AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

第26回政策推進作業部会「議事概要」/アイヌ遺骨返還問題は、まだまだこれからだ。

 先週末にだろう、7月28日に開催された標記作業部会の「議事概要」が公開されている。
 時間もないし、前の記事が埋もれてしまいそうなので読者へのお知らせだけにしておくが、この3回くらい、北海道アイヌ協会の代表と思われる方が怒っている。「慰霊と研究の施設」の規模が縮小されているような発言であるが、争点を封じ込めようとしているから詳細は分かり難い。

 アイヌ遺骨返還訴訟の一部の和解が成立した後、他の遺骨の請求も同じように和解の交渉が進んでいると、あるところで読んだ記憶がある。また、受け入れの準備が進んでいると書かれているところもあるから、訴訟が終了すれば、新たな訴訟でもない限りは、北大のみならず他の大学・博物館などを含めて、残りの1,500体以上の遺骨をどのように扱うのかという仕組みづくりは、現状では政策関連会議だけで行われることになる。そこではまだ課題が山積しており、闘いはまだまだこれからである。そして、他国の例でも分かるように、仕組みができた後も、継続する過程として政府、研究・教育機関、アイヌ民族が関わっていくことになるだろう。その意味で、アイヌ政策関連会議に出ているアイヌの「代表」たちの役割と責任がますます重大になっている。

 因みに、アメリカの国立アメリカインディアン博物館は、NAGPRAの下で遺骨・文化遺品の返還を行っているのではなく、同博物館を設立した法律に従って行っている。「慰霊施設」と博物館は切り離して、後者で人骨の研究は行わないという方向に進んでいるようには見えるが、準備が進められている国立アイヌ民族博物館の設置規則に返還に関する条項や指針を盛り込むことができるだろうか。この闘いも、まだまだこれからである。

 出かける時間が過ぎたので、取り急ぎ、ここまで。

P.S.:どれくらいの数の人が、毎回の「議事概要」を入念に読んでいるのだろう。

P.S. #2(08.30, 1:30):
 「再構築」だと。
 反応は、「今、政府の新しい推進体制の話を聞いていて非常にうれしい部分がある」、「過去になかったことが進められることはすばらしいことだと思って、私としては本当にお礼しかないところ」、「私も今回、このように進めてくれることに非常に感動している」。
 一人だけ、このような質問をしている。

このワーキンググループの設置は画期的なことだと思う。ただ、ここに挙げられている内容を見ると、かなり具体的なことに基づいて検討されることになると思うが、ワーキンググループの顔ぶれを拝見する限り省庁の方々のお集まりという感じだ。だとすれば様々な課題についての情報はどこからあがってきて、それをどのように集約するのか。また、そこでの検討事項はこの作業部会にどのくらいの頻度でどういう手順であがってくるのか確認させていただきたい。

 行政府がようやく本腰を入れたということのようだが、誰も、「これからやろうということを整えてからこれまでの政策関連会議に出て来るべきだったのだろうが。これまでの6、7年は何だったのか、ふざけるな」とは言えなかったようだ。
 海外の都市部居住の先住民(個人)に対する政策にならった政策に再構築するらしい。アイデンティティの源――北海道アイヌ協会の文書にもこういう言葉があったと思うが――としての総体としての「アイヌ民族」の権利は、検討対象外、よくて二次的、三次的に考える(多分考えないだろう)ということだ。

P.S. #3:ドイツやロシアにある遺骨の話も出ているが、結局、異例施設に集約することしか考えていないから、国と国の問題だけにしてしまっている。

P.S. #4(14:20):報告を受けて質問しただけで、何の「作業」もしていない!

P.S. #5(08.31, 15::25): ここには、昨今の動き、コタンの会や北大開示文書研究会、そして補償政策を求める動きへの政府と「有識者」(と、多分、北海道アイヌ協会)の反撃のメッセージが含まれている。