AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

アイヌ協会「理事長の動向」~道新社説(w/ P.S.)

 AINU POLICY WATCHがAINU ASSOCIATION WATCHに変わったわけではないのだが、理事長の動向が更新されているので、ちょっと覗いてみた。21日の定例総会の写真と次のような記述がある。

 先住民族アイヌの貧困問題などに関し、法的措置の検討の必要性について政府で論議がなされていることを受け、省庁空間の公開予定の前年を目途に新たな法律制定を求めていくことなどを含め、提案した議案は承認、可決されました。
 また、役員(理事17名、幹事3名)の改選も行われました。

 確かに「省庁空間」だね。「幹事」は「監事」の誤記では?(HP作成業者から罰金を取るとよろしかろう。いやいや、担当者に座布団1枚か。)
 ところで、その監事のポジションから差間氏が外れたらしいけれど、この情報は正しいのだろうか。正しいとすれば、なぜ? 小川隆吉さんの手を引いて歩いたからではないだろうと思うけれど・・・。

 また、5月18日の「アイヌ政策を推進する議員の会総会」も取り上げられている。5月13日にアイヌ政策推進会議が開かれて、「政策推進作業部会報告書」が了承されたそうである。その報告書に、「政府に対し、法的措置の必要性についても総合的に検討することを求める旨が盛り込まれた」そうであるが、内閣官房アイヌ総合政策室の同会議サイトには、今のところ、「議事次第」と「配布資料」だけが公開されている。4月21日の作業部会の「議事概要」さえ未公開である。

 実は、今夜は、読者が「道新はもう協会のお追従しか書けないのだな」という感想を付けて送って下さった北海道新聞の2016年5月13日の社説(「政府が、アイヌ民族の生活・教育支援を目的とする新法制定に向けた検討に着手する」動きを支援する論陣を張っている)を取り上げて書くつもりでいたのだが、上を書きながら、13日である意味が分かった。(Windows XP搭載の19,800円の中古パソコンで粘ってきたのだが、ついに変えざるを得ず、常時訪問するサイトの登録などをしないままだったので――もうどうでもいいかとも思っていたし――この頃の動きをフォローしていなかった。)
 上記社説、「アイヌ新法 手厚い支援を求めたい」は、確かに、道新の立ち位置が良く分かる社説である。「アイヌ民族はもういない」という側からも攻撃されているようだから、こうなってしまうのだろうかと同情しもするが、批判的精神は死んでしまったのかと思ってしまう。国連の権利宣言を引き合いに出しているが、道新は、国会決議の二面性や有識者懇談会の政策をこれまでどのように独自に批判的に分析してきただろうか。

 道内のアイヌ民族については、道が国の補助を受けて、年10億円規模で奨学金や就労支援などの事業を行っている。
 それでも、道が13年、アイヌ民族が住む道内66市町村を対象に行った調査では、アイヌ民族の世帯の生活保護率が平均的な世帯の1・4倍と高く、大学進学率は0・6倍と低かった。
 かつてに比べれば経済格差は縮まってきてはいる。それでも、解消へ取り組みはまだ十分とは言えない。

 「それでも」の背景には何があるのだろう。道新は、そこには切り込まないようにしているみたいである。これまでの政策の流れに竿を継ぎ足すだけ、足し算するだけでよいのか――もっとも、国会決議にはそう記されているのだが。

 今夜、もう1つ別件でちょうど取り上げようとしていた国会決議に言及し、常套句となった「海外では」とも書いてくれている。

 同時に、新法制定に当たっては、08年に衆参両院が全会一致で行った「アイヌ民族先住民族とすることを求める決議」も考慮する必要がある。
 この決議を受け政府も初めて、アイヌ民族先住民族と認める官房長官談話を出した。
 一方、法律上ではアイヌ民族先住民族としての位置づけがまだ明確になっていない。
 海外では先住民族に対する権利侵害への反省から、国内法の制定で人権を保障しようとする動きもみられる。

P.S.:「海外では」ということで、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドにおける先住民族の冷凍保存された血液の取り扱いに関する指針とそれぞれの比較研究を紹介して、アイヌ政策推進会議は、加藤理事長の思いを掬い上げて、アイヌの血液標本の取り扱いに関する指針を作成しなくてよいのかと論じる予定であったが、当面必要もなさそうであるし、健康のために、ここまでとする。たまには、道新は、「海外では」という事例の独自の調査報道を行ってはどうかな。これまでに、「先住民族に対する権利侵害への反省から、国内法の制定で人権を保障しようとする動き」を具体的に紹介した報道はあったかな? 瞬時には思いつかないのである。

P.S. #2(05.26, 23:59):このブログに指摘されて修正したなどと思われたくはないが、「省庁空間」の誤りは重大だ。このままにしていては、遅かれ早かれどこかから指摘されるに違いない。「幹事」をそのままにしておけば、「省庁空間」など存在しなかった。初めから「象徴空間」だった。Don Xuixoteの捏造という批判が高まるだろう。
 こういう風にどこかから助言があったかどうかは知らないが、上記の「省庁空間」が入った箇所の引用は、アイヌ協会のHPからそのままコピペしたものである。夜に見て、先ほど午後11時半頃にメッセージを下さった方は、「象徴空間になっていました。(略)本当に「省庁空間」だったんですか?」と問うてきた。
 このブログの読者の中には早朝に訪問している方もいて、午前8時前にメッセージを入れて下さった方は、「担当者は[私の]ブログを見ていないのか、それとも修正反応が遅いのか」と書いてきている。つまり、その時点でまだ修正されていなかったものと思われる。
 今日は野良仕事でバテたから書く気はなかったし、事柄自体はどうでもよいことなのだけれど、私は座布団を欲したわけではありません。因みに、「幹事」が「監事」であることは、協会の構成で確認してから書いた。

 こちらに補足を追記した。

P.S. #3(05.28, 0:10):「昨朝見たときはたしかに『省庁空間』でした」という「証言」をいただいた。ただ、上で冗談に陰謀論的に書いたけれど、単純に、担当者自身が気づいて訂正したか、このブログに関係ないところから「省庁空間」だけ気づいた人からの通知があって訂正したのかもしれない。このブログの指摘によって訂正したのであれば、きっとお礼の言葉が届いていたことだろうから。

P.S. #4(06.03):約1週間ぶりに訪問したら、「監事」も訂正されていた。残念ながら、問い合わせには忙しすぎて応じてもらえないみたいである。


 

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