
 ・ 象徴空間に集約されたアイヌ遺骨等を保管する施設について、国土交通省の監督の下での管理業務
 ・ 象徴空間を拠点とするアイヌ文化復興に関する情報発信
 ・ 運営協議会の庶務
 ・ 上記に掲げる業務に附帯する業務


② 運営主体に求められる条件
 上記に示した業務を確実に実施するため、運営主体として位置づけられる団体は、次のような条件を備える必要がある。
 ・ 象徴空間の総合的かつ一体的な運営を確実に実施するための組織体
制、財務基盤、活動実績、ノウハウを有すること。
 ・ 一部の者や地域に偏らず、公平・公正な運営を図ることができること。
 ・ アイヌの伝統や文化に通じ、一部の者や地域に偏らず、アイヌの人々の主体的参画を図ることができる組織体制、活動実績、ノウハウを有すること。
 ・ 国からの業務を受託するにふさわしい公益性、組織体制、財務基盤、活動実績等を有すること。


(3) 運営協議会
 運営協議会は、現地の事業実施段階における関係者の連絡調整を行うとともに、多様なアイヌの人々の参画を得る役割を担う。協議会の代表には、アイヌの人々を代表する者が含まれていることが望ましい。
(7-8ページ)

 この部分から、運営協議会への参加可能性を除いて、北海道アイヌ協会が事実上、管理運営の主体から外されていることに質問か意見が出たことへの反応が、先に取り上げた安藤委員による「アイヌ系」発言の箇所であったのであろう。将来的な負担や起こり得る負債を背負わされるよりは良いだろうとは思うが、自分たちが「推進」してきた「象徴空間」を奪われてしまったような感じがした/しているのだろうか。

<取り合えず、編集の手間が少ないここまでとして、残りは、続きとする。>