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AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

スピリット ケイヴ マンの返還と再埋葬

 アメリカ連邦政府官報であるFederal Registerに掲載された内務省国立公園局の2016年10月18日付け告示によれば、通称「スピリット ケイヴ マン」の遺骨(ミイラ)と関連埋葬品がファロン パイユート-ショショーニ トライブ(The Fallon Paiute-Shoshone Tribe)に返還され、同トライブの再埋葬の念願が叶う見通しとなった。
 オバマ政権によるもう一つの政策変更と評価されている。

 今から80年近く前の1940年に、ネヴァダ州の現在のファロン パイユート-ショショーニ トライブに近い連邦政府所有地で発見され、その場所に因んでスピリット ケイヴ マン(Spirit Cave Man=SCMと略す)と呼ばれるようになった人の遺骸は、発見当初は、考古学者たちによって2,000年から3,000年前のものと推定された。
 しかし、1994年に、博物館の貯蔵庫に保管されていたSCMとその他の同時に発見され遺骨を新たな放射性炭素年代測定法によって検証したカリフォルニア大学リバーサイド校の科学者たちが、SCMの遺骸は5,400年~10,600年前のものであると結論した。これによって、SCMは、北米で発見された最も古い人の遺骸の一つであり、かつ自然にミイラ化された最古の遺骸ということになった。

 この後、前に取り上げたケネウィック マン同様、NAGPRAの下で科学者も交えての20年間にわたる長い論争の的となっていた。土地管理局(BLM)は、SCMの遺骸は先住アメリカ人のものではあるが現在のトライブと文化的につながっていないという一部の科学者の主張に基づいて、SCMの返還を拒んできた。しかし、BLMによる今回の決定によって、この論争に終止符が打たれることとなった。