AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

上の写真:ジュネーヴのサン-ピエール大聖堂からレマン湖を望む。

第25回「政策推進作業部会」議事概要と第8回「アイヌ政策推進会議」議事概要(w/ P.S. X 6)

 せっかく前の記事をしばらくトップに置いておくと、ある読者に先ほどメールで書いたのに、第25回「政策推進作業部会」議事概要(14ページ)と第8回「アイヌ政策推進会議」議事概要(6ページ)が公開されている。毎度のことながら、公開日時が記載されていないから、いつ公開されたのか分からない。以前のように頻繁に確認することをしなくなったので、私は、たった今、気がついた。だから、もちろん、まだ読んでいない。
 このような文書をどれだけのアイヌの人たちが読んでいるのだろうか。調査好きの「有識者」の皆さん、それは調査しなくて良いのですか。
 アイヌ民族の間にもデジタル ディバイドはあるようだし、特に年輩の人たちの間ではインターネットを使っていないという人もまだまだ多そうである。
 前にも書いたことがあるが、こうした会議内容は、それぞれのコミュニティーに持ち帰って議論されているのだろうか。例えば、ラウンドテーブルの5回の会合の間はどうだったのかな。
 北海道アイヌ協会は、官房長官に会いに行ったという「理事長の動向」も大事かもしれないが、なぜ、こういうものをせっかくリニューアルしたウェブサイトで告知しないのだろう。(政策室が公開したものを印刷して配布しているのかもしれませんね。そうであれば、ゴメンナサイ。)

P.S.:あー、まただ! 目を疑った。アイヌ政策推進会議は、今回もまた30分間! 総勢16人の出席者、しかも北海道から9人。ご苦労なことだね。呆れてしまう。「アイヌ政策ラバースタンプ会議」と改名した方がよい。こんな会議にいくら予算が使われていた? 過去の記事から引用しておく。

★政策関連会議費
 4の「その他」には、このような2件がある。

アイヌ政策推進会議の開催等に係る経費 2,700万円[ 1.06 ]【内閣官房
アイヌ政策推進会議の開催等により、総合的・効果的なアイヌ政策を推進。

北海道大学におけるアイヌ・先住民との文化的共生に関する総合的・実践的研究
北海道大学において、アイヌ・先住民に関する総合的・実践的研究を実施。【文部科学省

 これは来年度予算であるが、今年度、アイヌ政策推進会議は、第7回の1回のみ、しかも記事にも書いたように、わずか40分の会議であった。これには政策推進作業部会の開催費も含まれているのであろうか。こちらは、わずか3回の開催である。(Cf. http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/meetings.html

 あの時お目覚めからまた眠られていたみたいですが、「アイヌ全体も大喜びしている」(第8回、p. 3)とのことですから、お後がよろしいようで。

P.S. #2:やっぱり、「持ち出し」の読みは当たっていた。

○ これまで、日本人類学会と北海道アイヌ協会との間では、札幌医科大学でのイチャルパの共催などがあったので話し合いは何度か行ってきたのだが、今回、副葬品も含め、日本考古学協会も参加いただいた形で、北海道アイヌ協会との間で今後の研究をどうするかを考えるラウンドテーブルが設けられたのは非常に意義の深いことだと思う。一方で、象徴空間の中で研究をどのように実現していくのかという問題がまだ取り残されていると感じる。このラウンドテーブルの提言を受けて、このような研究が象徴空間の中に保管されている遺骨並びに副葬品に関してどのようにできるのかを今後考えていく必要があると思う。(第25回、p. 4)

P.S. #3(06.12, 23:50):9日の夜、珍しく(エイプリルフールの投稿以来初めて?)北方から風が吹いてきて、ツイッター経由で下の記事にアクセスが記録されていたので見に行った。やはり今は、ブログよりもツイッターというべきなのだろうか、活発な議論と口論が展開されていた。
don-xuixote.hatenablog.com
 深夜だったのでざっと読んだ程度だったのだが、その中に『二つの風の谷』という「有識者」の著書で「詐欺的なやり方」で血液採取が行われたという話が紹介されていることへの言及があった。議論や口論は興味深く読んだのだが、その夜は非常に疲れた。ツイッターをやるには相当な時間的余裕と体力・精神力がないとできないなと改めて認識した。

 翌日、1件確認したいことがあって再訪問すると、そのツイッター投稿は忽然と姿を消していた。私の読者によれば、アカウントごと消えていたとのこと。何が起こったのか、何か都合が悪くなったのか、いくつかのシナリオが想像されたのだが、ここでそれを展開するまでのことはないだろう。

 最近たくさんの☆を付けてくれているかえるさんが、こちらで、別の深刻な「研究許容」の動きに対して怒りを表明している。(あー、☆が換金できるものなら!)

