AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

遺骨・副葬品の国際的返還を求めて、いよいよ動き出すのか?

 5月31日の投稿で区切りが良いので、しばらく休止するつもりでいたのだが、一昨日(1日)、当研究所の協力員のお一人から6月1日の北海道新聞「大学のアイヌ民族遺骨、海外の実態把握を 欧州に保管記録」という記事のお知らせを戴いた。それでも書くまいと意地を張って粘っていたのだが、遺骨・副葬品の「調査研究の在り方」に関する意見も別の協力員の方から戴いているから、ついにギブアップして書く。書くと言っても、前者については、読者へのお知らせ程度である。

 英国の自然史博物館については、Against the Windやこのブログでも何回か登場している。また、最近の「国際的返還」を求める動きについても同様である。右の検索窓にそれぞれ「自然史博物館」、「国際的返還」と入れて戴けば、関連記事が表示される。また、国際的返還に関しては、関係者は既にご存知であろうが、昨年、45ページのガイドブックが公刊されてもいる。

 ところで、「国内外の専門家」とは、どういう人たちなのだろう。(記事内容から、大体の想像はつくが。)

 全国の大学が研究目的で保管してきたアイヌ民族の遺骨返還や慰霊施設の建設構想が進む中、海外に渡った遺骨の実態把握を進めるべきだとの声が国内外の専門家らから上がっている。「アイヌ民族は白人だ」とする学説が戦前に出るなど関心を集めた欧州では、実際に保管されているとの記録や報告が残っている。

 「調査研究の在り方」がまとまりかけ、遺骨返還訴訟も和解協議中ということで、いよいよ国際的返還に動くのかという印象を道新の記事から受けるが、「国内外の専門家」だけでなく、アイヌ民族のどの団体が協働するのかによって、予定されている「象徴空間」への返還となるのか、盗まれたアイヌ コミュニティへの返還となるのかが左右されることになるのかもしれない。前者なら、「人骨」研究者たちも関係してくるのかもしれない。
 また、英国の自然史博物館がタスマニア先住民への遺骨返還を前にDNA研究を行った事件も思い出される。


関連記事(一部):
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