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AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

奴隷制と奴隷貿易を記憶する

 あと2時間と少し、ニューヨークの国連本部で現地時間の31日13:15~14:30(日本時間:1日2:15~3:30 a.m.)に、「奴隷制を記憶する」というプログラムの一環として、コロンビア大学のナターシャ ライトフット准教授(歴史学)による「大西洋横断奴隷貿易への抵抗と影響に関する講演(Lecture on resistance to and impact of Transatlantic Slave Trade)」が行われる。(最近書いたものの中で大西洋横断奴隷貿易に関する分子人類学者の研究に言及したことがあったなと記憶している。)ここに関連記事。

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Source: Theme: "Remember Slavery: Celebrating the Heritage and Culture of the African Diaspora and its Roots"

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Source: UNESCO: International Day for the Remembrance of the Slave Trade and its Abolition 2016.

 講演は、ここで視聴することができる。現在、国連総会が核実験禁止国際デー(General Assembly: Observance of the International Day Against Nuclear Tests)を記念して、“Strengthening the global norm against nuclear tests – ctbt@20”という題でCTBTに関する「ハイレベル」のパネル討論が行われている。

P.S.:"Live Now"のトップに出ているのに、開始時刻をかなり過ぎても非公開となっていて開かない! 残念だ。

P.S. #2(09.02, 1:00):昨夜、どういうわけかライヴで見ることができなかった講演だが、ビデオを取得したので貼り込んでおく。

Lecture on Resistance to and the Impact of the Transatlantic Slave Trade (organized by the Education Outreach Section, Department of Public Information (DPI)).

 ついでに、同じ日にアップロードされている「難民と移民に関する国連サミット」の広報ビデオも。下の解説にある通り、今日、国境を越えて生活する移民の数は史上最大で、2015年には2億4,400万人が自分が生まれた国とは別の国で生活しているそうである。その中には、自国内の暴力と弾圧から逃れた2,000万人以上の難民と亡命希望者も含まれている。

A world on the move: Refugees and Migrants

31 Aug 2016 - The number of international migrants today is higher than ever before. In 2015, 244 million people lived in a country other than where they were born, including more than 20 million refugees and asylum-seekers escaping violence or persecution in their home countries. The United Nations General Assembly will convene the UN Summit for Refugees and Migrants on 19 September to guide the development of a global approach to addressing large movements of persons across international borders.

UN Summit for Refugees and Migrants

 こういう状況を見て、自然(分子)人類学者の中には、世界で急速に「純粋な」人口集団、特に「先住民族」と今日呼ばれる人々が消滅しつつあり、それゆえに彼・彼女たちの遺伝人類学的研究を急がねばならないと主張している者たちがいる*1

 次から次に考案される調査費には多額の予算が配分されているが、国連TVのように、アイヌ政策関連会議をweb上で生中継して、後で録画ビデオを公開しておくのにどれくらいのお金がかかるのだろうか。それをやることはどの関係者に最も都合が悪く、どの関係者から最も強い反対が出るのだろうか。録画と引き換えに議事概要は省いてもよいと言うと、毎回1カ月ギリギリくらいに議事概要を作成する任務を負う担当者は喜ぶかもしれない。「国民の理解」促進のためには、こういう方法よりも効果的だと思うのだが。

P.S. #3:講演の中で"black"と"white"のunionはレイプによって起こったという部分を聴きながら、「遺伝子交流」のことを思い出した。
 質疑応答の1:00:00あたりからの奴隷制と資本主義の「発展」の関係、世界的な補償要求運動、謝罪、ハイチ革命の影響などへの言及が、興味深い。

*1:これまでにいくつかの本や論文で読んだが、上のビデオを見て浮かんだ感想なので、即座に参考文献を挙げることはできない。