AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

政策会議の最近の動き

 第25回の作業部会から追うのを止めていたけれど、取り敢えず、後の便宜のために。

第25回「政策推進作業部会」議事概要

象徴空間及びその主要施設の正式名称について(↓↓↓)

平成28年5月13日 内閣官房アイヌ総合政策室
本日開催された第8回アイヌ政策推進会議(座長:菅内閣官房長官) において、象徴空間(民族共生の象徴となる空間)及びその主要施設 の正式名称が了承されました。

区 分 これまでの呼称 正式名称
全 体 民族共生の象徴となる空間 民族共生象徴空間
博物館 国立のアイヌ文化博物館(仮称) 国立アイヌ民族博物館
公 園 国立の民族共生公園(仮称) 国立民族共生公園

第8回アイヌ政策推進会議「配布資料」(↓↓↓)

資料1-1 政策推進作業部会報告(概要)
資料1-2 政策推進作業部会報告
資料1-3 政策推進作業部会報告
資料2 「慰霊施設の整備に関する検討会」(RT)の検討状況について(中間取りまとめ)
資料3 象徴空間の整備・管理運営に関する一体的な検討体制(案)
参考資料1 アイヌ政策推進会議の開催について
参考資料2 アイヌ政策推進会議名簿
参考資料3 「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」報告(平成21年7月)で提言された政策等の推進状況について
参考資料4 大学が保管する特定遺骨等の返還に関する手続きの詳細について(意見のまとめ)
参考資料5 これからのアイヌ人骨・副葬品に係る調査研究の在り方に関するラウンドテーブル(中間まとめ)
象徴空間及びその主要施設の正式名称について

 この中では参考資料5が最も興味深い(私にとっては)。血液その他の人体組織標本の問題については、考古学者は関知しないのだろうと思う。北海道アイヌ協会も沈黙を守り通すのだろうか。国際的な先住民族政策の専門誌に掲載された最近の比較研究論文は、世界の先住民族に対する遺伝子・ゲノム研究政策の必要性を提案して、「先住民族集団は研究調査の搾取と害を最も被りやすく、それゆえ、先住民族のために機能する諸原則を確認することはすべての人間集団のための最善の実践例につながるであろう」と報告している。*1

P.S.:「参考資料5」に「アイヌへの人骨と副葬品の返還と慰霊の実現が第⼀義であり、研究に優先される」(「概要」3ページ目;本文5ページ)と明言されているが、北海道アイヌ協会――「ラウンドテーブル」のメンバーにはお決まりの3人だけ!――は、これについて何を思う?
 全体として、このブログで主張していたことの多くが取り入れられている感じでもあり――偶然の見解の一致なのでしょうが――かなり評価できる内容にまとめられている。しかし、この「中間まとめ」自体にもまだ問題があるし、その外にもいくつもの課題が残されている。

*1:出典は、この課題に関心と懸念を共有し、このブログの趣旨と活動に賛同し、情報を交換する読者にだけ提供し、ここでは省略する。というのは、ただ読んで通過するだけの読者には必要ないであろうし、このブログを認知せずに元の情報だけを利用する人がいるからである。