 政策推進作業部会では、その日本学術会議に「調査研究の在り方」の問題をもっていこうという話も出ていた。それも含めて、別件でもう少し書いておきたいことがあるが、一休み。

P.S. #4(06.13, 0:20):さて、「中間まとめ」には重要な点がいくつも含まれていると評価してはいるものの――何しろ、ここで数年間にわたって指摘したことの多くが含まれてもいるから――、先に書いたように、「毒」が完全には抜かれていない。その一つが「持ち出し」による研究であった。

 「政策推進作業部会」での「主な質疑応答」を読みながら考えたことから、4点記しておく。

①上のP.S. #2の引用で言及されている北海道アイヌ協会札幌医科大学との話し合いやそれに基づく「覚書」については、これまで何度もこのブログで言及してきた(右の検索窓に「札幌医科大学」と入力されたい)。その一つの「この矛盾!」では、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会(第5回)議事概要」から次の発言を引用しておいた。

札幌医科大学のイチャルパ、供養祭と言いますが、遺骨の返還、更にはDNAのレベルでのアイヌ古人骨による研究申し入れについての話し合いなど、取組は進めてきているところです。これらの取組は、不当な方法で収集されたアイヌの人骨の返還などに関わる先住民族の権利に関する国連宣言第12条の具体的な取組でもあると思っています。この取組の更なる推進と、東大や京大などの国内外の大学他に分散し、保管されているアイヌの人骨について、先住民族の先祖の尊厳回復と今後の研究、アイヌ文化、歴史の理解促進、啓発の意味合いを込めて、象徴的な施設を早急に国民の理解を得て国の責任のもとに設置していただければありがたいと思っています。
(6ページ)

 今回の「中間まとめ」を受けて、関係者は今もなお、その「取組」が「不当な方法で収集されたアイヌの人骨の返還などに関わる先住民族の権利に関する国連宣言第12条の具体的な取組」との見解を変える意思はないのだろうか。

②同じく、P.S. #2の発言は篠田氏のものではないかと推測しているのであるが、同氏は、2014年8月の北海道アイヌ協会の「記念事業」シンポジウムの席でもそうであったが、これまでに「反省」という言葉を何度も述べておられる。上の「有識者懇談会」でも、次のように述べていた。

決定的に本土と集め方が違っていたのは、本土の日本ではそこの人々自体に収集の目的、ないしはその意義を説明して人骨を集めましたが、残念ながらアイヌ人骨の中にはそのような手順を経ずに集めた人骨がかなり混ざっています。これは人類学者としても率直に反省しなければいけない点だというふうに思っていますが、このような人骨の研究、特にDNAの研究などは、今後更に研究が進めば、より多くのデータを得る可能性があります。ですから、このような人骨も合わせて、慰霊とそれから研究というものの両方ができるような設備が整って、今後アイヌ研究あるいは日本人全体の成り立ちの研究といったものが更に進むといったことを私どもは願っております。

 ラウンドテーブルでの話し合いを経て、同氏の見解には何も変化が見られないように思えるが、同氏および日本人類学会にとって「反省」とはどういう意味なのであろうか。(これとかこれを思い出してしまうのである。)

北海道アイヌ協会は、過去の政策関連会議で、「慰霊施設」における遺骨の研究を容認する発言を繰り返していた。2014年11月には、外部からの圧力によるものなのか自主的な決定なのかは検証を要するものの、国連の「権利宣言」第31条を利用して研究を容認することを理事会で再決議した。これらの決議は、「中間まとめ」に収められているさまざまな条件を根拠として行われたのであろうか。「中間まとめ」に収められている遺骨の研究に関する諸条件に同協会が新たに同意しているのであれば、それに基づいて研究の容認に関する決議を再度見直すということはないのであろうか。

アイヌ政策推進会議は、遺骨と副葬品の「調査研究の在り方」に関する関係者の考え方が有識者懇談会の頃と変化してきたと思われる新たな状況において、有識者懇談会の考え方を見直すことはしないのか。(尤も、それをしないために、「中間まとめ」には「『アイヌ政策に関する有識者懇談会報告書』(2009 年)・・・に盛り込まれた精神を尊重し」(p. 6)と入れているのではないかと思われるが。)

P.S. #5(06.13):「作業部会」の議事概要は、9ページ最終段落からの「主な質疑応答」からがとても面白い。これまでで一番面白いのではないかな? 山ほどコメントがあるが、無意味だろうから、各自で読んで頷いたり、怒ったり、笑ったり、泣いたり――は、ないか――して下さい。

P.S. #6(06.14, 23:43):無料版で書いていると、記事のクリック数でビュー数が上がるから、なかなか実際の訪問者数を把握するのが難しい。だが、新規投稿しないでいると、冒頭画面を見ただけで(追記を読むこともなく)去っていくような感じで、かなり実数に近い訪問者数を把握することができてよい。