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AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

新たな国際的動向

 なぜか分からないが、昨日くらいからウェンディ ロゥズさんのことを紹介した記事へのYahoo!検索からのアクセスが突如、上位に上がってきている。それはよしとして、4年前に発表しておいた私の替え歌、"Where have all the blood samples gone?"に国際的関心の報せが届いた。
 アイヌの血液採取の方法や保存・研究の問題については、元のブログの少数の読者以外からは直接の反応はなかったのだが、思わぬところというか、海外から強い関心があるとの報せが届いたのである。遺骨の国際的返還に取り組んでいる北米の若い研究者たちを紹介したことがあるが、先住民族から採取した血液標本の所在、遺伝人類学や自然人類学、医学などの分野の研究者のあり方、血液標本の今後の取り扱い方、等々に取り組んで、諸課題を究明していこうとする主として若手研究者と活動家たちの集団が確実に育ってきて活動の輪を広げていることが、この国の学問状況とは対照的に、私をワクワクさせている。遺骨だけでなく、人体組織標本の「争点」を封じ込め続けることができなくなるように、この動きに注目していきたい。

 争点の拡散と封じ込めと言えば、アメリカ政治学の古典の1冊、E. E. SchattschneiderのThe Semisovereign People: A Realist's View of Democracy in America (1960)を思い出す方もいるだろう。アメリカ政治学界におけるプルラリスト(多元主義論者)とエリーティスト(エリート主義論者)との間の民主主義論争において、前者に強烈な打撃を与えた書である。実は今、数十年ぶりに、この本を時間の空いた時に少しずつ読み直しているところである。
 1943年8月のニューヨーク市ハーレム街のホテルのロビーでの一人の黒人兵士と一人の白人警官との喧嘩に始まる暴動の話から本書は始まる。「黒人」が、Afro-Americanでもなく、Blackでもなく、まだNegroと書かれているところに時代性を感じる。
 本のトビラの右上隅に2.50という鉛筆書きに線が引かれ、下に1.50と同じく鉛筆書きしている。自分の字かどうか定かではないが、交渉して$1.50で買ったのではないかと思う。1ドル=270円くらいの頃である。大学街にあった2軒の古本屋の店主と顔なじみになっていて、価格交渉をするのが楽しかったというのも古き良き思い出である。いまAmazonでは中古で4,000円以上の値がついている!
 もう少し書こうと思っていたのだが、暑さで疲れてしまった。

 邦訳書も出版されている。

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