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AINU POLICY WATCH

――In Light of the U.N. Declaration on the Rights of Indigenous Peoples――

アイヌ政策過程におけるマスメディア(新聞)

マスメディア 北海道アイヌ協会

 Kさん、冒頭に置いておくに相応しい新たな記事を目指して、もう少し「旅」を続けます。その必要が出てきました。

①マスメディアのゲートキーピング機能、あるいは、ゲートキーパーとしてのマスメディア

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 上の概念図は、コミュニケーション研究における”agenda-setting”(アジェンダ設定/議題設定)というモデルを図式化したものである*1。「アジェンダ設定」については後述することにするが、このモデルの一部(図では左端)に、”gatekeeping”(ゲートキーピング、直訳すれば、門番、守衛)がある。これはマスメディアのアジェンダ設定機能の一部を説明するために用いられる概念である。ゲートキーピングとは、ニュースが公衆に届く前に通過しなければならないいくつものチェックポイント(検問所)の機能を指す。ここを通過するかしないかで、ある出来事がニュースとして公衆に伝わるかどうかが決まってくる。言い換えれば、この機能を通じて現代のマスメディアは、「ニュース、情報、そして娯楽」への公衆のアクセスを統制(コントロール)している。このゲートキーピングを行うゲートキーパーには、報道の記者や編集者、寄稿する著作者が含まれる。一つ、分かりやすい事例を挙げておこう。
 ここで言及したFSCジャパンと北海道アイヌ協会との合意と、同協会理事長のフリーランチと、どちらがニュースネタとして価値があり、ジャーナリズムとして社会に知らせる価値があるものであろうか。既に書いたように、FSCジャパンとの合意は、第26回政策推進作業部会でも言及されている*2。これは、新聞各紙の自主規制なのか、それとも、政府の政策室や「有識者」の中の有力者の「メディア コントロール」なのか。いずれにしても、ゲートキーパーによって「検問」に引っかかっているようである。

<以下の予定で続く。>

②「検問所」通過後のアジェンダ(争点)設定
事例1:「河川でのサケ漁、新法で容認を 道アイヌ協会など要望」および「<解説>先住権尊重 焦点に*アイヌ新法*サケ漁容認要望」(北海道新聞、2016年10月2日)

事例2:「アイヌ政策への期待と課題は」(朝日新聞デジタル 2016年11月05日)

P.S.:ちょっと余談。渦中の人物が共同座長を務める検討部会(cf. 政策推進作業部会=北大の研究センターと札幌大学くらいからしか大学の先生をリクルートできない、もっと「多様な参画の確保方策」を検討した方が良さそうな作業部会=の第26回会合「議事概要」)の地域ヒアリングの案内が回っているようである。くれぐれも、意図は正しかったけれどオチ(結果)がサイアクだったとならないような施策にしないとな。
 そういえば、この件もゲートキーパーに引っかかっている事例かもしれない。

P.S. #2(14:03):今朝入った論文の情報です。下手なマスメディア論より、先にこちら、東村岳史「アイヌ政策の分析枠組み―強制された「共生」の構造―」をどうぞ。
11月19日の週末は、大学のサーバーがアクセスできないようになっているもようです。

*1:図は、Denis McQuail and Swen Windahl, Communication Models for the Study of Mass Communications (Longman, 1993)から取られたものをここから借用。

*2:第26回作業部会の「議事概要」に関するここの投稿を引っ込めたからではあるまいが、11月15日未明の時点でもまだ、10月6日の第27回政策推進作業部会の議事概要が公開されていない。第28回の議事概要が未公開であることは、言うまでもない。