AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

「あのとき採られた血液はどうなったのだろうか」

 北海道アイヌ協会の加藤理事長が政策推進会議で、研究のために血液を採取された自らの体験に言及した真意は分からないままであるが、私は、直接・間接に5人ほどのアイヌの方々から血液を採取された話を聞いたことがある。最近もまた、ある年輩の方が標題の言葉を話していたと間接的に聞いた。

 先日、「遺骨・副葬品の国際的返還を求めて、いよいよ動き出すのか?」で、北海道新聞の遺骨の国際的返還に関係する記事を紹介した。遺骨だけでなく、海外からの調査団がアイヌから血液を採取して持ち帰った記録もある。本来、北海道アイヌ協会こそが掘り起こすべき問題だろうと思うけれど、人員不足、手一杯ということもあるのだろうか、とにかく、「中間まとめ」を読む限り、同協会が率先して動くとも思われない。現状では、協会が問題視しなければ道新も動かないのだろうが、道新社員は立派なパソコンも調査費もお持ちだろうから、血液とデータの国際的返還に関しても調査報道をしてくれないものだろうか。もっと豊富な研究費をお持ちの某政策流し台タンクの研究者たちは、期待されると迷惑だろうから当てにしないでおこう。

 それと、もちろん国内の研究者が収集したアイヌの血液などの行方も追跡して欲しいものである。(道新購読者でない私が頼むのも申し訳ないが。)

cf. 「Japanese “Gene Hunters”(日本の「遺伝子ハンターたち」)」

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